虫が引き起こすアレルギー
先日のコメントにて、虫のアレルギーの話題がありました。
ダニも厳密には虫ですが、今回は蛾などの昆虫が起こすアレルギーについて、まとめていきたいと思います。
アレルギーを起こす昆虫
まず、アレルギーを引き起こす虫は、代表的なのは蛾、ゴキブリ、ユスリカの3つです。
ゴキブリとユスリカは1年を通して生息しますが、蛾は花粉のように活発になる時期とそうではない時期があります。
初夏から秋にかけてが最も活発になり、冬は活動が難しくなります。
この3つはいずれも、死骸や糞、蛾であれば鱗粉がアレルギーの原因物質となります。
鱗粉は羽についているもので、飛ぶ際に鱗粉が舞い、吸い込んでしまうことがあります。
死骸や糞については、乾燥して粉末状になったものを吸い込んでしまうと、それが異物としてアレルギー反応を起こします。
症状と治療、予防は花粉症とほぼ同じ
症状としてはアレルギーですので、花粉症と同じものが現れます。
お薬も点鼻薬や目のかゆみ止めなどが効果的ですが、虫アレルギーの場合は呼吸器系に影響が出ることがあるため、喘息のお薬が効果的なケースもあります。
予防も花粉と同じですが、虫アレルギーを狙って予防するのは難しいです。
部屋をこまめに掃除して、虫を室内に寄せ付けないとか、外で無闇に触らないなどに尽きますが、蛾の場合だと幼虫を触った場合でも、アレルギーを起こすことがあります。
例えば、クローゼット内で衣服を食い破る幼虫でもアレルギーを起こすことがありますので、衣服用の虫除けアイテムを使うのも一つの予防になります。
虫刺されの症状もアレルギーの一つ
ちなみに、虫と言うと虫刺されがあると思いますが、虫刺されによる症状も広義ではアレルギーになります。
大きく分けて3種類あり、刺されてすぐ発症して数時間程度で治って行くものを即時型反応、刺されてから1日からから2日後に症状が起こって来るものを遅延型反応、刺されてすぐに急激な息苦しさや呼吸困難が起こるものをアナフィラキシーショックと言います。
アナフィラキシーショックはアレルギー反応の一つですが、命の危険があり、医療機関での処置が必要ですので、特に呼吸困難の症状があって危ないと感じたらすぐに救急車を呼んでください。
それ以外の虫刺されの場合は、ステロイドの軟膏で対処できますが、個人差が多く、塗り薬を使ってもなかなか治らないことがありますので、その場合はその旨を皮膚科のお医者さんに伝えて、処置をしてもらってください。
また虫によっては、肌を噛むようにくっつくものがあり、無理やり取ろうとすると余計に取れなくなるものもありますので、くっついた状態で皮膚科に行って、お医者さんの処置を受けてください。
毛虫に要注意
虫刺されを起こす種類の虫は蚊や蜂が代表ですが、非常に厄介なのが毛虫です。
毛虫は一般的には、チャドクガの幼虫が多く、5月から9月ぐらいの間で、椿系の植物やお茶の葉につく虫です。
毛虫の毛が刺さってしまうと、かゆみが非常に強く、ぶつぶつもたくさん出てきます。
これは毛そのものが毒針になっており、毒によって炎症を起こすためです。
しかもこの毒は卵から成虫になるまで持っている上に、脱皮後の抜け殻にもあるため、抜け殻が乾燥して粉になり、空気中に舞い、それを吸い込むことでも発症しますので、意外と危険な虫になります。
症状は1日2日がピークで、およそ1週間から2週間ほどかけて治って行くことが多いです。
ただし、刺さった後にかいたりこすると、毒針が奥に入ってしまい、余計に長引いてしまうため、刺さったとわかったときは、ガムテープなどの粘着テープをゆっくり貼って剥がして毒針を取り除き、水で洗うと治るのが早くなります。
特にお子さんと外遊びをする際は、毛虫にも充分気を付けていくと良いかと思います。