海外で注意したい感染症
2026年のゴールデンウィークがスタートしました。
お休みの方から、接客業などで仕事が忙しいという方まで様々ないると思いますが、長期休暇というと海外旅行に行く方も多いと思います。
そこで今回は、海外旅行で気をつけるべき感染症について、まとめてみたいと思います。
どこに行ってどういうことをするのか
海外での感染症対策は、どこの国に行くか、都市部か地方か、そしてどのような行動をするかによって変わります。
これは厚生労働省の発表でも、渡航先や滞在スタイルによってリスクが異なると案内していることで、例えば東南アジアや南アジアでは、デング熱、A型肝炎、腸チフス、狂犬病、マラリア、日本脳炎などが注意対象になります。
アフリカではそれらに加えて黄熱病や髄膜炎菌感染症、中東ではMERSも加わり、その地域特有の感染症にも注意が必要になってきます。
また日本と同水準の衛生環境のヨーロッパや北米といった先進国の都市部でも、麻疹や風疹、インフルエンザなどは流行状況によってリスクとなるため、先進国だから安全とは言い切れません。
現地で最も注意が必要なのは「水」
どの地域でも共通して注意が必要なのが、食べ物や水を介した感染症です。
生水や氷、生野菜、カットフルーツといった、十分に加熱されていないものはA型肝炎や細菌性腸炎の原因となることがあります。
安全対策としては、まず水分補給には、密閉されたペットボトルのミネラルウォーターのようなお水が最も安全です。
氷は現地の水をそのまま凍らせて作っていることがほとんどですので、ジュースのような飲み物でも氷から水を摂取してしまうというリスクがありますので注意してください。
そして料理は、温かく調理された食品を、すぐに食べることが基本となります。
例えば屋台の料理などでは、作り置きで長時間置かれたままのものを販売していることがありますので、そうしたところはなるべく避けるのが安全です。
また、B型肝炎やC型肝炎といった感染症がありますが、A型肝炎のみ接触感染で、衛生環境が不十分な地域では飲食物を通して感染するリスクがありますので、注意してください。
そして前述の、蚊が媒介するデング熱やマラリア、日本脳炎対策として、虫除けや長袖の着用など物理的な対策もおすすめです。
ちなみに、意外と見落とされやすいのが動物との接触です。
特に有名なのが狂犬病ですが、これは犬だけでなく、猫やコウモリ、きつねアライグマといった哺乳類全般から感染する可能性があり、噛まれるほかにも引っかかれるとか、傷口をなめられるといった行為でも感染リスクがあります。
渡航前にできる予防とワクチン
これらの感染症の対策は、渡航前から可能なものも多いです。
まずは母子手帳や接種記録を確認して、麻疹、風疹、破傷風、A型肝炎といった、ワクチンで予防できるものは事前に打っておくことが大切です。
もし流行地域に渡航する場合は、渡航外来での相談が有効で、地域や滞在期間、活動内容によってはマラリア予防薬の処置もです。
ワクチンはかからないためだけでなく、重症化を防ぐ意味でも重要な役割を持っていますので、出来るだけ打っておくことをおすすめします。
帰国後の体調変化と受診のポイント
最後に、帰国後に感染したかもしれない、と思ったときの対処ですが、まずこれらの感染症には潜伏期間があるため、帰国後少ししてから症状が出るということもあります。
例えばデング熱やマラリアは、帰国後数日から数週間で発熱が現れることがあります。
その場合でお医者さんに相談するときは、必ずどこにどれだけの期間行ったか伝えてください。
海外に行ったことを言わないと、デング熱にかかったことは想定されないため、適切な治療が遅れてしまい、症状が悪化する危険があります。
また、下痢や腹痛だけが不自然に続くとか、A型肝炎であれば微熱やだるさ、食欲不振、黄疸といった症状が起きるので、こちらも注意が必要です。
狂犬病については、万が一発症すると治すことはできず、ほぼ100%命を落とす病ですので、もし現地で動物に咬まれたり引っかかれたりしたとか、傷をなめられた、唾液が入ったと思われる場合は、すぐに現地の医療機関を受診してください。
