それって肺炎?!気をつけるべき症状は?#270

Voicy更新しましたっ!

今回は、知り合いが肺炎になってしまったんだけど、

なかなかその診断が降りなくて苦労していたので、その話から肺炎のことを。

健康情報を声で聞ける!

医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

肺炎と言う病

今回は肺炎についてです。最近、自分の知人が肺炎でしばらく休んだのですが、その方が肺炎とわかるまでかなり時間がかかった、ということがありました。

風邪の引き始めのような症状から起こるので、分かりづらいと言う特徴があります。

風邪と肺炎の見分け方も含めて、お話していきます。

肺炎は細菌性のものが多い

肺炎は以前の扁桃炎などの病みたいに、様々な種類によって起きますが、基本的には細菌性のものが多いです。

特に有名なのが「肺炎球菌」と言う菌による肺炎です。症状の特徴としては、たんがかなり多く出る、ということがあります。

一般的な風邪のせきでもたんが絡むことは多いと思いますが、風邪によるたんよりもかなり緑がかっているとか、汚れた黄色っぽいなど、明らかに風邪とは違うようなたんが出ます。

また、扁桃炎も急激に症状が悪化して激痛が走るように、肺炎も細菌性のものだと急激に悪化します朝は何ともなかったのに昼や夜になるとせきがすごく出てたんも絡む、というようなことがよくあります。

治療は細菌性が多いので、抗菌薬で治していくことが多いですが、肺炎はウイルス性の場合ももちろんあります。

知人もかかった「ウイルス性」の肺炎

最初にお伝えした自分の知人の場合の肺炎ですが、詳しくはVoicyを聞いていただければと思いますが、これはウイルス性の肺炎です。

ウイルス性の肺炎はせきが激しいですが、細菌性のものよりもたんが絡まないという特徴があります。

その代わり激しい発熱、頭痛があり、風邪の症状に近いものがあります。自分の知り合いの場合では、咳が少ないが実は肺炎だったという症状で、こうしたこともあります。例えばはしかのウイルスも、肺炎を起こす可能性があります。

ただ、肺炎はウイルス性のものでも、ヘルペスウイルスなどが原因の場合は、ウイルスを抑える効果のある薬があり、これを使って治療していくこともあります。

ですがウイルス性のものは、やはり免疫によって戦うのが基本となり、治療は対症療法が主になります。

非定型肺炎と誤嚥性肺炎

もう一つ、細菌性ウイルス性どちらでもない、非定型肺炎と、お年寄りがなりやすい誤嚥性肺炎というのがあります。

一昔前よく話題になっていた「クラミジアから肺炎になるということもあります。

なぜ非定型かと言うと、マイコプラズマもクラミジアも生物ではありますが、細菌でもウイルスでも無い、中間のような存在なためです。

ただ抗菌薬は効果があるため、治療は細菌性のものと似ています。症状はたんが少ないせきが長く続くのが大きいです。

お年寄りは誤嚥性肺炎に注意

誤嚥性肺炎はお年寄りが命を落とす大きな原因でもある肺炎で、加齢によって食べ物を飲み込む力が弱くなってしまいますが、これは吐き出す力も弱くなっているということでもあります。

その状態で、食べ物が間違って気管に入ってしまった時、普通の方であれば何度か咳ばらいをしたり、胸をたたけば胃に落ちたり吐いたりと言ったことが出来ますが、お年寄りであればそれが難しく、食べ物が気管にとどまり、肺へ行くことがあります。

この食べ物が原因で、肺炎となるというのが誤嚥性肺炎です。

お年寄りは特に、抵抗力が弱まっているため、微熱であっても体内では激しく戦っているということがあります。なので原因がわからないけど微熱が続いている、というようなときは誤嚥性肺炎を疑ってみてください。

風邪と肺炎の見分けは「発熱」に注意

まず風邪と肺炎の見分けは非常に難しいです。

せき、たん、発熱が主な症状ですが、これはどちらもほとんど同じです。

難しいなりにも見分ける場合は「発熱」に注目してみてください。

肺炎であれば、いきなり高熱が出ます。高熱と言うのは38度以上、40度近い熱です。通常の風邪であればここまで上がることはほとんどなく、ましてや朝は普通だったのに夜に突然高熱が出る、ということはさらにあり得ない状況です。

ただ、普通の風邪であっても、38度程度かそれに近いの熱になることはあると思います。この境界線が非常に難しく、例えば普段から風邪を引いたらまず喉に来る、というような方は見分けがほとんどつかないと思います。

もう一つ、肺炎の特有の症状が、鼻が詰まっていないのに息苦しいとか、咳をしたら痛いとか、そもそも咳はそれほど出ないけど胸が何となく痛い、のような呼吸器の症状は、炎症を起こしているサインなので、肺炎の疑いがあります。

風邪の症状だけではなく、節々が痛いとか、食欲不振があればすぐに病院に行って相談してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属