イケメン達は病気に強い?!#190

Voicy更新しました!

今回はバレンタインデーにちなんで、イケメン達は病気に強い?題してチョコレートの話。

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チョコレートは「健康食品」として非常に便利

実は、「チョコレート」「ココア」は健康食品として非常に便利な食べ物です。

特に有効なのが「怪我」の治療です。

埼玉医科大学総合医療センターにある、高度救命救急センターでは、チョコレート、カカオの研究が続けられています。

その理由は、その救急センターにある急患が運ばれてきたことにあります。

交通事故で運ばれた方で、非常に重篤な容態で、悪化の一途をたどっていました。

まさに、辛うじて生きているという状態で、激しい痛みと高熱により通常の病院食が食べられない状態だったため、打つ手がなくなった医師たちは「何か好きな食べ物は」と伺い、その患者さんはチョコレートと答えました。

そこで、板チョコを与えたところ、1日に5枚から6枚もの量を食べました。

すると、今まで治りにくかった傷が回復しはじめ、無事に退院にまでこぎつけたのです。

そこから、チョコレートの研究を始めたとされています。

 

カカオには「亜鉛」が豊富で、便秘解消の効果も

もともと、カカオは亜鉛とポリフェノールが豊富な食べ物として有名です。

これらの成分は傷の炎症を鎮めたり、血液の元になるため、傷の回復に役立ちます。

また、このセンターの研究によって、カカオには便のにおいを抑える、便通を良くするといった効果がある、ということも判明しました。

なぜここで判明したかというと、前項の患者さんの調子が良くなったことも一因ですが、もともと救命救急センターとは、一刻を争う事態の患者さんを救うための場所です。

運ばれてきた方にはまず「抗生剤」を投与します。抗生剤によって殺菌することで、感染症を防ぎ、ひとまずの出血と傷を抑える処置をします。

 

傷などで大きなダメージを受けているうえに、抗生剤によって良い菌、悪い菌をまとめて殺菌して抑えるため、回復途中の患者さんは基本的に腸内環境が「悪い状態」と言えます。

そこでチョコレートを使ってみると、治りが早まり、便の調子が良くなった来たため、という理由です。

 

カカオ特有の「カカオプロテイン」がカギ

これは単に亜鉛とポリフェノールのおかげというわけではなく、カカオに含まれる「カカオプロテイン」という成分によるところが大きいです。

カカオプロテインとは、名前の通りプロテイン(たんぱく質)の一つですが、カカオプロテインは食物繊維のように腸内へ届き、作用していると判明したのです。

そもそも食物繊維とは、胃で消化吸収されにくいもののことで、消化されないまま腸に行き、腸の掃除や便のもととなる物の事です。

たんぱく質は体の細胞を作る上で多分に必要な栄養ですので、カカオプロテインは平たく言えば一つで二役できるという、万能な成分なのです。

ただし、食べすぎは厳禁

ただ、チョコレートは言うまでもなく、とっても甘いお菓子ですので、食べすぎは厳禁です。糖尿病の原因にもなりかねません。

そこで便利なのが「ブラック」のチョコです。

ミルク、ホワイトではない、ビターチョコと呼ばれるタイプのもので、これはカカオ成分が多分に含まれているため、ミルクなどよりは多めに食べても大丈夫です。

特に、全体の7割がカカオで構成されているものはとてもおすすめです。

ビターチョコは甘いものが苦手という方でも甘さが抑えられているため、興味があれば是非食べてみてください。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属