梅雨から夏にかけての予防対策!夏風邪から体を守ろう!#904

夏風邪の流行が顕著に

最近、ついに夏風邪の患者さんが増えて来ました。

夏風邪とは、主に6月から8月頃にかけて流行する風邪で、子どもから大人まで幅広く感染する風邪のことです。

原因となるウイルスとしては、エンテロウイルスやアデノウイルスなどが代表的で、これらのウイルスが引き起こす感染症として、手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱などがあります。

他には、溶連菌感染症も夏場に流行することが多く、喉の痛みや発熱などを伴うことから、夏風邪の一つとされています。

今回は熱中症や食中毒などと併せて、夏に気を付けたい夏風邪についてまとめて行きたいと思います。

冬の風邪との違い

まず、夏風邪の症状としては喉の痛みと発熱が中心で、喉の痛みから始まるケースが多いのが特徴です。
夏風邪と、冬に引きやすい風邪との最大の違いは、消化器系の症状が出やすいという点です。

夏は気温が高く、室内ではクーラーを多用しがちなため、その結果として、身体が冷えたり、寝苦しさによる睡眠不足が続いたりと、体力や免疫力を消耗しやすい状況になります。

そうなると必然的に、治るのが遅くなり、長引きやすくなるのです。

またプール熱に代表されるように、プールや温泉、レジャー施設などで、タオルや設備を介する感染が多いのも、夏風邪ならではの感染経路といえます。

夏風邪にかかったと思ったときは

夏風邪にかかってしまった場合についてですが、基本的な対処は普通の風邪と全く変わりませんので、まずはしっかり休んでください。

夏特有の暑さや睡眠不足によって、免疫や体力が一段落ちていますので、何よりも無理せずに安静に過ごすことが治癒の近道になります。

市販薬で言うと、アズレン系のうがい薬や喉スプレー、龍角散トローチなどで対応できますが、もし高熱や食事ができないほどの強い喉の痛みがある場合は、溶連菌感染症の可能性もあるため、早めに病院を受診してください。

また、3日以上微熱や体調不良が続く場合は、自己判断せずに医療機関で診てもらってください。

ちなみに食事について、食べないと体力が戻らないと思って無理に食べようとする方もいますが、消化にエネルギーを使いますので、無理に食事をとる必要はありません。

食事ではなく、水分補給だけは忘れずに行なって、脱水や熱中症を防ぐようにすることが重要です。

手洗い・食事・生活習慣の見直しを

最後に夏風邪の予防についてですが、まずは冬の風邪と同様に、手洗いやうがい、消毒、マスクの着用といった基本的な感染対策が有効です。

中でも大切なのは、食事前の手洗いと消毒です。夏風邪のウイルスは多くが経口感染で、口から体内に入るケースが多いため、手を介しての感染予防が重要となります。

そして、普段から水分をこまめに補給することも予防の一環ですが、冷たい飲み物ばかり摂ると胃腸に負担がかかり、免疫力や自律神経に影響が出るため、常温の水や白湯も適度に取り入れるようにするのがベストです。

レジャー施設に行った際や、家庭の家族間であっても、タオルを共同で使用するのを避けるとか、人混みをなるべく避けるなどの、感染機会を減らす工夫も予防になります。

そして基本的なことになりますが、十分な睡眠と栄養をとって、ストレス管理もしていくと、免疫力が高まりますので是非普段から意識していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属