ビタミンKの役割
今回はビタミンKというビタミンについてです。
あまり聞きなじみが無く、マイナーなイメージがあると思います。
ビタミンA、B群、C、D、Eまではアルファベット順になっているものの、「K」となると一気に飛びますが、実はこれには理由があります。
今回はこのビタミンKについて、詳しくご紹介していきます。
ビタミンの由来と意味
まずはじめに、ビタミンの定義というものが存在します。
人間には、体内で作り出せない物質がありますが、そうした物質のなかで、生きていくために必要なものもあり、それがビタミンと定義づけられます。
かつては、ビタミンFからJまで、そうした物質があるとされていましたが、のちの研究で、体内で作られることが判明し、ビタミンではないとされ、欠番になったものもあるのです。
ただし、今回のビタミンKの、Kという文字は、ドイツ語の「Koagulation(凝固)」に由来して付けられており、これは血液を固める働きにちなんだネーミングとされています。
ビタミンKの種類
ビタミンKは脂溶性ビタミンのほうになり、種類としては「K1」と「K2」の2種類があります。
詳しくは後述しますが、K1は主に植物に含まれており、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれていて、K2は納豆などの発酵食品で取り入れたりや、腸内細菌によって作られます。
働きとしては、K1は主に血液を固める働きを担当しており、例えば新生児の出血予防にも使われることもあります。
K2は骨の健康維持に関わり、カルシウムの代謝をサポートする働きがあるため、例えば骨粗しょう症の予防などにも役立つ栄養素になります。
ビタミンKが不足すると
ビタミンKはあまり目立たない存在ですが、血液や骨に関わるもので、体内で作り出せないため、実は以外に重要な意味を持つビタミンになります。
ビタミンKが不足すると、まず血液がうまく固まらなくなるため、例えば鼻血が出やすくなったり、歯ぐきから出血したり、青あざや内出血ができやすくなるなどの症状が起こります。
また、K2が不足すると、カルシウムが骨に定着しづらくなるため、骨粗しょう症のリスクが高まります。特に新生児では、「ビタミンK欠乏性出血症」という深刻な出血を引き起こす可能性があるため、医療現場ではその予防のために医薬品として、ビタミンKを投与するということもあります。
ビタミンKは脂溶性ビタミンですので、過剰摂取も注意が必要ですが、通常の食事からの摂取で過剰になることはほぼありません。
ビタミンKの効率的な取り方
前述のように、K1は野菜に多く、K2は納豆などの発酵食品に多く含まれており、特に納豆は1日1パックで十分なビタミンKを摂取できる優秀な食品になります。
また、脂溶性ビタミンですので、油と一緒に摂ると吸収率が上がり、例えば野菜炒めやオイル系のドレッシングをかけたサラダなどはとてもおすすめです。
そして当然ですが、毎日定期的に、少しずつ摂ることが大切で、一気にたくさん取ればOKというものではありません。
また、骨の健康という面では、ビタミンKに加えてビタミンDの存在も重要ですので、両方をバランスよく取り入れていただければと思います。
量で言うと、成人女性で1日200から250㎍がベストですが、一番わかりやすいのは納豆1日1パックですので、是非普段から食べてみて下さい。