肩こりって肩のせいだけじゃない?首・目・姿勢の三角関係#951

肩こりが起こるメカニズム

先日コメントにて、体にまつわる知識があると、自分の身に起きた時に冷静でいられる気がします、と頂きました。

voicyでは、医療健康に関する様々なものを取り上げておりますが、ここ数年近く間が空いたと思われるのが、肩こりについてです。

実は冬場になると、首や肩が張る、重だるい、痛みを感じるといった肩こりの症状を訴える方が増えてきます。

今回は久々に、肩こりについてまとめてみたいと思います。

肩こりという状態

肩こりとは、首筋や肩、背中にかけて筋肉が緊張し、不快感や痛みを感じる状態のことです。

人によっては頭痛や吐き気を伴うこともあり、頭痛の中でも緊張型頭痛が肩こりと関係して起こるケースが多く、これに偏頭痛が重なると、症状がさらに強く出ることもあります。

単なる肩周りの筋肉のこわばりと思われがちですが、肩こりは体全体の状態を映すサインでもあり、日常生活の影響を大きく受ける、身近な体調変化の一つです。

肩こりを引き起こす原因

肩こりの原因は一つではなく、複数の要因が重なって起こることがほとんどです。

例えば長時間のデスクワークなど同じ姿勢が続く仕事、猫背や前かがみといった姿勢の崩れ、スマートフォンやパソコンによる目の疲れ、運動不足、ストレス、そして冬特有の冷えなど関係しています。

特に姿勢が悪くなり頭が前に出ると、首や肩の筋肉が不自然な形で頭の重さを支え続けることになり、負担が増してます。

また、目が疲れることで画面に顔を近づけやすくなり、首が前に出て姿勢が崩れる、という悪循環が生まれるのも、肩こりの引き金となり、悪化させる一因になります。

肩こりに隠れている病気も

肩こりには何らかの病のサインとして出ているケースもあります。

例えば、頚椎症性神経根症では首から腕にかけて強い痛みやしびれが出やすく、首を反らすと症状が悪化することがあります。

また、中高年の方に急増する五十肩も、肩こりから始まって、肩を動かすと強い痛みが出たり、腕が上がらなくなると深刻化していくため、整形外科での処置が必要です。

さらには、肩こりに加えて胸の圧迫感や息苦しさ、背中の強い痛みがある場合は、心筋梗塞や大動脈解離といった病気の可能性もあります。

もし万が一、胸の圧迫感や息苦しさ、痛みを感じる場合は救急病院に行くか、救急車を呼んでください。

病院にかかるポイントとしては、肩こり以外の症状が伴う場合で、痛みが強いとか腕が上がらない場合は五十肩の可能性が高くしびれが強いとか首を反らすと痛みが強まる、と言った場合は頸椎の病の可能性がありますので、早めに医療機関を受診してください。

一般的な肩こりへの対処と予防

一般的な、疲れなどから来る肩こりの対処と予防についてですが、まず対処の基本となるのは動かす、休ませる、温めるの三つです。

動かすのはとても簡単な動きで大丈夫です。肩をすくめてから、力を抜いてストンと落とすのを10回ほどとか、肩甲骨を5秒ほど寄せてから力を抜く、二重顎を作るように3秒ほどかけて顎をぐっと引いて元に戻す、といったような簡単な運動だけでも、筋肉の血流が改善し、症状は和らぎやすくなります。

特にデスクワークが中心だと、軽い筋トレや全身運動は非常に効果的です。

休むのと温めるのは、最も便利なのはホットタオルやホットアイマスクで目を温めるのがおすすめです。およそ10分から15分ほど、しっかりと休ませられるととても良いです。

また、画面を凝視したり手元作業が多い場合は、遠くを見る時間を意識的に作ることで、眼精疲労を軽減できます。

およそ5,6メートル先を、20秒程度見つめるだけでもリフレッシュになるのでおすすめです。

単なる肩こりではなく、痛みも強い場合は、前述に重なりますがお医者さんに診てもらってください。

また肩こりの症状だけでも不自然に長く続いているときも、何らかの病の可能性がありますので、相談していただければと思います。

予防としては、改善と重なる部分もありますが、やはり姿勢を見直すことや、運動不足の改善がカギになります。

例えば作業環境を見直すのも手で、デスク周りに必要なものが目線より下に多く、下を見やすい環境だと、自然と首は前のほうに行ってしまって疲労が蓄積され、どれだけストレッチをしても治らないということもあり得ます。

ストレッチは初めは週に2回とか3回程度でも良いので、肩甲骨を中心に、習慣づけてやっていくことで肩こりしづらい体になって行きますので試してみてください。

また、出かける際にショルダーバッグを使う方も多いと思いますが、知らず知らずのうちに片方の肩にばかりかけていると、姿勢が崩れ、肩こりの一因になりますので、これも気を付けると良いかと思います。

冬場は、首や肩を冷やさない工夫も肩こり予防につながりますので、ネックウォーマーやマフラーの活用も検討していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属