ダイエットコーヒーって本当に痩せる?クロロゲン酸・MCT・普通のコーヒーは?#1019【リスナーからの質問】

痩せるコーヒーとは

先日、コメントにて「痩せるコーヒーが気になっている」といただきました。

コーヒーが好きで、飲んで痩せるならとても魅力的、というコメントですが、確かに最近広告で、脂肪燃焼をサポートするコーヒー、というようなものを見かけ、注目されてきています。

今回は前々回までのダイエットのお話に関連して、このコーヒーの健康効果やダイエット効果について、詳しくまとめてみたいと思います。

コーヒーで脂肪減少の研究が

まず前提として、普通のコーヒーを飲むだけで体重がどんどん減っていく、という根拠はありません。

ただし、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やグリーンコーヒー豆エキスといった一部の成分については、体重や脂肪に良い影響を与える可能性を示した、という研究はあり、エビデンスもありますので、全くダイエット効果が無いということは無いと言えます。

以上を踏まえて現在の、ダイエットコーヒーと呼ばれる商品には、共通した成分が必ず含まれているわけではなく、商品ごとに内容が異なっています。

例えば前述のクロロゲン酸やグリーンコーヒー豆エキスを多くしたもの、MCTオイルを加えたものなど、様々あります。

さらに言うと、ほぼすべてのコーヒーに含まれるカフェイン自体にも、エネルギー消費や脂肪代謝に影響し、体重やBMI、体脂肪の減少につながる可能性を示した研究があります。

ただしこれは、普通のコーヒーを毎日飲めば確実に痩せる、ということではありません。

通常のコーヒーを飲むだけで明確な減量効果が得られる、と言える根拠は現時点ではありませんので注意してください。

クロロゲン酸・グリーンコーヒー豆エキス・MCTオイルとは

前述したクロロゲン酸とグリーンコーヒー豆エキス、MCTオイルについてですが、まずクロロゲン酸はコーヒー豆に含まれるポリフェノールの一種です。

日本人150人を対象に、クロロゲン酸を多く含むコーヒーと通常のコーヒーを約12週間比較した研究があり、クロロゲン酸を多く含むコーヒーを飲んだグループで、内臓脂肪や体重、ウエストなどに良い変化がみられたと報告されています。

ただし、150人でおよそ3か月間という研究規模で、これだけで強力なエビデンスだと判断するには研究数が少ないと言えます。

もう一つのグリーンコーヒー豆エキスは、グリーンコーヒーとは焙煎前のコーヒー豆のことで、クロロゲン酸を比較的多く含んでいるという特徴があります。

このグリーンコーヒー豆エキスを使用した研究では、平均で約1kg前後の体重減少の可能性が報告されていますが、研究数が3か所で、いずれも対象者や期間は不明で、エビデンスは非常に乏しいと言えます。

MCTオイルを加えたMCTコーヒーにつじてですが、MCTとは中鎖脂肪酸のことで、通常の脂肪とは体内での利用方法が異なります。

通常の食事で摂取する脂肪の一部をMCTオイルに置き換えることで、体重やウエストに良い影響がみられた、という研究がありますが、これはMCTコーヒーを飲めば痩せる、という研究ではなく、食事中の脂肪をMCTに置き換えた場合の研究ですので、MCTオイルをコーヒーに追加すればダイエット効果がある、という意味ではありません。

機能性表示食品という表示

ちなみにコーヒーに限らずダイエット効果が期待できそうな、内臓脂肪を減らすのを助けるとか、BMIが高めの方に、といったコピーのある飲料や食品を選ぶ際、機能性表示食品、という表示を見て選んでいる方も多いと思います。

ただ、機能性表示食品とは、国が一つ一つの商品を審査して、この商品には確実な減量効果があります、と認可している制度ではありません。

事業者が、科学的根拠をもとに消費者庁へ届出を行い、事業者の責任においてその機能を表示する、という仕組みです。

ですので、どの成分が含まれているのか、どのような人を対象にした研究なのか、どの程度の量をどれくらいの期間摂取したのか、そして実際に何がどの程度変化したのかを確認することが重要です。

例えば分かりやすいのだと、内臓脂肪が減る、ウエストが減る、体重が減る、は同じ意味では無く、それぞれの研究によって評価している項目は異なります。

BMIも、体重と脂肪がある方と、一般的な中肉中背、痩せ気味の方とでは、BMIの数値の下がり方も変わってきますので、注意してください。

さらに、ダイエットコーヒー製品もコーヒーには変わりませんので、カフェインの摂り過ぎには細心の注意が必要です。

カフェインには脂肪代謝やエネルギー消費に関わる作用がありますが、依存性もあるうえ、過剰に摂取すると動悸や不安感、手の震え、不眠、吐き気などが起こることがあります。

また、カフェインはエナジードリンクや眠気防止薬などにも含まれているため、それらの製品も使用している方は1日の合計摂取量を考えて飲む必要があります。

海外通販は要注意

最後に、海外通販などで、飲むだけで激やせ、などと宣伝されている商品には特に注意が必要です。

過去には、ダイエット目的のコーヒーから医薬品成分が検出された事例もありますので、販売者や原材料、成分表示が明確でないものは危険と言えます。

飲むだけで何キロも痩せる、天然成分だから絶対安全、といった極端な宣伝文句も非常に危険ですので、そうしたものは避けていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属