湿布の後に日焼け?初夏に気をつけたい薬と紫外線#991

紫外線に注意が必要なお薬

徐々に気温が上がり、紫外線が強くなってきました。

voicyでも時折、日焼け対策について取り上げていますが、今時期はより一層、意識する人が増える時期と思います。

紫外線というと、単なる日焼けが思いつくかと思いますが、実は薬と紫外線の組み合わせによって皮膚トラブルが起こることもあります。

例えば、湿布を貼っていた部分だけが真四角に赤くなったり、日焼け止めを塗っていたのに強いかゆみや湿疹が出たりするケースです。

今回はこうした、紫外線とお薬についての関連を、少しお話してみたいと思います。

光線過敏症という病

前述の症状の原因として最も代表的なのが、光線過敏症というものです。

湿布や塗り薬、飲み薬や、化粧品などの成分が皮膚や体内にある状態で紫外線を浴びることで、皮膚が過剰反応を起こしてしまうものです。

アメリカ食品医薬品局、FDAでも、薬剤によって日焼け様症状や発疹が起こることがあると注意喚起されています。

症状としては、日光を浴びて数時間で強い日焼けのように出る場合もあれば、数日後に湿疹やかゆみとして現れる場合もあります。

光線過敏症の大きな特徴は、それほど長時間日光に当たっていないのに強く症状が出ることもあるという点です。

特に分かりやすいのが湿布や塗り薬によるもので、使用した部分だけがくっきり赤く腫れ上がることがあります。

さらに今時期の春先や初夏は、真夏ほど暑くないため紫外線対策への意識が緩みやすいですが、実際には紫外線量はかなり増えているため、知らないうちに症状が出てしまうことも少なくありません。

注意が必要なお薬

注意したいお薬について具体的にまとめると、まず代表例としては、抗菌薬や痛み止め、炎症を抑える湿布や塗り薬に注意が必要です。

もっと詳しく言うと、一部の利尿薬やニキビ治療薬、糖尿病治療薬なども該当しますが、あくまでもすべての抗菌薬、すべての痛み止めが危険というわけではなく、薬ごとに違いがありますので、不安があればすぐに薬剤師に相談していただければと思います。

他にも注意が必要なのは、以前にもらった湿布や塗り薬を後から自己判断で使うケースです。

旅行、運動会、ウォーキング、屋外イベントなどで、応急処置的に湿布を使ったりするなどの際で、日差しを浴びて不安がある時も、薬剤師へ確認すると安心です。

湿布をはがした後のケアも

湿布のなかでも、医療用湿布のモーラステープや、ジェネリック医薬品として広く使われている、ケトプロフェンパップのような、ケトプロフェンを含む湿布薬は広く使われており、痛み止めとして非常に優秀ですが、光線過敏症を起こしやすい薬でもあります。

特にこれらが厄介なのは、湿布を剥がした後も注意が必要なことです。

場合によっては、使用してからおよそ3〜4週間ほどは、貼っていた場所を紫外線から守らなければならないということもあります。

ですので、半袖や短パンになる季節で、肘や膝と言う部位に使っていた場合では特に注意が必要で、後から強いかぶれを起こすことがあります。

ちなみに、先ほど触れた利尿薬も、処方前に薬剤師のほうから説明があるかと思いますが、一部のもので日光に反応するものもありますので、こちらも充分注意していただければと思います。

今から紫外線対策を

予防の基本となるのはやはり紫外線対策であり、紫外線を避けることにあります。

湿布を貼った場所は何らかの衣服で覆って、直接日光を当てないようにするだけでも大きな予防になります。

腕なら長袖、足なら長ズボンといった、シンプルな対策でも十分効果があります。

また時間帯で言うと、紫外線の強い午前10時から午後2時頃は注意が必要で、顔など露出を避けにくい部分では、帽子、日傘、サングラス、日焼け止めなどを活用するのももちろん効果的です。

もし、どうしても露出部位に湿布を貼る必要がある場合は、光線過敏症を起こしにくい別のお薬へ変更するという手もありますので、遠慮なくお医者さんや薬剤師へ相談してください。

もし光線過敏症らしき症状が起きて、赤み、水ぶくれ、強いかゆみや痛みが出た場合は、早めに皮膚科を受診してください。

その際、「どの薬を使ったか」「いつ剥がしたか」「どの程度日光に当たったか」を伝えると診断の助けになりますので、出来るだけ詳しく覚えておいて、伝えていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属