花粉のせいにしてたら犯人違った件#969

花粉症の症状なのに花粉が原因ではないとき

先日、花粉症と診断されてアレルギーのお薬が出ていたある患者さんが、私は花粉症ではないと思う、と仰っていました。

去年の夏ぐらいからずっと目がかゆく、普通の花粉症ではない気がする、とのことでした。

そのお話をしていて、確かに花粉症のような症状でも、花粉が犯人ではないという病もあります。

今回はあえて、そうした花粉症のような病気について、少しまとめてみたいと思います。

花粉症の特徴

まず簡単に花粉症のおさらいとして、透明でさらさらとした鼻水や頻繁なくしゃみ、そして目のかゆみといった症状があるのが花粉症になります。

外出したら花粉を吸いこんでしまって症状が強くなり、逆に室内に入ると楽になる、とか雨の日は花粉が舞っていないため比較的症状が軽い、という傾向があり、ほぼ発熱を伴わないのも特徴です。

花粉症と似た症状が起きる病

花粉症と似たような症状の病というと、例えば鼻の不調であれば副鼻腔炎、目の症状であればアレルギー性結膜炎などが代表的です。

これらは花粉症と非常に症状が似ており、区別が難しいこともありますが、それぞれ原因や治療法が異なります。

まず、鼻の不調に多い副鼻腔炎では、鼻の奥の空洞に炎症が起こり、膿がたまることで症状が出る、というものです。

ですので、鼻水は花粉症のようにさらさらではなく、粘り気があり、黄色や緑色のこともあります。

また、鼻づまりが強く、くしゃみはあまり出ないという違いが見られることもあります。さらに、頬や顔の奥が重だるく感じたり、においが分かりにくくなったりすることも特徴的で、目の症状が無いのもヒントになります。

そして、副鼻腔炎は風邪の後に発症することが多く、細菌感染が関係している場合もありますので注意が必要です。

もう一つの、目の症状としてはアレルギー性結膜炎があります。

花粉症による目の症状もアレルギー性結膜炎の一種といえますが、もし花粉の季節以外にも症状が続く場合には、別のアレルゲンが原因になっている可能性があります。

例えば、ハウスダストや微粒子として知られるPM2.5などが影響することもあります。

出る目やにが黄色や緑色で粘り気が多いときや、朝起きたときにまぶたがくっつくほどの目やにがある場合は、細菌感染による感染性結膜炎の可能性も考えられます。

治療と予防

最後に治療と予防についてですが、まず一般的な花粉症の治療では、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬や、鼻の炎症を抑えるステロイド点鼻薬などが用いられることが多く、目の症状がある場合には抗アレルギー点眼薬を併用することもあります。

一方で、副鼻腔炎は激しい炎症が起きて、膿が溜まっている状態ですので、鼻水が出にくくなる抗アレルギー薬を使うと膿をとどめることになり、長引かせる危険があります。

ですので、膿を出すお薬や、感染症用の抗菌薬を使うなどの対策が必要になるため、副鼻腔炎の疑いがある時や、症状が不自然に長引く場合には耳鼻咽喉科のお医者さんに相談してください。

もう一つのアレルギー性結膜炎は、基本的には花粉症の対処と同じになりますが、万が一、強い痛みや見えにくさ、まぶしくて目を開けにくい症状がある場合には、アレルギーではなく角膜のトラブルが隠れていることもありますので、早めに眼科を受診することが大切です。

予防については、様々な観点があるため難しい部分も多いですが、やはりまずは前回取り上げたような、花粉症の予防を意識して、花粉を部屋に入れないことなどを念頭に置くのが良いかと思います。

副鼻腔炎は、風邪をひいたときの対応と同じく、例えば膿のあるような鼻水が出た時はしっかりとかむとか、免疫力をつけて水分補給を欠かさないなどが大切になります。

アレルギー性結膜炎は、花粉対策メガネ、ゴーグルなどもありますが、原則として目を不用意に触らない、こすらないことに尽きます。

場合によっては、アレルゲン検査をして、自分がPM2.5か花粉か、何にアレルギーを起こしているかを確認するのも一つですので、不安があれば検討してみていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属