体温についての基礎知識#290

Voicy更新しましたっ!

今回は、体温について詳しく話してみます。

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「体温」「熱」とは

今回から体温そのもの、発熱ということについて、数回に分けて詳しくお話したいと思います。

今までもインフルエンザなどの時に度々触れていますが、今回は体温とはと言うところから、分かりやすくお伝え出来ればと思います。

体温は中心から遠ざかるほど低くなる

体温とは、その名の通り体の温度のことですが、手足が冷えるように、体の場所によって温度は変化します。

実際、体温を測る場所はいくつかあり、一般的にはわきの下が多いと思いますが、病院では口の中を測るとか、肛門から直腸の温度を測ることもあります。

特に、直腸温は一番正確に体の中心の温度が分かる測り方です。

ですが、直腸温は普通の家庭どころか病院のような医療現場であっても、しっかりとした消毒が必要で、患者さん皆にできることではありません。

なので、場合に合わせていくつかの部分によって測ります。

体温が高い方が菌・ウイルスと戦いやすくなる

まず、以前も何度かお伝えしているように、発熱とは免疫が戦っている中で出るもので、体温が高い方が菌やウイルスと戦いやすくなるという特徴があります。

逆に温度が低いと、菌やウイルスは非常に働きやすく、増えやすくなります。インフルエンザでは解熱剤を極力使わないのは、こうしたこともあるためです。

ただし、意して欲しいのが体温が42度以上になった場合です。42度以上は命の危険があります。

なぜかというと体の様々な機能を調節する酵素が高い熱に弱く、42度を超えると働かなくなり機能を停止するためです。

体温が42度以上にまでなることはなかなかないですが、発熱で40度、41度ぐらいになることはあるので、注意してください。42度以上になるのは熱中症の時に多いので、夏場には気を付けてください。

平熱の平均は個人差が大きい

発熱の時に、よく「37度は微熱で発熱している」と言われますが、実は平熱は非常に個人差があります。

体温は部位で変わるように、1日の中でも変動します。基本的には朝が一番低く、お昼から日中にかけて上がって行き、そこをピークに夕方にかけて下がって、寝るときには低くなって朝を迎えるという流れです。

この流れも個人差がありますが、およそプラスマイナス0.5度あるとされています。なので、自分の平熱プラス1度で発熱、と判断してください。1.5度で高熱というイメージで良いです。

平熱の測り方はかなり面倒ですが、1日3回測ってください。朝昼晩の3回で、これを3日か4日続けて平均を出したのが、自分の平熱です。

朝昼晩ピッタリではなくても良いので、1日の間で3回測ってみるのも充分良いです。

体温計の種類

基本的にはわきの下では物が多いと思いますが、市販のものは予測温と言う測り方をします。

これは体温計内の温度の上がり方をもとに、10分後になりそうな体温を予測して表示するというもので、実際のわきの体温は水銀のもので5分とか10分挟み続けないとわかりません

それを30秒とか1分などで素早く表示しているのが、現在主流になっている体温計です。なのでどうしても、本当のわきの下の温度を知るためには「実測」と言う測り方ができる体温計を使ってください。

予測温だと多少の誤差が出る可能性はありますが、体温に関して大きな問題が無ければ普通のものでも大丈夫です。

あと最近では非接触式でおでこにピッと当てると1秒ぐらいで体温が出る、というもので、これ介護の現場みたいにたくさんの人を測る時とか、赤ちゃんなどを測るときに非常に役立ちます。

ただメーカーさんによって信頼度が少し変わってくるので、やっぱりケンツメディコさんみたいな体温計や血圧計を作っている医療機器メーカーさんのものがおすすめです。ただ少し高いので注意してください。

女性に便利な基礎体温計

また、女性は基礎体温が重要と言われていますが、基礎体温には専用の「基礎体温計」というものがあります。

口に入れて口の中で測るのですが、小数点第2位まで出るので、非常に精密なのが特徴です。

銀の部分を舌の下、舌の付け根部分に入れて測ります。

最近は基礎体温も実測できるものもあるので、5分ほどでできるので活用してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属