ぐるぐる・ふわふわにもう振り回されない!めまいの正体と対策#915

熱中症の初期症状で起こるめまい

厳しい暑さから熱中症の患者さんが増えており、ネットでも若い方が熱中症で亡くなったという事例を見かけました。

熱中症についてはvoicyでも毎年触れておりますが、今回はその熱中症の初期症状とも言えるめまいという症状についてです。

今回は2種類のめまいについて、詳しくまとめて行きたいと思います。

めまいの種類

めまいには大きく分けて「回転性めまい」と「浮動性めまい」の2種類があり、回転性めまいは自分や周囲がぐるぐると回っているように感じる症状で、多くの場合は耳の奥にある三半規管の異常によって起こります。代表的な病気としては、メニエール病や良性発作性頭位めまい症があります。

もう一つの浮動性めまいはふわふわとした浮遊感や、地面を歩いていても足元が安定しないような感覚があります。

こちらは耳だけでなく、脳や自律神経の不調、貧血、低血圧、ストレス、睡眠不足で起こる可能性があり、そして今回の熱中症の初期症状としても現れるタイプのめまいになります。

めまいが起きたときの対処法

めまいが起きた際は、まずは安全な場所で安静にします。

出来るだけ横になって、頭を急に動かさないようにして、症状が収まるまでじっとします。

今の時期は熱中症の可能性もあるため、涼しい場所に移動して水分補給を優先します。この際に、経口補水液などがあると最適です。

もし、めまいと同時に強い頭痛や手足のしびれ、吐き気、言葉が出にくいといった症状がある場合は、脳梗塞の可能性がありますので、すjぐに救急車を呼んでください。

めまいで救急車を呼ぶのは抵抗がある方もいると思いますが、命にかかわる事態ですので、もしもの際は必ず読んで頂ければと思います。

症状が繰り返す場合は病院へ

めまいは基本的には一時的なものが多く、すぐ治る場合は特に問題無いですが、短期間で繰り返し症状が起きるときは何らかの原因があると考えられます。

ぐるぐると回る回転性の場合は耳鼻科、ふわふわとした浮動性めまいの場合は神経内科にかかるのが最善です。

ちなみに外出先などですぐに病院へ行けない場合などは、市販の車酔い止め薬が一時的には役立ちますが、あくまでも応急処置として、症状が繰り返す場合は早めに医療機関を受診しましょう。

生活習慣の改善でめまいの予防を

最後にめまいの予防についてですが、回転性めまいは三半規管の影響もあるため、意識して予防することは難しいですが、まず浮動性めまいに関しては生活習慣の改善で予防できる可能性があります。

例えば熱中症予防も浮動性めまいの予防になりますので、日頃からこまめに水分と塩分を欠かさずに補給してください。

また。貧血やビタミン不足によるめまいを防ぐには、鉄分やビタミンB12を含む食品を意識して摂るbのがベストです。食材で言うとレバーや赤身肉、アサリなどの貝類は効果的です。

反対に、カフェインやアルコールといった刺激物はめまいを誘発しやすいため、飲みすぎには注意が必要です。

日常でできる予防のポイント

その他のポイントとしては、同じ姿勢を長時間続けることもめまいの原因になりますので、例えばデスクワークの時間が長い方などは、こまめに姿勢を変えたり、軽いストレッチを行ったりして血流を促すのも予防になります。

そして、基本的なことになりますが、ストレスや睡眠不足は自律神経の乱れなどの要因ですので、浮動性めまいの引き金になります。

費用のかからない趣味やリラックス方法を日常に取り入れて、心身のバランスを保つことが大切です。

めまいの多くは原因が特定しにくいですが、熱中症や生活習慣に関わる要因であれば予防が可能ですので、普段から体調管理や熱中症予防を意識していくのが良いかと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属