緊急避妊薬、薬局で買える?誰でもどこでも買える?#1018

市販の緊急避妊薬について

先日の配信中、緊急避妊薬についてのコメントを頂きました。

2026年2月より、日本でも緊急避妊薬を処方箋なしで購入できるようになりました。

これは事実上、市販薬みたいに買えるようになったと思われそうですが、実はどこの薬局でもすぐに買える、というわけではありません。

今回はこの、緊急避妊薬の購入方法等について詳しくまとめていきます。

緊急避妊薬の販売許可

現在、薬局にて緊急避妊薬を販売できるのは、緊急避妊薬に関する研修を受けた薬剤師が在籍し、必要な販売体制を整えた薬局等に限られています。

これは産婦人科などの医療機関と連携できる体制も必要としているため、すべての薬局で取り扱えるわけではないのです。

緊急避妊薬の販売許可を受けている薬局は、厚生労働省のホームページにて一覧を公表しています。

ですので、万が一必要な場合には厚労省のページを確認して、対応しているかや在庫があるか等を確認しておくことが大切です。

後述しますが、緊急避妊薬とは早く服用するほど効果を期待しやすいため、事前確認は非常に重要になります。

そしてもう一つ、お薬を購入できるのは実際に服用する本人に限られており、家族やパートナーが代理で購入して持ち帰るということはできません。

本人が薬局で薬剤師から説明を受け、さらにその場で服用することまでが販売のルールとなっています。

これは薬局で購入する場合においてですので、オンライン診療にてお医者さんの診察を受けて、処方された緊急避妊薬を受け取る、という方法は可能です。

また、購入に年齢制限はなく、未成年であっても親やパートナーの同意がなければ購入できない、ということはありません。

72時間以内に服用を

前項と少し重なりますが、緊急避妊薬を使う上で最も重要なのが、いつまでに服用するのかということです。

現在、日本で主に使用されている緊急避妊薬の主成分は、レボノルゲストレルというもので、一般的に72時間以内の服用が目安になります。

これは、72時間以内なら大丈夫という意味ではなく、時間が経過するほど避妊の成功率が下がっていきます。

仕組みとしては、排卵を遅らせたり抑えたりするという働きがあり、これによって妊娠を防いでいきますので、タイミングによっては当然ながら避妊に失敗する可能性もあります。

また、避妊薬はあくまで避妊のためのお薬ですので、すでに成立している妊娠を終わらせるというお薬ではなく、中絶薬とは目的も作用も異なりますので注意してください。

反対に、緊急避妊薬を飲もうか迷ってるうちに72時間を過ぎてしまったとしても、お薬による対応が難しくなるだけで、産婦人科などでは別の対応が可能な場合もあるため、不安があればすぐに相談してください。

ちなみに、緊急避妊薬を行為前に飲んで、妊娠を防ぐという使い方も適切ではありません。

緊急避妊薬とはあくまでも緊急のもので、通常の避妊薬の代わりに使用するものではなく、服用後に長期間避妊効果が続く薬でもありません。

また、性感染症を防ぐ効果もありませんので、性感染症が心配な場合には、緊急避妊とは別に医療機関で検査や相談をしていただければと思います。

服用後は妊娠の確認が必須

緊急避妊薬の使い方は、服用して終わりではなく服用後から3週間を目安に、妊娠していないことを確認する必要があります。

緊急避妊薬は100%の避妊を保証するものではないため、妊娠検査薬などを使用して妊娠していないことを確認する必要がある上、服用後には吐き気や頭痛、腹痛、だるさ、不正出血、生理周期の変化といった副作用などが起こることがあります。

副作用の多くは一時的な症状ですが、出血が非常に多い場合や、強い腹痛がある場合、体調不良が続く場合などは重大な事態ですのでお医者さんへ相談してください。

特に、服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、お薬が体に十分に吸収されていない可能性があるため、慌ててもう1錠飲むなどの自己判断はせずに、薬局や医師に連絡して指示を受けてください。

他には、月経が予定より7日以上遅れているとか、普段とは明らかに違う出血がある場合も、病院に相談していただければと思います。

緊急避妊薬とは、あくまでも緊急のための避妊方法で、普段から使用する避妊方法の代わりではありません。

通常は、コンドームや低用量ピル、子宮内避妊具といった避妊方法を選ぶことが基本になります。

もしもの時は医療機関以外の相談窓口も

最後に少し本編とは逸れますが、緊急避妊薬が必要になる背景には、本人の意思に反した性行為というケースも存在します。

断れない状況であったとか、深刻なものだと脅迫や暴力があったという事態もあるかと思います。

もしそうした事態に陥った場合は、一人で抱え込まずに、専用の相談窓口へ連絡していただければと思います。

現在、性犯罪や性暴力の被害者を支援するワンストップ支援センターというものがあり、全国共通の短縮ダイヤルとなる、#8891から相談先につながることができますので、もしもの際には活用してみると良いかと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属