寒さで節々が痛む
ここ最近、気温が寒暖を繰り返し、半袖で過ごせる日もあれば、急に冷え込む日もあります。
気温の変化によって体調を崩される方も増え、患者さんから「関節が痛む」というお話をよく聞くようになりました。
寒さが関節に影響するのは、やはり血液の循環が低下しやすくなるためです。
今回は寒さと関節痛の関係について、まとめて行きます。
寒いと関節痛が起こる理由
寒さによって関節が痛むのは、簡単に言うと気温が低くなることで血管が収縮し、血流が滞りやすくなるため、痛みが発生する、ということです。
心臓は全身に血液を送るために血圧を上げて対応しようとしますが、気温が低いと筋肉も固まりやすいので、自然と関節の動きも鈍ります。
筋肉が固まると、関節にかかる負担も当然増えるため、痛んできたり、何らかの持病が悪化したり、といったことが起こります。
これが寒さによる関節痛の仕組みです。
特に関節という部位は、動く部位ですので、皮膚も薄く、強い筋肉で覆われているものではないため、寒さを感じやすいのも一因です。
ただ、変形性関節症などのように、何らかの病を伴って関節痛が起きていることもあります。
関節痛は一概に寒さだけで起こるものではないですので、注意してください。
温めて血流の改善と筋肉をほぐしていく
関節痛を和らげるには、まず温めることが有効です。
温かいお湯やカイロで患部を温めると血流が改善され痛みが緩和されますが、低温やけどには気を付けて、カイロなどを使う際はできるだけ直接肌に当てないようにしてください。
お薬はやはり、痛み止めや湿布が効果的です。
湿布は温湿布と冷湿布、どちらを選んでも同じで、「心地よさ」で選んでも問題ありません。
温湿布は暖かく感じる成分、冷湿布はメントールのような涼しく感じる成分が入っているだけで、効果と仕組みはどちらも変わりません。
湿布だとかぶれてしまうときは、塗り薬も便利です。
もし市販薬でも治らない場合や痛みが長く続く場合は、整形外科のお医者さんに診てもらってください。
前述の変形性関節症や関節リウマチは寒さによって悪化していく面もあるため、痛みが長く続く場合は注意してください。
冷え対策が肝心
関節痛の予防や対策は、やはり冷え対策が最も重要です。
気温が下がるということは血流が滞りやすくなり、痛みが出やすくなりますので、体を温めて血行を促進することが何よりも大切です。
例えば、首、手首、足首といった関節部分を冷やさないように服を気を付けるのも一つです。
関節部分を冷やさないよう工夫することが、関節痛の予防に直結します。
食事で言うと、体を温める食材を積極的にとってください。
根菜類やしょうが、にんにくといった、体を温める効果のある食品を取り入れると体温が上がりやすく、冷えを防ぐことにつながります。
またもちろん、運動をするとかお風呂に浸かるのも冷え予防になります。
お風呂は40℃程度のぬるめのお湯でも、長めにしっかりと浸かることで、全体的に温まるので、血液の流れも良くなっていきます。
運動も無理のない範囲で、ストレッチなどでも日常的に体を動かすことで、血流が改善していきますので、関節も柔軟になり、痛みの予防に役立ちます。
筋肉痛などで痛いときは休んでも大丈夫ですが、毎日続けることが最善ですので、我慢できる範囲の痛みであれば動かすことをおすすめしますが、決して無理はしないでください。
まずは室内でもできる軽いストレッチから始めて、寒さに負けず適度に体を動かす習慣を心がけていきましょう。