インフルエンザ・コロナの状況は?冬場の感染対策!#777

年始からコロナの検査キットの売り上げが増加

2024年も1月後半に差し掛かり、年末年始のインフルエンザや新型コロナの感染状況が明らかになって来ました。

まず体感として、年始から検査キットの売り上げが上がって来ています。

それに伴い、患者さんも徐々に増加し始め、もしかしたら冬になって流行しているという可能性があります。

今回はこのことから、新型コロナウイルス、インフルエンザの最新情報についてまとめて行きます。

インフルエンザの感染警報が全国的に発布

まず初めにインフルエンザですが、現在は感染警報というものが全国的に広い範囲で発布されています。

一週あたりの感染者の報告数が全国で12.99となっており、数字で言うとわかりにくいですが、これは年明けから横ばいか若干減少気味ではあるという状況です。

順当に行くと2月末ごろには、今シーズンのインフルエンザは一旦収束する見通しですが、現在は依然として強い感染力を持っていると言えます。

ただし、インフルエンザはA型が流行った後にB型が流行るということもあり、流行が伸びて4月ごろまで感染が伸びることもありますので、注意は必要です。

コロナの第10波が起こる可能性が

次に新型コロナについてですが、先述のインフルエンザの1週間当たりの感染者数と同じような指数では、現在は8.9となっており、数字だけで言うとインフルエンザよりは流行っていない可能性が高い、と言うのが新型コロナの現状です。

ただし、インフルエンザは12月から1月にかけて横ばいから微減だったのが、新型コロナは11月ごろから徐々に増えてきて、右肩上がりで現在8.9になっているというのが現状です。

つまり、新型コロナはインフルエンザが収束してきた2月ごろから増えてくる可能性がある、という意味です。

次に急激な感染拡大が起こると、最初の波から数えて第10波となります。

そして、WHOが流行すると予測される株は、JN1株というもので、これが世界的に流行する可能性があるとされています。

ただ特徴的な症状は特に無く、重症化リスクに関しても従来のものとあまり変わらない可能性が高く、治療薬等もあるため、以前のような緊急事態宣言やロックダウンが起こることは無いかと思います。

ただし、強い感染力は当然ありますので、これまで通りの感染対策は充分必要です。

お子さん用のインフルエンザの薬が不足傾向に

治療薬は、インフルエンザのお薬で子供用のものが不足気味にあります。

ジェネリック医薬品のものも減ってきており、一部の薬局では、大人用のカプセルのお薬を分解して子供用に手作業で製剤し直してるというところもあるようです。

またコロナの影響は依然として根強く、特に咳止めや痰きりのお薬は在庫が少なく、当薬局だと痰きりは1年近く入っていないと思われるほどです。

一方で、新型コロナ用の治療薬はあまり使われていない傾向にあります。

現在、コロナの治療薬は一部自己負担で、通常の3割負担の場合は9000円を支払う必要があるのと、若い世代では重症化しないことのほうが多く、後遺症の予防効果もあまりないため、コロナに感染した場合でも咳止め等を使うのみで、治療薬を使うことは少ないとされています。

ただし高齢者などは重症化すると命の危険があるため、専用の治療薬を使うことをおすすめします。

ワクチンについてですが、現在は無料ですが、3月末以降は自己負担7000円ほどが発生する見込みですので、不安があれば打つことをおすすめします。

症状があれば家で安静にすること

インフルエンザも新型コロナも、軽い症状のうちに市販薬を飲んで栄養を取って自宅で安静にしていると、治るケースもあります。

重症化リスクが高い方や高齢者の場合だと、すぐに重症化する危険もあるため一概には言えませんが、基本的には自宅で安静にして、症状が強まってきた場合に病院に相談するというのが安全かと思います。

以前もインフルエンザの回などで度々触れたように、軽い症状の時に病院に行ってしまうと、行ったことによってウイルスに強く感染してしまい、症状が強まるということがあります。

まずは大前提として、自分が感染しないように、こまめな手洗いや手指消毒、マスク、換気といった、これまでお伝えしてきた基本的な感染対策を、これからも引き続き行っていくのが大切ですので、是非続けて行ってください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属