Voicy更新しましたっ！

今回は、消毒薬の使い分けについての話。

医療・健康ナビ　なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

 

消毒薬の使い方

これまでもよく「ノロウイルスにはアルコール消毒は効かない」などのお話をしていますが、消毒液、消毒薬について詳しくお話したことはあまりないと思います。

なので今回は、その消毒液について、少しお伝えしていければと思います。

 

アルコール系が一番良いがエタノール系の方がコストが安い

消毒液と言っても色々ありますが、やっぱり一番は王道ともいえる「アルコール」の消毒が一番手軽です。

アルコール系のものは、2、3回手指に吹き付けて、軽くこすり合わせるだけですぐ飛んで無くなると思います。

非常にお手軽で良いものですが、病院の靴箱みたいな、建物に入る時の玄関とかによくあるものは、ほとんどエタノール系です。エタノールと比べると、アルコールはコストが高く、病院の出入り口など頻繁に使う場所であれば、すぐなくなってしまうというデメリットがあります。

 

ノロウイルスには有機酸が含まれたものを

また、ノロウイルスに効くのは有機酸が含まれたものが良いですが、具体的には商品名でウェルセプトなどがおすすめです。ただ普通のアルコールよりも高額なので、これは主にトイレに置きます。

やはり、便や嘔吐物がノロウイルスの感染経路になるので、トイレに有機酸が含まれたものを置くのがおすすめです。

例えば普通に掃除をするだけだと、菌が残っているということがあるので、単なる手指の消毒ではなく、掃除の仕上げにスプレーをして消毒をする、というのも非常に良い予防になります。おすすめなのがイータックで、正式にはイータック抗菌化スプレーと言います。これはノロウイルスにも効果がある上効果が長続きするので、非常に便利です。是非トイレに常備しておいてください。

 

スマホにも要注意

また、イータックはドアノブとかパソコンのキーボードの掃除の時に、これをつけて拭いたりするととても良い殺菌効果があるので、おすすめです。

さらにはスマホを拭く、というのもやってみてください。

例えばトイレでスマホを触って用を足して、手を洗ってトイレを出たとしても、トイレでも食事中でも頻繁にスマホを触る、というような場合はスマホの除菌もやってみてください。

 

排泄物、吐しゃ物を掃除するときに「キッチンハイター」が良い理由

よくノロウイルスが流行っている時期の学校とかニュースで、戻してしまったらキッチンハイターを少し薄めてタオルにつけて、それで拭く、というようなことが流れると思います。

これはキッチンハイターが「次亜塩素酸ナトリウム」というものだからです。

次亜塩素酸ナトリウムは、よく次亜とか略されるもので、ノロウイルスに非常に強力な威力を持ちます。

薄め方は、吐いてしまったものを直接掃除する場合などでは、500ミリのペットボトルに、ペットボトルキャップ２杯のキッチンハイターを入れて、あとはお水でいっぱいにして薄めて使ってください。

これと同時に、自分がマスクをして手袋をつける、エプロンをつけて、自分の防御も念入りにしてください。ウイルスなので結構舞い上がることが多く、知らずの内に吸い込んでしまうことがあります。

掃除ではなく単なる殺菌、除菌のためであれば、500ミリのペットボトルに対してペットボトルのキャップ半分のハイターを１回、入れてお水で伸ばしてください。

 

次亜水と言う選択

最後に、最近「次亜水」と言うのを聞いたことがあるという方も多いと思います。

次亜水は先程のキッチンハイター、次亜塩素酸ナトリウムとは違うもので、簡単に言えば食塩と水を電気分解して作った水の事です。

次亜塩素酸ナトリウムよりもにおいが少なく、人体や食品にも使用できるぐらい、良いことがたくさんありますが、少し不安定な物質で、長期保存ができないというデメリットがあります。

1か月ペットボトルで保存する場合、効果が3割以上失われてしまったというデータがあり、また除菌効果も長続きしないので、頻繁に手指に塗るなどが必要になる、という特徴があります。

 

個人的にもまだおすすめするのは難しい

また、皮膚や食品にも使えるとしましたが、医薬品として認められるほどの経験、歴史はまだありません。なので正直、薬剤師としては、まだおすすめ出来ないと思っています。

一応無害であることは証明されていて市販もされていますが、結局長く使い続けることで副作用が出たりする可能性は無いとは言えません。

ただ今後、将来的には医薬品として販売されたり、医療現場でも活躍する可能性は充分あると思います。

次回は除菌、抗菌とかの言葉の意味、にまつわることをご紹介していきます。