春バテって何?気合不足じゃなく体のスイッチの話#966

春バテという言葉が登場

先日、春バテという言葉を見かけて、調べてみました。

AIによると、2010年代後半から2020年にかけて使われ始めたとあり、ここ数年で広まってきたと思われる言葉でした。

voicyでは折に触れて、夏バテ秋バテについて取り上げてきましたが、春バテは一度もありませんでしたので、今回はこの春バテについて掘り下げてみたいと思います。

春バテとは

春バテとは、夏バテや秋バテのように正式な病名ではありませんが、春の環境変化によって自律神経が乱れ、さまざまな不調が現れる状態をまとめた言葉です。

3月から4月にかけては気圧変動や寒暖差が大きく、朝は寒く日中は汗ばむほど暖かい日もありますが、この急激な変化に体温調節機能が追いつかず、自律神経が疲れ、不調となって現れます。

これと似た言葉に五月病がありますが、五月病は入学や就職、異動といった社会的な環境の変化で起こる心理的ストレスが中心の言葉ですが、春バテは社会的な変化に加えて、大きな寒暖差や花粉症、黄砂といった外的ストレスが負担となって起こるもの、と言えると思います。

症状・受診の目安

春バテは冷え性や低血圧気味の人、花粉症の症状が強い人に起こりやすい傾向があります。

症状としては前述のように自律神経の影響が大きいため、だるさや眠気、頭痛、めまい、肩こり、胃腸の不調、気分の落ち込みなど、多岐にわたります。

生活はできるものの、なんとなく調子が悪いような状態が2週間以上続くこともあります。

また、春特有の花粉症による鼻づまりなどの症状が睡眠の質を下げ、体力が回復されず、結果的に不調を長引かせていることもあるため、原因を一つに決めつけないことが重要です。

例えば、息苦しさや動悸、胸の痛み、強い腹痛、微熱の持続、水分が取れない状態などがある場合は、単なる春バテではなく感染症など別の病気の可能性があります。

貧血や甲状腺の病気でも似た症状が出るため、長引く場合は内科で血液検査を受けることが大切です。

自律神経を乱さないようにする

以上を踏まえて、春バテ対策の基本となるのは、やはり自律神経を整えることです。

まずは体内時計を整えるため、毎日できるだけ同じ時間に起きて、朝日を浴びてリズムをリセットします。

休日も、平日と起きる時間は1時間程度の差にとどめるのが理想で、食事も朝食はある程度毎日固定するのがベストです。

春のポイントとしては、首、手首、足首の、いわゆる三首を冷やさないことです。日中は暖かくても朝晩は冷えるため、外出の際はマフラーや羽織り物など着脱しやすい服装で調整するとなお良いです。

食材はヨーグルトや卵、豆腐、サラダチキンなどでタンパク質を多めに、三食しっかり摂ることを意識するのがおすすめです。

春はまだ肌寒いですので、冷たいものは控えめにして、胃腸を冷やしすぎないようにするのもポイントです。

春は花粉や黄砂などの刺激も加わるため、体へのストレスが重なりやすい季節であることを理解しておくことが大切です。生活リズムを整えて、体を冷やさず、無理をしすぎないことが、春を元気に乗り切る鍵ですので、意識していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属