温泉ってホントに効果があるの?#367

Voicy更新しましたっ!

今回もコメントから、よく聞く「温泉の持つ効能」のお話

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「温泉の効能」ってホント?

温泉宿やスーパー銭湯などで「天然温泉」とうたっているところがあると思います。湧き出ているお湯を加熱したり減温したりして、お風呂施設にしている、という物です。

よく「リュウマチ・神経痛に効く」とか「痛みが取れる」と言ったことがしばしば言われていますが、プラセボ効果では?とも言われると思います。

今回はそういった「温泉が持つ効能」について、少し触れていきます。

温熱効果一つでも、温泉の方が効果が高い

まず最初に、温泉が持つ効能は全く無い、ということはありません。

なので、温泉に入るのは体に良い、というのは正しいと言えます。

温熱効果一つとっても、普通のお風呂よりも高いことが分かっています。

温熱効果とは文字通り、お風呂に入って温まることで、血管が開いて肩こりが解消されるとか、血流が良くなって冷え性や筋肉痛が和らぐ、というような効果です。

この効果は普通のお風呂でも得られますが、温泉だと温泉に含まれる成分により、保温効果が非常に高くなり、温泉を出た後も温熱効果が長続きするという特徴があります。

もう一つ、同じように温泉に含まれる成分によって、圧力と浮力が高いという特徴があります。それぞれ水圧効果、浮力効果と言います。

水圧効果とは、水の中に入って体にかかる圧力によって、内臓が刺激されて便秘やむくみが解消されますが、これも普通のお風呂より、様々な成分が含まれている温泉のお湯の方が重いため、より力強く効果が得られます。

浮力効果は、お湯に入ると体が浮くような感じがあると思いますが、この時体の筋肉は大きく緩むため、リラックス効果が得られます。

これも様々な成分がある温泉の方が効果が高いことが分かっています。

家のお風呂とは違う、リフレッシュ効果も

4つ目の効果は「場所が変わるのも温泉の一つの効能となります。

単に外出して気分転換をすること全般に言えることですが、普段と違う環境にいることが、一つのリフレッシュ効果、リラックス効果になります。

これは温泉においては、絶対に欠かせない「露天風呂」のことです。

いわゆる森林浴もリフレッシュ効果がありますが、これと同時にお風呂に入れるのは、温泉ならではの効能となります。

郊外ではなく街中の温泉でも、広々とした浴場で、足を伸ばしてお風呂に入るとか、寝湯、立ち湯といったものでも、普段とは違ったお風呂になるので、充分効果は得られます。

「美人の湯」とは?

温泉で健康の次に話題になりやすいのが「美人になるお湯」だと思います。

つやつやしたきれいなお肌になるとか、ここに入ると若返る、など言われることがあると思いますが、共通しているのは「弱アルカリ性のお湯」です。

種類で言うとアルカリ性単純温泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉が該当します。

具体的には岐阜県の下呂温泉、愛媛の道後温泉はアルカリ性単純温泉、兵庫の有馬温泉、北海道の函館の温泉である湯の川温泉は炭酸水素塩泉になります。

硫黄泉は栃木の奥日光湯元温泉、群馬の草津温泉の一部にあります。

これらはどれも弱アルカリ性のもので、お肌がきれいになる効果がある温泉です。

アルカリ性は、古い皮膚、角質の部分を溶かす働きがあるため、このお湯につかることで、お肌がつるつるになっていきます。

他にも「○○の湯」が

温泉には各地で様々な成分があるため、美人の湯以外にも様々な「○○の湯」があります。

例えば「心臓の湯」というものがあります。

種類で言うと二酸化炭素泉になり、文字通り二酸化炭素が入っている温泉で、九州の有名な別府、霧島温泉で多く、兵庫の有馬温泉でもありますが、その他ではあまり見られない貴重な泉質です。

この温泉は二酸化炭素が皮膚から入り込んで、血管をより開く効果が得られます。

血圧が下がって、心臓の負担を和らげることから、心臓の湯と言われています。

あくまでも温泉からの効果ですので、1泊2日で数時間ほど入っただけで一気に改善される、ということはありませんが、他の温泉や普通のお風呂と比べると、血流が良くなりやすい特徴があり、結果として疲れが取れやすいとか、上がってからも暖かさが長続きする、という効能も得られます。

さらに温泉では、飲用として飲むこともできる温泉も、地域によってはあります。

温泉は気分転換、疲労回復に最適なので、是非足を伸ばして行ってみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属