血液検査の結果を正しく読むために
以前、血液検査のカリウムの数値についてお話しましたが、今回はそれに関連して、血液検査というものについて、今一度詳しくまとめて行きたいと思います。
血液検査とは、ある意味体の中の状態を定期的にまとめたレポートのようなものですので、お医者さんは一回の検査結果だけを見て、健康、不健康と即断することはありません。
大切なのは、数値を連続して見ることなのです。
血液検査の結果を正しく見る、ということについてご紹介していきます。
血液検査の意味
血液検査とは簡単に言うと、前回の数字と比べてどう変わったのか、前回の検査から服用したお薬の影響はどう出ているのかといった点を確認するため検査になります。
検査結果でしばしば、基準値というものが出てきますが、これは健康な人の大多数が入る範囲を示したもで、健康であってもその範囲から外れるというケースもあります。
つまり一回だけ異常値が出たとしても、それ自体が大きな問題になることは少なく、その数値が今後どう推移するのかを見ていくことが重要になります。
言い換えれば、基準値の範囲内であっても、過去の結果と見比べて徐々に悪化しているとか、以前と比べて突然数値が変わっているようなことがあれば、その原因を考える必要があるのです。
数値は条件と生活で簡単にぶれる
そもそも、血液検査の数値とは、その時の体の状態や条件によって非常に簡単に変わります。
寝不足や脱水、前日の飲酒や激しい運動、強いストレスでも影響が出ることがあり、血糖値は当然ながら、食後か空腹時かで大きく変わります。
検査前日の夜以降は食事を控えるよう指示されることが多いですが、これは条件をできるだけ揃えた状態で検査を行うことで、前回との比較がしやすくなるためです。
ちなみに、検査の直前だけ生活習慣を変えて、数値を良く見せようとする方が居ますが、これをやると本来の健康状態が分からなくなりますので、検査をする意味が無くなります。
普段通りの生活をした上で、今の自分の状態を正確に知ることが、血液検査を行う意味になります。
検査項目は体の役割を映す
血液検査の具体的な項目についてですが、それぞれ体の異なる側面を映しています。
基本的な部分だと白血球、赤血球、血小板の数値がありますが、まず白血球は体内のどこかで炎症や感染があると上がる数値になるため、例えば風邪をひいている最中などに検査をすると変動しやすい数値です。逆に低すぎる場合は、何らかの影響で白血球が少ない可能性があり、場合によっては白血病のサインとなるケースもあります。
赤血球は貧血の有無が分かりますが、特に女性だと数値が低めでも体が慣れている場合があるため、検査によって自覚症状が無く貧血状態であることを把握できたり、貧血の数値が他の部分にどう影響を及ぼしているかということを考えることもできます。
血小板は血の止まりやすさ、固まりやすさを示しますので、少ないと出血時に血が止まりにくいとか、内出血によるあざができやすいといったことが分かります。どちらかというとお薬の影響なのかどうかを見ることが多い数値になります。
次に分かりづらいものの代表とも言えるのが、CRPというもので、白血球の数値と共に見ることが多い種類になります。白血球と同じく炎症があるかが分かりますが、この数値が大きいほど、体がどれだけ激しく炎症と戦っているかが分かりますので、もし体の不調が無く、自覚症状が無いのにこの数値が上がっている時は、気付かないうちに体のどこかで炎症が起きていることが分かります。
その次に分かりづらいのが肝臓に関する数値で、ASTやALT、γ-GTPといったものがあります。
これはやはり肝臓の働きによるものですので、アルコールやお薬、脂肪肝、ウイルス性肝炎といったさまざまな原因で変化し、いずれも肝臓の調子が悪いと少しずつ上がって行く数値になります。
一方の腎臓は、クレアチニンやeGFRというものがあり、これは数値が上がるのではなく、徐々に下がって行くと悪くなっているサインになります。
肝臓も腎臓も、数値が急激に上下した場合は、何らかの急性の病の可能性がありますので注意してください。
最後が分かりやすい、血糖値とHbA1c、LDL、HDL、中性脂肪といったものです。
血糖値とHbA1cはどちらも糖に関するもので、簡単に言うと血糖値は現在の血中の糖分の量で、HbA1cはそれの過去2か月ほどの平均値になります。
LDLとHDLはそれぞれ悪玉、善玉のコレステロール値でどれぐらい動脈硬化になりやすいかの判断材料になります。
コレステロール値は年齢や持病によって、個人で目標数値が決められますが、自分のように心臓にステントが入っているような場合だと一般の方よりも詰まりやすいため、どちらかというと厳しい目標になることもあります。
そして尿酸値は痛風のなりやすさが分かり、アルブミンや総タンパクは平たく言えば栄養状態を表す数値になります。
例えばお年寄りの方だと食事量やタンパク質の摂取量が減るため、この数値をもとにタンパク質を積極的にとるなど、もっと栄養を摂るよう注意することもあります。
異常値よりも流れを見るという考え方
最後に前項にも重なりますが、血液検査で異常値が出たとしても、医師が特に説明しないことは珍しくありません。それは問題がないのではなく、今すぐ対応が必要な変化ではないと判断しているためです。
もし、お医者さんから注意してくださいと言われたり、来月もう一度検査をするように言われた時は、血液の状態の悪さによって出た数値なのか、検査のタイミング、仕方によって数値がおかしかったのかを確認したいという理由が大半です。
例えば栄養状態が低めだとしても、普段から少食で体質的、体調的にも問題がない場合は、お医者さんも何も言わないということも多いです。
これは見方を変えて言えば、体に異常は見られないが血液検査でおかしいと思う数字があったという場合では、お医者さんに相談しても解決してくれない可能性が高いのです。
ですので、そうしたところで不安になったときは、病院ではなく薬剤師に相談するのも一つの方法です。
検査結果を見ながら、今の体の状態や注意点を分かりやすく説明してくれることも多く、血液検査を正しく理解する助けになるはずですので、是非活用してみてください。
