耳がかゆい、痛い!耳掃除のしすぎ?夏の外耳炎#1006

耳のケアに要注意

耳がかゆくなると、つい綿棒や耳かきで掃除したくなる方も多いと思います。

voicyではだいぶ前に一度、耳掃除について取り上げただけで、あまりお伝えしておりませんでした。

実は自分は以前、綿棒で耳掃除をしていたら、耳垢が奥でとれてしまい、残ってしまったということがあります。

それが夏の時期だったことを思い出し、今回は久々に耳掃除について取り上げてみたいと思います。

耳に起こる外耳炎

まず、耳の入り口から鼓膜までの通路を、外耳道と言います。

外耳道は皮膚が非常に薄く、傷つきやすい場所ですので、耳かきや綿棒、爪などで刺激を繰り返すと、小さな傷から炎症を起こします。

これが耳のトラブルで非常に多い、外耳炎です。

症状としては、耳のかゆみや痛み、耳が詰まった感じ、耳鳴り、聞こえにくさ、耳だれといったものが多いです。

ちなみに、耳たぶを軽く引っ張ったり、耳の入り口を押したりすると痛みが強くなるということがありますが、何度も触ってしまうと刺激が加わり、かえって悪化する可能性もありますので注意してください。

外耳炎は、耳掃除のしすぎだけでなく、夏特有の環境も大きく関係しています。

夏は汗をかきやすく、海やプール、お風呂などで耳の中に水分が入りやすくなります。

湿った状態の外耳道は、皮膚がふやけて傷つきやすくなるため、その状態で耳掃除をすると炎症を起こしやすくなるのです。

また、音楽や動画視聴などでイヤホンを使用することで起こる蒸れや摩擦も、外耳道への負担になり、炎症の引き金になります。

耳かき・綿棒・指でかくのは厳禁

外耳炎かもしれない、と思ったら、すぐに耳かきや綿棒、指で触ることをやめてください。

綿棒は一時的には気持ちよく感じることがありますが、外耳道を傷つけたり、耳垢をさらに奥へ押し込んでしまう原因になります。

小指やヘアピンなどを耳に入れることも同様に危険です。

また、市販の軟膏を綿棒につけて耳の中へ塗ることも避けてください。外耳炎は細菌感染や湿疹など、さまざまな原因があり、手足と違って耳の中の状態を視認できないため、自己判断で薬を使用することは危険です。

ですので、もし耳の痛みを感じた時点で、すぐに耳鼻科のお医者さんに相談していただければと思います。

これは耳だれ、聞こえにくさがある場合はもちろん、高熱や耳の周囲の腫れ、めまい、頭痛などを伴う場合も同様に耳鼻咽喉科を受診するのがベストです。

かゆみだけの場合は、一旦耳を触るのを我慢して、様子を見ても大丈夫ですが、不自然に何度もかゆくなるとか長引く、腫れがあるなどの場合はやはり耳鼻科にかかってください。

お医者さんが外耳道や鼓膜の状態を確認して、必要に応じて抗菌薬や点耳薬などで治療をします。

耳掃除のし過ぎに要注意

外耳炎など耳のトラブルの予防には、何よりも「耳掃除をしすぎないこと」に尽きます。

実は耳垢とは、単なる汚れではなく、外耳道を乾燥や細菌から守る役割があります。

通常は自然に外へ排出されるため、耳の穴から見える部分を、軽く拭き取る程度で十分とされています。無理に奥まで掃除すると、耳垢を押し込んでしまい、耳垢栓塞(じこうせんそく)による聞こえにくさの原因になることもあります。

次に、前項でも触れたように、耳の中を塗れたままにしないのも一つの予防になります。

例えばプールや入浴後に、耳へ水が入ったと思う場合は、すぐに頭を傾けて排水するのがベストです。この際も綿棒を使って水分を取ろうとすると、傷がつく原因になりますので避けてください。

また、イヤホンを使用する場合は適度に休憩を入れて、イヤホン本体も清潔で乾いた状態を保つことが重要です。

もし耳にかゆみや違和感があるときには、イヤホンの使用を控えるとより安全です。

繰り返しになりますが、耳掃除は必要以上にせずに、かゆくても触りすぎず、蒸れや水分に注意することが大切ですので、意識してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属