健康診断・人間ドック・がん検診って何が違うの?#978

健康診断の季節が到来

今年も4月になり、新年度が始まりました。この時期は、学校や企業で健康診断を受ける機会が増えるタイミングです。

voicyでも折に触れて健康診断や人間ドックについて取り上げておりますが、また少し趣向を変えて、今回は健康診断そのものについて、しっかりとまとめてみたいと思います。

健康診断の本当の目的

健康診断を行う目的を今一度検めてみると、健康診断とは体調が悪い原因を見つけるための検査ではありません。

定期的に受けることで、症状が出る前の異常や、病気の芽を早期に発見するため、予防のために行うことになります。

ですので、検査前だけ食事制限や禁酒をして数値を良く見せようとしては、普段の状態を正しく反映できず、本来の意味が全くなります。大切なのは、日常のままの状態で受け、自分の健康状態を正しく把握することですので、必ず普段通りの生活をしていただければと思います。

健康診断で分かること・分からないこと

一般的な成人の健康診断では、血圧や血糖値、コレステロール、中性脂肪、肝機能、尿検査などを通して、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の兆候を確認します。

義務教育のお子さんが学校で行う健康診断は、身長体重、視力、口腔内などを見ることが基本となります。

それに加えて、胸部レントゲンや心電図、胃の検査、検便なども行います。

これらの検査はあくまで、異常の可能性を見つけるためのもので、検査の結果異常なしとなっても、完全に健康というわけではありません。

重要なのは、その年の結果だけでなく、過去のデータと比較して変化を見て、数値の推移を把握することです。

推移を見ていくことで、体の変化にいち早く気づくことができるため、体の変化をより正確に知ることができます。。

人間ドックとの違いと活用方法

もう一つの人間ドックは、健康診断よりもさらに詳しく全身を調べる検査です。

胃腸であれば、腹部エコーや胃カメラなどの検査になる内視鏡検査、婦人科の病を詳しく調べる婦人科検査、さらには脳の状態を細かく調べるMRIなど、より広範囲で詳細な検査をするのが人間ドックになります。

健康診断は、企業が従業員に受けるよう義務付けられていますが、人間ドックは対象外で、本人が自費で受けるものですので、コストはかかりますが、臓器ごとの異常や気になる部位を詳しく調べたい場合に適しています。

ただし、前項の健康診断と同じく、人間ドックでも異常がなかったからと言ってすべて安心ということはありませんので注意してください。

もし健康診断と人間ドックと、要再検査となった項目があった場合は、症状がなくても必ず再検査を受けるのがベストです。

再検査をして、一時的な数値のブレなのか、実際の異常のサインなのかを見極める必要があります。

がん検診の位置づけと受け方のポイント

最後に、主に中高年以上の方が行うがん検診があります。

文字通り、がんを早期発見するための検査で、症状がない人を対象に行うものですが、特にリスクがある人が定期的に受けるのが良いかと思います。

日本では胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんが主な対象とされており、年齢や性別に応じて受診の目安が定められており、例えば大腸がんや肺がんは40歳以上の方で毎年、乳がんは40歳以上の女性で2年に1回、子宮頸がんは20歳以上の方で2年に1回で行うのが基本とされています。

ただし、何らかの症状がある場合は検診ではなく、すぐに医療機関を受診する必要があります。

がん検診は、症状がない段階で行うことで、わずかながんの兆候や異常を見つけるためのものですので、中高年の方など発がんのリスクが高い場合は、定期的に行うのが望ましいです。

健康診断も人間ドックも前述したように、病になる前や初期の状態を発見するためのものですので、再検査と出たとしても、症状が出てないから大丈夫、というものではありません。

症状が出ていない人の病気を発見するきっかけ、手がかりとして行うのが健康診断と捉えていただけると良いかと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属