食欲の秋でも太らない!血糖コントロール3つの小ワザ!#923

秋はさつまいもや栗、ぶどうなど美味しい食べ物が増える季節ですが、そこで気になるのが血糖です。

血糖とは血液中の糖分の量を示すものですが、今回は食欲の秋、味覚の秋の今こそ気を付けたい、血糖についてまとめて行きたいと思います。

極端な糖質制限は危険

血糖値は、空腹時には1デシリットルあたり100mg未満が望ましいとされ、食後の急激な上昇は避けるように、と言われていると思います。

食後の急激な上昇は血糖値スパイクと言われており、本来の健康的な状態であれば、食後にわずかに上がる程度ですが、食後だけ一気に上がる場合、数字にしておよそ1デシリットル当たり140を超える場合は、食後高血糖となります。

この食後高血糖は、文字通り食後に血糖値が大きく上昇するだけですので、普段の血液検査では異常が出ず、脳卒中や心臓の病のリスクが高まっていることに気付かないケースも多いです。

また、血糖値が急激に上がるということは、血糖を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌され、糖分が脂肪として蓄積されやすくなり、太りやすい体質になります。

食後高血糖を防ぐために、炭水化物を一切取らなければよいのでは、と考える方もいますが、極端な糖質制限は低血糖を招き、めまいや集中力の低下などが起こるため逆に体に悪影響となります。

日本の食事摂取基準では、炭水化物は総エネルギーの50〜65%を目安に摂取することが推奨されており、極端な制限はかえって健康を損なう可能性がありますので、大幅な糖質カットは避けてください。

食事と生活習慣で血糖コントロールを

以上を踏まえて、血糖コントロールにおいて大切なことをまとめると、まず血糖値を最も高く上げる食品は清涼飲料水です。

すでに糖尿病の治療をしている方で、インスリンが効きすぎてしまった場合には甘めのジュースを飲んでください、という指示がされます。

大半のジュースにはブドウ糖が大量に入っており、それを飲むことで低血糖の症状が一時的に改善します。

逆に言うと、普段からジュースなどの清涼飲料水をとっていると、血糖値が高くなりやすく、最悪糖尿病を引き起こしてしまいます。

あくまでも、飲まないようにするのではなく、飲み過ぎが危険ですので、まずはそれを気を付けていただければと思います。

次に血糖値スパイクを防ぐためには、食事の順番を工夫することが効果的です。

最初に野菜を食べて、次に肉や魚などのタンパク質、最後にご飯やパンといった炭水化物を摂ることで、食後の血糖上昇を緩やかにすることができる、と言われていますが、これは実は条件付きで有効なものです。

野菜であってもイモ類やトウモロコシは糖質がかなり多いものですので、最初にそれらの野菜を食べるとあまり効果が無くなりますので注意してください。

野菜の量で言うと1日あたり150〜200gで、両手に持って少しあふれるほどです。タンパク質は20g程度で、手のひら1枚分程度が目安です。

その次におすすめなのが、食後に10分程度ウォーキングするというものです。特に夕食後のウォーキングは血糖値を下げる効果が高いとされており、に1日まとめて30分歩くよりも、毎食後10分ずつ分けて歩く方が血糖コントロールには効果的という研究結果もあります。

ちなみに、お酢を1日小さじ2杯程度取り入れると、食後の血糖値の急上昇を抑える効果があるとされていますので、ドレッシングの代わりにお酢を多めに使うとなお良いかと思います。

秋の味覚を楽しみながら健康を守る工夫を

これからの季節はさつまいもや栗、ぶどうなど糖質を多く含む美味しい食材が次々と登場します。

それらを単品で食べるのではなく、ヨーグルトやサラダチキン、ナッツやチーズなどのタンパク質や、他の野菜などの食物繊維類と組み合わせて食べるのがおすすめです。

例えばぶどうはチーズと一緒に、さつまいもはヨーグルトと合わせて朝食や間食に取り入れると、血糖上昇を緩やかにしながら栄養バランスも整いますので、是非試してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属