膝のコンドロイチンってホントに効くの?#322

Voicy更新しましたっ!

今回はよくテレビCMで見る「コンドロイチン」「グルコサミン」のお話

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「グルコサミン」と「コンドロイチン」

サプリメントなどでもたくさん販売されている、膝の痛みに効くとされている「グルコサミン」や「コンドロイチン」ですが、そもそもどういうものなのか、どういう効果があるのか、についてお話していきます。

 

グルコサミンは軟骨の成分

グルコサミンは膝に良い、と言われますが、これはグルコサミンが軟骨を構成する成分なためです。

具体的にはアミノ酸の一つで、骨と骨の関節のクッションの役割をする軟骨に使われています。アミノ酸ですので、血管や腸管、皮膚など体内の様々なところで消費されます。

また、実はグルコサミンは体の中で生成できる成分です。ただ加齢とともに作る能力が落ちてしまい、結果として膝の軟骨がすり減り、痛みが出るということにつながります。

ですので、サプリメントなどで外から補給して、膝の負担を取って痛みを取る、という仕組みが出来ます

 

グルコサミンの効果が確認される根拠は、無い

以前、トクホについてのお話をしましたが、その時に「サプリメントは一般食品と同じ分類で、効果が確認されたわけではない」と言ったことをご紹介しました。

つまり、グルコサミンのサプリメントはありますが、臨床検査がしっかりと行われて、効果が確認されたというわけではないのです。

言い換えると、効果が確認された根拠は無い、という意味です。

ではなぜ、グルコサミンが役立つと言われているのかというと、一部の研究があったためです。

2005年にイギリスのコクラン共同計画の、コクランレビューというのがあり、医療者の中で非常に信頼できる情報筋で「変形性膝関節症」についての研究がありました。

この変形性膝関節症において、グルコサミンが一定の効果がある、という報告がされたのです。

全く痛く無い状態を0点、我慢できないぐらい痛い状態を100点と、スコアをつけたところ、グルコサミンを飲むことで10点変わった、良くなったという報告がされました。

これが一つの根拠でしたが、最近アメリカの国立衛生研究所も同じような研究、実験をしたところ、それほど効果が無かったという結果が、また同じくアメリカの国立健康衛生研究所というところで、さらに大規模な研究、実験をしたところ、同じくあまり効果がないという風に判断されました。

ですので、もしかしたら、グルコサミンを摂取してもそこまで大きな効果は期待できないのかな、とも思えます。

飲んでみたい方は、前回もお話したように1か月ほど飲み続けて、効果が無ければ辞める、というのがベストかと思います。

 

膝の痛みはどうしたら良いのか

じゃあ膝の痛みはどうしたら良いのか、というと、うちからおすすめしたいのは「コンドロイチン」です。

成分名で「コンドロイチンZS」です。

サプリメントでもたくさんの種類がありますが、おすすめしたいのは医薬品としての「コンドロイチンZS」です。

医薬品ですので、臨床試験がされており、効果があると認可を受けているので、サプリメントよりかは遥かに効果が期待できます。

ただ、どうしても合う合わないはありますので、サプリメントと同じく1か月ぐらい飲んでも効果が出ない、ことはあります。その場合はやめて、病院に行くなどで対処をしてください。

ちなみにコンドロイチンZSは、薬局に来られる患者さんもですが、うちの母にも勧めたことがあります。

指と膝の関節が痛いと言っていた時に勧めたら、2,3週間ぐらい飲んだら和らいだという話を聞きました。

単なる体験談でエビデンスとかは全然ないですが、こういったこともあるので、お勧めしやすい医薬品になっています。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属