「低血糖」とは
先日、コメントにて「お腹が減っているとき、フラフラとした感じがする」と言ったものをいただきました。
お腹が減っているときに、フラフラする感じがしたり、めまいや立ちくらみのような症状が起こるのは、「低血糖」の恐れがあります。
低血糖とは、文字通り血中の糖分が著しく少なくなっている状態のことで、いわゆる糖尿病とは真逆の状態になります。
糖尿病は生活習慣病ということもあり、voicyでも度々触れておりましたが、今回はその逆の「低血糖」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
血中の糖質が少なすぎる
血液には、エネルギー成分として糖質が溶け込んでいます。
糖質は食事によってすぐさま補給され、血液から全身の各部に糖分を与えて行きます。
血中の糖分が多すぎれば、血糖値が極めて高い、いわゆる「糖尿病」という状態になります。
反対に、血中の糖分が少なく、血糖値が極めて低い状態は「低血糖」となります。
糖質が少ないのは、実は体にとっては非常に危険な状態です。
おなかが空いたとき、妙に機嫌が悪くなってイライラしたり、集中力が落ちることがあると思いますが、それは低血糖の症状の一つです。
それよりもさらに血糖値が下がると、動悸や冷や汗、震え、目のかすみと言った症状になり、最悪の場合だと意識が無くなり、さらにそのまま処置をしなければ、亡くなることもあります。
ただ、血糖値は体の様々な機能を使ってコントロールされているため、糖尿病の状態で糖尿病のお薬を飲んでいたりしない限りは、血糖値がそこまで大幅に下がることはまずありません。
ただし、糖尿病ではなく、またお薬も飲んでいないのに血糖値が大幅に下がり、低血糖の症状が頻繁に出る場合もいくつかあります。
生活習慣によるものか、糖尿病以外の病の可能性が
低血糖が頻繁に起こる原因は、生活習慣か、糖尿病以外の何らかの血糖値に関する病が起きている可能性があります。
まず生活習慣ですが、これは炭水化物や糖質を摂り過ぎているために、低血糖が起きている恐れがあります。
通常、糖質を摂り過ぎると血糖値が上がりますが、人によっては血糖値を下げるために分泌されるインスリンが大幅に出過ぎてしまい、インスリンによって低血糖を起こしているという事があります。
これによって、食べているのにイライラしたり集中できなかったり、フラフラしたりと、低血糖の症状が起きているという場合があるのです。
ただし冷や汗や動悸など、重い症状になることは無く、あくまでも軽い症状が起きる程度です。
もう一つの、糖尿病以外の病ですが、例えばインスリンを作る細胞に腫瘍ができるなど、何らかの問題が発生していると、血糖値が上がっていないのにインスリンが分泌されてしまい、血糖値が突然急激に下がるという事があります。
また、インスリンではない、血糖値を下げる働きをする抗体が体内で出来てしまい、インスリンが分泌されていないのに血糖値が下がっていくという事もあります。
さらに、食事をしても血糖値を上げるホルモンがあまり分泌されず、血中の糖分を上手くコントロールできず、血糖値が上がらずに低血糖になるという事もあります。
いずれもまれな病ですが、こうした原因で低血糖の症状が起こることもあります。
ちなみに胃ガンなどで胃を切除した方も、体が慣れていない最初のころには低血糖が起きやすいです。
症状が起きた時に、甘い物を食べて確認する
今の体が低血糖かどうかを確認する方法は極めて簡単で、イライラやふら付きなどの症状が起きた時、飴やチョコレート、ジュースなどを、少しで良いので食べてみて、症状がすっと和らぐ低血糖だったことが分かります。
飴や普通のジュースはほぼ糖質の塊で、チョコもカカオではなくミルクチョコレートのような甘い物であればかなりの糖質が含まれているため、少しでも摂ってみてすぐ良くなると、低血糖だと言えます。
もし、食べてみても治らない場合は、低血糖ではない病によって、イライラやふら付きと言った症状が出ているため、お医者さんや薬剤師などに相談してみてください。
そして、低血糖の原因を振り返ってみて、自分の生活習慣に心当たりがあれば大丈夫ですが、もし何も心当たりがない場合は、前述のような別の病が起きた可能性もあるため、その場合はきちんと調べることをおすすめします。
まずは出来るだけ、血糖値が上がりづらい食事に変えて、野菜やお肉を最初に食べる、食物繊維を最初にとるとか、パンが好きであればライ麦パンを食べるようにするなどをしてみてください。
特に食物繊維が多いと、糖質の吸収がゆっくりになり、インスリンの分泌も緩やかになって血糖値も激しく上昇しないため、糖尿病も防げるのと同時に、低血糖の症状も出にくくなりますので、是非意識してみてください。