血流が悪くなるとどんな病気になるの?#351

Voicy更新しましたっ!

今回はよく言う「ドロドロ血液」のような「血流が悪くなったとき」の病について

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血流が悪くなると・・・

以前、血圧についてお話しましたが、今回は「血流」についてのお話です。

血流が悪くなるという事は、当然と言えば当然ですが様々な病が起きます。

最終的には、命にかかわる非常に大きな病気になりますので、高血圧とともに、日々注意していってください。

今回はその大きな病気の原因となる、「詰まった状態」を例に上げていきます。

 

脳で起きると「脳梗塞」心臓で起きると「心筋梗塞」

簡単に言うと、脳の血管が詰まれば脳梗塞、心臓では心筋梗塞、となります。

心臓では、その前段階として、狭心症が起きます。心臓の血管が何らかの原因で細くなり、栄養がいきわたらなくなって胸が締め付けられるような、苦しさを感じる病です。

ちなみにこれは休むと一時的に良くなるので、この時に治療するのが大切です。

 

動脈・静脈の血管が詰まった場合

脳と心臓以外では、血液を回す「動脈」「静脈」もあります。

動脈の血管が詰まった場合は「バージャー病」という2つの病があります。

文字通り、高血圧などで動脈硬化になって詰まった時は「閉塞性動脈硬化症」になりますが、もう一つの「バージャー病」は原因が分からずに動脈の血管が詰まった場合に該当します。

しびれ、冷えのような症状が出るとか、ふくらはぎなど足で発症した場合は歩くと痛みが出て休むとまた歩ける、と言った症状で現れます。

一方の静脈では、「旅行者塞栓症」があります。

深部静脈血栓症は足のむくみが出て、徐々にひどくなると痛くなってきて痛みが強まる症状があります。

後者の旅行者塞栓症は、いわゆる「エコノミークラス症候群」のことで、同じ体勢で長時間いることで、そこの血液の一部が固まり、それが肺の血管を詰まらせて重篤な症状を引き起こす、というものです。

旅行中に限らず、デスクワーク中などでも、座席に座ったまま長時間同じ体勢でいることで、起きる可能性がありますので、注意してください。

 

血流が悪くなる原因は「動脈硬化」が一番多い

血流が悪くなる原因は、やはり動脈硬化が一番多いです。

血管の内側にアテローム塊という、コレステロールや中性脂肪が原因でできた塊がこびりつきます。

まさに油の塊、とも言えるものが血管の内側にでき、これによって血流が悪くなります。

そして結果的に、その部分が詰まる、ということです。

また、血管が細くなることで、血液の塊ができることもあり、それによって詰まるということもあります。

細くなってるところに無理やり血液を通すので、当然血圧も高まることにつながります。

動脈硬化の原因はコレステロールや中性脂肪に限らず、糖尿病、アルコール、ストレスなど、日々の生活習慣によるところもあります。加齢ももちろん、大きな要因となります。

 

動脈硬化を防ぐために

動脈硬化を防ぐのに、一番大きいポイントとなるのがやはり「たばこ」「お酒」「食事」です。

たばこそのものに血管を細くする効果があるため、血管が詰まりやすくなることに直結します。

電子タバコであっても、ニコチンが含まれていれば同様ですので、人によっては難しいかもしれませんが、できるだけ、たばこは辞める方がおすすめです。

また、アルコールも最近では極力抑える方が良い、と言われてきています。

たばこよりも辞めづらいものですが、量を減らすのでも効果があるので、こちらもできれば、抑えるようにするのがおすすめです。

そしてやはり、脂質、脂分が多い食事も大きな原因となります。

どれも一般的なお話で、日々の生活習慣という点に尽きますが、たばこをやめてお酒を控えて、バランスのいい食事をとることが良い予防につながります。

 

1週間でトータルで150分運動するのも手

悪玉コレステロールは適度な運動をすることで、善玉に変わることもありますので、やはり運動もおすすめです。

自分の目安としては、1週間で150分の運動、が丁度良いかなと思っています。

毎日ではなく1回50分で週3回とか、1回30分で週5回というように、週でトータルで150分になるように、筋肉を刺激するとか体を強めに動かすのでも、良い運動になると思います。

例えば週に1日、午前午後で分けながら2時間半運動する日を設ける、とかも良いと思います

何よりも継続して行うことが一番ですが、これだとそれぞれのライフスタイル、生活リズムに沿って無理ない範囲で、続けられると思います。

 

どうしても難しい場合はお医者さん・薬剤師に相談

コレステロールや中性脂肪は、体質的になかなか下がらない、という方もいます。

その場合はお医者さんや薬剤師に相談して、お薬でコントロールする、という事も可能です。

コレステロールや中性脂肪の値で気になることがあれば、遠慮なく相談してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属