Voicy更新しましたっ!
今回は前回触れられなかった、7月現在のcovid-19の治療薬、ワクチンについて
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7月時点のアビガン・レムデシビルのお話
今回は前回に続いてcovid-19のお話で、前回触れられなかった薬やワクチンについてまとめていきます。
少し前にアビガンとか、レムデシビルという名前の薬が取り沙汰されていましたが、現在でも変わらず研究が続けられています。
ただ、実は現状では、アビガンについては、covid-19への治療効果は無い、という結論になっています。
アビガンの現状
日本国内での研究で、アビガンはcovid-19の治療効果がない、という結論に達しています。
少し悪いニュースで残念ですが、様々な既存のお薬を試す中で、効く可能性が高いと言われていたものが効かなかったというケースはよくあります。
covid-19でも最初、マラリアの治療薬のヒドロキシクロロキンと言うお薬を、トランプ大統領が直々に、勝手に使ったというので話題になったり、カトレラというHIVのお薬が効くのではと言われていて、やはり効かなかった、という事があったと思います。
アビガンもこうしたものと同じように、効果が認められなかった、ということになります。
一方で、それらの薬を飲んだら早く治った、というケースもあったと思いますが以前少し触れたように、その薬によって治ったのか、体質によることで治ったのかはその時点では分かりません。
そう言う事も充分踏まえ、様々な方で実験した結果、その薬による治療効果が無いという結果になったのです。
ですので、最初に報告された例が完全なデマで全くの嘘だった、という事ではありません。
少し、報道やニュースの仕方についてのお話にも入ってしまいますが、アビガンがcovid-19に効く可能性が高い、とかなり大々的に報道されていましたが、こうしたことがあるので、情報の出し方は出来るだけ気を付けて、考えてしていくことが大切だと思います。
日本でも承認されたレムデシビル
このアビガンよりも先に緊急的に承認され、実用化される可能性が高いのがレムデシビルです。
アビガンと並んで効果があると言われていましたが、実は最初に実験した際には、効果が無い可能性が高いという見方がされていました。
しかし、その治験は数が少なく、アジアや欧州で規模を広げ、引き続き同じような試験をしました。その結果31%の方が改善が早いことが分かり、covid-19による死亡率が最大で64%下がる可能性がある、ということが分かりました。
個人的には死亡率についてのの数字は少し言い過ぎかな、と思うところもありますが、効果がある可能性が高く、死亡率が下がるのも確かにその通りな気はしています。
そして、実は最近ではアビガン、レムデシビルのほかにも、効果があることが判明した薬もあります。
効果がある他の治療薬
例えば重症の感染症で使われる、デキサメサゾンと言うお薬で、これは日本でもデカドロンという名前で実際に使われています。
成分としては副腎皮質ステロイドホルモンの飲み薬で、炎症を抑える効果が高いため、covid-19によって起きた、肺の炎症や、サイトカインストームによる炎症を鎮めることができ、重症者の治療効果が期待できます。
言い換えれば、感染初期の炎症があまり起きていない場合には使えず、炎症が起きないようにするというような効果も無いので、軽症者にはほぼ効果がありません。
ステロイド全般に共通しているのが、炎症が起きていない状態で使ってしまうと、免疫力が下がるというデメリットがあり、万が一の際に逆に悪化する可能性も持っています。
なので扱いが難しい薬、という点はあります。
もう一つ、415回でサイトカインストームについて取り上げたとき、最後にほんの少し、リウマチの薬のお話が出てきたと思います。
これも、サイトカインストームを鎮める効果があることまではわかっていますが、実際にcovid-19による死亡率が減るかどうか、という事は現在も実験中で結論は出ていません。
7月現在のワクチンの状況
ワクチンについてですが、こちらも世界各国で日夜研究開発されている最中です。
個人的に見ると、割と進んでいるように見られるのがイギリスの研究です。
ワクチンも前述の治療薬も、必ず実際の人間を使って治験を行います。
承認を受けて一般流通させる前に、薬の安全性を確かめるための実験で、規模や人数に差を作って、フェーズ1、2、3と段階を経て行いますが、これで一番進んでいるのが、イギリスのオックスフォード大学と、アストラゼネカという製薬会社の研究です。
大学と製薬会社による研究は中国やアメリカでもされていますが、このイギリスのチームはすでにフェーズ3で、早さで言えば一歩リードしている形になります。ただ、言うまでもなく、まずは自国が優先になるので、日本に入ってくるのは当分先になる可能性が高いです。
日本では大阪大学とアンデスという会社の共同開発が進んでいて、フェーズで言うと2段階目で、まだしばらくかかりそう、というのが現状になります。