風邪引いたときは漢方の方が早く治る!?#369

Voicy更新しましたっ!

今回は、冬本番に向けて徐々に増えてきた風邪と、漢方のお話

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風邪に効く漢方薬とは

voicyでも度々登場している「漢方薬」というものがあります。

いわゆる「東洋医学」のお薬で、現在主流の西洋医学のお薬とは違う仕組みで、様々な症状に効くお薬です。詳しい違いは以前にお話しているので、そちらを併せて聞いてみてください。

そして、実は一般的な風邪も、漢方薬で治すことが出来ます。

今回はその風邪と、漢方薬についてのお話です。

 

症状にピッタリ合った漢方薬なら、てきめんに効果が出る

まず最初に、ざっくりと一般的なお薬と漢方薬の違いを言うと「最初に症状を止め、体力や免疫力を回復して、治していく」というのが西洋医学の普通のお薬です。

対して漢方薬は「風邪の根本的なところにじかに効く」という特徴があります。

つまり西洋医学のお薬よりも、より根本的に直接作用する、ということです。

ですので、漢方薬で風邪を治す場合は、自分の症状にピッタリ合ったものを飲むことが、もっとも重要です。

これは、熱があるかどうかはもちろん、咳が出て痰が出るか出ないのか、出る場合はひどく絡んだ重いものか、そうでないのか、そしてその上で発熱があるか、と言うように、現在起きている状態ごとに、事細かに薬が分かれていきます。

そして、そのお薬が症状にピッタリ合ったものだと、絶大な効果が出て、すぐに治って行きます。しかし合わないと上手く行かないどころか、悪化する可能性も持っています。

例えば少し前にvoicyでも登場した、有名な「葛根湯」がありますが、葛根湯は寒気があって汗がかけない、筋肉が張っているような時は血流が良くなって体温が上がり、回復していきますが、これはいわば風邪の初期の症状になります。

もし、すでに汗が充分出ていて、鼻水や喉も痛くなっている最中に飲んでしまうと、葛根湯の効果でより汗を促してしまい、水分がどんどん出て行く、という事が起こります。

これは分かりやすい例ですが、こうしたことが起こり得るのが、漢方ならではの特徴となります。

今回は、ほんの一例ですが、風邪においての漢方薬の使い分けについて、簡単にですが触れていきますので、是非参考にしてみてください。

 

風邪においての、おすすめの漢方

まず重要な、症状についてですが、風邪と言えば寒気から起こる風邪と、寒気が無い風邪に分かれる思います。

まず寒気がする場合は「麻黄湯(まおうとう)」がおすすめです。

ポイントは「汗をかいていない風邪」の時に飲んでください。熱は高く出ていても、汗は出ていないという時に使ってください。

麻黄湯は葛根湯と同じく、汗を促すので、汗をかいている時にこれを飲んでしまうと水分が一気に出てしまい、体力を激しく消耗してしまいます。

インフルエンザのような節々が痛くなるような風邪にも効果がある漢方薬になります。

葛根湯も同じように使えますが、葛根湯の場合は寒気から筋肉に来るようなの痛み、筋肉が張るような感じがするときに、より効果が出るお薬になります。

あと、寒気がして鼻水が出始めていて、熱はまだないような、初期の時には「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が便利です。

花粉症の時のような、アレルギー物質を流そうとしているような水っぽい鼻水に効果的な漢方ですので、アレルギーによる鼻水でお困りの時も使えます。

もう一つ、寒気があって汗も少しかいているけど、それ以外の症状はほとんどないという時、風邪の初期の初期というようなときは、真武湯(しんぶとう)」が効果的です。

 

寒気が無い風邪の漢方

寒気が無い風邪と言えば、例えばせきが凄く出る、喉が凄く痛いとか、熱だけ出てると言ったことが多いと思います。

まずいわゆる「銀翹散(ぎんぎょうさん)」がベストです。

ドラッグストアでも大々的に、喉風邪にはこれ、という風に置かれていることが多く、手に入りやすいと思います。

寒気はほぼなく、喉がとても痛いときには是非試してみてください。初期の軽い咳が出るとか、少し痰が絡んでいるという時にももちろんおすすめです。

ちなみに、少し話がそれますが咳だけ出るのは、気管支炎のような、普通の風邪とは少し別の病になります。

風邪による熱は何か別の症状があり、その一つでせきが出ますが、他の症状が一切なく、咳だけが出るのは気管支炎のような特有の病の可能性があります。

そんな時、咳だけ強く出てるときは「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」が有効です。

そして、これらも風邪の引き始めに使うようにしてください。

症状が長引いて重くなってるときに効くの漢方薬もありますが、今回紹介しているものは、基本的に引き始めに効果が出やすいものですので、注意してください。

 

判断が難しい場合は店員さんへ

まだ、最初に書いたように、漢方は症状に沿ったものを選ぶ必要がありますが、それを自分で判断するのは難しいです。

例えば前項の咳と痰一つとっても、さらさらの軽い痰なのか、重く喉にとどまる痰なのかで、効果的な漢方薬の種類が変わります。

悩んだ時は是非、遠慮せずにそのお店にいる薬剤師に聞いてみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属