Voicy更新しましたっ!
今回はご質問いただいたピロリ菌の話。
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一度感染すると居座り続ける「ピロリ菌」
コメントで胃カメラについてのお話がありました。
その中で出てきた、「ピロリ菌」について少しお話したいと思います。
ピロリ菌は外から感染するものですが、感染する原因は子供のころの衛生環境に理由があるとは言われていますが、未だによくわかっていません。
胃がんに関連してもしばしば出てくるピロリ菌について、お伝えできればと思います。
胃酸で死なず、胃に住み続ける細菌
ピロリ菌とは胃に住む細菌で、正式にはヘリコバクターピロリと言います。
通常、食べ物などについた菌は、そのまま胃に入った場合は胃酸で死にます。
しかし、ピロリ菌は酸を中和し続けるため、酸が効かず生き続けるのです。
このピロリ菌に感染する原因は、育つときの環境で井戸水を使っていたとか今よりも水の衛生が良くなかったなどが言われています。
これはなぜかというと中高年の8割から9割の方はピロリ菌に感染しているとされ、逆に今10代の若い方でピロリ菌を持っている方は10%以下なためです。また、感染が起こるのは大体4歳以下の時期に起こる、と考えられています。
まだ分かっていないことがたくさんありますが、こうしたことがあるため、衛生環境が原因ではと言われています。
ピロリ菌に感染すると、主に胃の病気に
ピロリ菌に感染すると主に胃の病気になって現れますが、初期は自覚症状がありません。
自覚症状を感じないまま生活していきますが、もし感染していたら胃カメラで見ると、変化が起きていることが分かります。
例えば胃の中のヒダが多いとか、ヒダが分厚いなどです。この状態ではまだ症状が出ないですが、これが長い年月を重ねると慢性胃炎となり、ご飯を食べた時の胃のむかつき、吐き気などのような胃炎の症状が出ます。
さらに進むと胃潰瘍や十二指腸潰瘍となり、最終的に胃がんとなります。
胃がんの98%の患者さんは、ピロリ菌に感染しているとわかっています。
なので「ピロリ菌があると胃がん」ということが言われるのです。
ピロリ菌は除菌するのがおすすめ
もし胃の中にピロリ菌があれば、是非除菌をしてください。
簡単に言えば、1週間抗菌薬と、胃酸を止める薬を飲み続けることです。きちんと飲めばこれでほぼなくなります。ただし、1回で除菌できない場合もあり、その時は違う抗菌薬で除菌していきます。
ポイントは薬を飲んでいる間はお酒を飲まないでください。ピロリ菌の治療をするときは、飲み会などが無い時期、避けられる時期を選んでください。お酒好きな方であれば大変ですが、しっかりと断酒をしてください。
たまにLG21ヨーグルトみたいなピロリ菌に良い乳酸菌飲料があると思いますが、これはピロリ菌を増やさないことしかできないため、除菌するのであれば抗菌薬を使ってください。
また、除菌をした後でも、5年は胃がんが見つかる可能性があります。なので除菌ができたとしても、継続して胃カメラで定期的に見てください。
場合によっては菌が再度増えてしまうこともありますので、5年ほどは継続して検査を続けて行きましょう。
除菌をすることで逆流性食道炎の可能性が
ピロリ菌は胃酸を中和するため、胃はピロリ菌がいる分、胃酸を多く出していたという状態になります。
ここから逆流性食道炎になることがたまにあります。ただこのリスクを考えても、胃がんになることと比べたら些細なことなので、しっかりとピロリ菌を除去するのがおすすめです。