若返りのビタミン?!ビタミンEの効能効果!#887

ビタミンEで若返る

今回も前回に続いて、ビタミンについてのお話です。

今回取り上げるビタミンEは、脂溶性ビタミンの一つで、油に溶けやすいほうになります。

ビタミンCのような水に溶けるビタミンとは違い、体内に蓄積されやすいため、摂取の仕方に注意が必要になります。

ビタミンEは、若返りのビタミンとも呼ばれるほど抗酸化作用が強く、活性酸素を取り除く働きがあります。

これにより老化を防ぐどころか、逆に若返りまで期待できるほど、優れたビタミンになります。

これは、同じく抗酸化作用があるとされる、ビタミンCに負けないぐらいの働きとも言えます。

今回はこのビタミンEについて、少しご紹介していきたいと思います。

ビタミンEの効果

まずビタミンEは、トコフェロールとトコトリエノールという2系統のものに大別され、主に医療やサプリメントで使われているのはトコフェロールの方になります。

ビタミンEは抗酸化作用のほかにも血行促進作用があり、冷え性や肩こりといった血流不良による症状の改善も期待できます。

また、血液循環の改善や肌荒れの予防、回復にも効果があるため、美容効果も高いほか、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など、生活習慣病のリスク低減にも関わるとされているため、とても大切なビタミンになります。

さらに、免疫機能の調整やホルモンバランスの正常化にも関係すると言われており、とても幅広く、心身のコンディションを整える効果が期待できます。

ビタミンEが不足・過剰するとどうなる?

ビタミンEが不足すると、細胞膜が活性酸素によりダメージを受けやすくなり、老化が進みやすくなるとされているため、特に肌トラブルとして現れることが多いです。

例えば乾燥肌や肌荒れ、免疫力の低下などが引き起こされやすくなります。

さらに極端に不足すると、神経障害や筋力低下、視力障害といった症状もありますが、これはビタミンEの吸収に何らかの異常がある場合に限られます。

逆に摂りすぎることについてですが、ビタミンEは脂溶性ビタミンですので、体内に蓄積されやすいため、取りすぎないように注意が必要です。

例えばサプリメントなどで大量に摂取すると、血液が固まりにくくなり、内出血や青あざができやすくなるなどが起こり得ます。

ちなみに実際に、ビタミンEを長期間、大量に摂取したことによって死亡リスクが高まったという研究もありますので、過剰に摂取せずに、適量を心がけてください。

食事から効率よく摂取するには?

サプリメントではなく、やはり食事からバランスよく取り入れていくのが最も安全で、おすすめです。

食材としては、アーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、アボカドや緑黄色野菜に豊富に含まれており、植物油の中でも、ひまわり油や紅花油などに特に多く含まれています。

魚介類では、うなぎ、たらこ、鮭などに特にビタミンEが豊富です。

脂溶性で油に溶ける性質があるため、炒め物など油を使った調理をすることで吸収率が高まります。

具体的な摂取上限は、男性で1日900mg、女性で700mgとされています。

一般的な食生活では過剰摂取になる可能性は低いため、バランスのとれた食事を心がけて、体調に応じてサプリメントを取り入れるのが理想です。

まずは食生活を見直してみて、そして美容についての問題や冷えなど、ビタミンEが不足していると思われそうな場合に、サプリメントで補助的に取り入れるのがおすすめです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属