質問よりっ!冷えのぼせの対策は?#365

Voicy更新しましたっ!

今回も頂いたコメントから「顔だけが暑くて体が寒い」冷えのぼせのお話

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「冷えのぼせ」とは

先日コメントで「冷えのぼせ」の症状がある、ということをいただきました。

最近、体は寒いと感じているのに顔だけが暑くて、鏡を見ると頬が真っ赤になっていて、でも風邪の辛さではない」というようなものです。

同時に倦怠感があって集中力が持たない、夜中に何度も目が覚めて眠りが悪いということもあるようです。

今回はこの冷えのぼせという症状について、詳しくお話していきます。

冷え性との違い

冷えのぼせは色々な症状の出方があります。

上半身は暑くて冷えは感じられないのに、手足は冷たいなどといったようなことが冷えのぼせになります。

普通の冷え性との一番の違いは、冷え性は「冷えてる・冷たい」という感覚があるだけですが、冷えのぼせは名前の通り「のぼせる」状態ですので、汗をかくとか火照り、のぼせの症状が出ます。

ですので、数時間寝た明け方のタイミングのベッド、布団が、大量の寝汗で濡れているとか、汗によって寝付きが悪い、睡眠の質が悪いと言ったことも起こり得ます。

冷えのぼせは冷え性のある方のうち、6割ほどが伴っているとされています。

また最近では、幼少期からクーラーやエアコンが身近にあって、体が冷えやすい環境に置かれていた、20代の女性でも徐々に多くなっている、とされています。

更年期・季節の変わり目で起こりやすい

ただ一番多いのはやはり、更年期の事が気になってくる、50代の女性が最も多く見られます。

更年期の症状で、冷えのぼせに似たような事が起こるためです。

ホットフラッシュと言い、厳密には冷えのぼせとは違うものですが、同じように急に上半身や顔が暑く火照って来たり、突然大量の汗をかいたりと言ったものです。

これは必ずしも、冷えと伴って起こるものではないため、冷えと同時に起こる冷えのぼせとは違うものとなります。

また、この10月11月の、秋から冬にかけて気温がどんどん下がっていくタイミングも、症状が起こりやすいです。

前回も、寒暖差が激しくなるタイミングは自律神経の働きに影響が出て、様々な不調が出る、とお伝えしましたが、簡単に言うと同じようなものです。

ただ、冷えのぼせは冷え性に近いですが、対策は違うのでご注意下さい。

冷えのぼせは「重度の」冷え性

冷えのぼせは、冷え性の中でも重度なもの、と言えます。

冷え性とは、血の巡りが悪くなって手足、指先といった体の末端が冷たくなる、というものです。それが悪化すると、循環するはずの水分もところどころに溜まってしまい、むくみとなって現れます。

その水分も冷えることで、余計に冷え性が悪化して、症状が進んでいきます。

そのとき、体はどうするかというと、まずは命を守るために頭の体温を守ろうとします。

脳が最も重要ですので、脳が冷えないように体は自動で対策をします。

この働きが結果的に、手足が冷えたまま顔、頭は暑くなり、のぼせたような状況になります。

これが冷えのぼせとなります。

こうなるとほぼ必然的に自律神経が狂ってしまい、頭痛や生理痛がひどくなるとか、睡眠や汗の調節に影響が出る、というような症状が出ます。

冷えのぼせの対策

仕組みとしては冷え性の延長、といった感じですが、必要な対策は冷え性とは少し違うものが必要になります。

例えば、冷え性だとぬるめのお湯で長時間入浴して芯から温めて、血流を良くすることがありますが、冷えのぼせに長時間のお風呂はあまり向きません。

すでに頭がのぼせている状態なため、お風呂だけでは自律神経を整えることができないのです。

同様に、タートルネックのような服で首元が冷えないようにするのも、冷え性では効果的ですが、脳が充分温まっている冷えのぼせは改善できません。

冷えのぼせはどうすれば良いかというと、温めるところと冷やすところを分ける、ことをしてください。

単純に、冷えているところだけを暖める、ことが必要です。

首であれば首の後ろだけ、内臓であればおなかや下腹部だけ、足首であれば足首だけ、という風に、ある程度分けて、その部分だけを暖めることをしてください。

なので、腹巻やももひき、レッグウォーマー、と言ったものがあると、非常に便利です。

特に、重ね着は非常に便利で、重ね着をしていると火照ってきたとか、のぼせていると感じる時に脱いで調節ができます。

また逆に、脇や顔、頭などが暑くなって火照ってきたと思ったら、その部分だけ冷やすのも改善に効果的ですが、冷やし過ぎは逆効果ですので注意してください。

あとはやはり、運動と、ストレスを溜めないことが大切です。

運動については、ストレッチ程度の運動で充分良い影響があります。

お風呂上がりのタイミングなどで、軽くストレッチをすると血行が良くなって、結果的に冷えが改善されて自律神経も整っていきますので、おすすめです。

そしてストレスを溜めないことは、やはり様々な面で良い影響があるので、イライラをため込まないで、何かストレスを解消できるものを作っておきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属