肉を食べてれば健康なの?たんぱく質の良い摂り方#317

Voicy更新しましたっ!

今回はお肉や豆類で取れる「たんぱく質」について。

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たんぱく質の働き

これまでのVoicyの配信でも、またあらゆるダイエット関連の番組、ネット記事でも、「たんぱく質を欠かさないように」と言う事は何度も目にしたことがあると思います。

たんぱく質は人間のほぼすべての細胞を構成するために消費される栄養素で、体内にある栄養素の中では、水分の次に多いものです。

このたんぱく質の持つ働きについて、詳しくご紹介していきます。

ホルモン・免疫細胞もたんぱく質から出来る

たんぱく質は筋肉や皮膚を作る、と言うのは有名だと思いますが、実は髪の毛や爪もたんぱく質によって出来ています。

体の免疫能力も免疫細胞という細胞によって維持されていますので、たんぱく質が必要であり、さらには体を正常に保ち続ける各種ホルモンも、たんぱく質を使います。

他にも、体の隅々に栄養素を運ぶ働きや、エネルギーが不足したときに筋肉や臓器を分解して、たんぱく質をとって使うということもあります。

何らかの病で、摂取する栄養素が大きく減った時、痩せて行くとか筋肉が落ちるというのは、こういった働きもあるためです。

たんぱく質が不足すると

お肉や大豆類を食べてたんぱく質を補給していきますので、不足するという事はもちろんあります。

たんぱく質が不足すると前述のようなことが起きますが、同時に免疫細胞も減るので免疫力が低下するとか、ホルモンの分泌量も減るためバランスが崩れ、自律神経に影響が出て体調が悪くなる、と言ったことが起きます。

少し前まで「年を取ったら粗食にした方が良い」という風潮がありました。

お肉料理には油が多く、胃もたれして負担になりやすいので、粗食にして優しいものを多めに食べることが推奨されていましたが、そうなると特にたんぱく質はどうしても不足しがちになり、結果的に体の機能が低下していきます。

これはつまり風邪を引きやすくなるとか、筋力が落ちて日常生活の動作に支障が出てきてしまいますたんぱく質は、高齢にも必要な成分ですので、高齢であるほど是非意識して取るべき栄養になります。

たんぱく質の取り方

たんぱく質のおすすめの取り方としては、まず1日の必要量として、体重1キロ当たり1gのたんぱく質が必要です。

ほぼ運動をしていなければ1g、もし毎日ジムに行っているなどで定期的に運動している方であれば1.5g、アスリートのような体を激しく使う方は最低2gとる必要があります。

具体的に体重60キロだとすると、1日当たり60g、90g、120gとなります。

毎食お肉や魚に入れて、3食で摂るのはもちろんですが、牛乳やヨーグルトなどを活用して、おやつなどで分割して摂るとより効果的です。

ポイントとして、運動後にたんぱく質をとるのは非常に効果的で、運動後45分以内はゴールデンタイムなんて呼ばれ方もするぐらいですので、とてもおすすめです。

運動直後から45分ほどの間は、筋肉は通常の3倍もアミノ酸を取り入れようとするため、非常に効率が良いです。分解しやすいプロテインや乳製品を運動後に摂ることで、筋肉に充分な量がすぐに行き渡るため、活用してみてください。

もう一つ、運動後と違うタイミングでおすすめなのが、寝る1時間前です。

寝る1時間前にとることで、成長ホルモンが分泌されて、体力の回復に非常に役立ちます。

ただし、夜に摂る場合は、前述の1日当たりの量を超えないことを注意して下さい。とり過ぎたたんぱく質は余分なカロリーとなって、肥満の原因となりますので、ダイエットとは逆効果になります。

寝る前にたんぱく質をとる場合は、1日の総量をある程度考えて、とるかどうかを決めていくのがベストです。

たんぱく質は「お肉・お魚・大豆・乳製品」でとる

具体的にどういう食べ物に含まれているのかと言うと、これまででも度々ご紹介しているように、お肉・お魚・大豆・乳製品に主に含まれています。

これらは、だいたい100グラム当たりで20グラムのたんぱく質があると考えて大丈夫です。

つまり、重60キロでほとんど運動していない方であれば1日300gのお肉やお魚を食べる、定期的に少し運動されている方は1日450g、アスリートは600gとなります。

お肉、お魚には脂質も同時に含まれているため、この量を毎日食べるのは難しいと思います。

ですが、EPAとかDHAのようなお魚に含まれる油分は健康に良く、食べても太らないヘルシーな油ですので、魚をメインにするのはおすすめです。

ただ、普通のお肉でも、ビタミン類を取れるお野菜を一緒に食べることで健康的に良い影響があるので、やはりたんぱく質類、繊維類、ビタミンミネラルとバランスよく食べることが大切です。

赤身のものが一番おすすめ

たんぱく質においては、お肉もお魚も、赤身のものが一番ベストです。

赤身のものとは魚だとマグロ、カツオ、サケ、お肉はヒレ肉やささみ肉です。これらは脂が少なく、質の良いたんぱく質をたくさん摂れるのでとっても便利です。

特に牛肉のヒレ肉は、Lカルニチンという体脂肪を燃やしていく成分があるため、筋トレでダイエットをして行くという方は是非意識して取ってほしい部位になります。

Lカルニチンを一番効果的にとれるのは、レアで焼いたヒレ肉ですが、これはステーキのお店のようなところでないと食べられないのが欠点ではあります。

たんぱく質は脂とセット

豆類、乳製品でもたんぱく質は取れますが、豆類は100グラム当たりで含まれるたんぱく質の量が少ないというデメリットがあり、納豆にしても何にしても、かなりの量を食べる必要があります。

また乳製品はチーズやヨーグルトがおすすめですが、量を食べてしまうとどうしてもおなかを下す可能性はあります。

そして、上記全てに言えますが、たんぱく質は必ず何かしらの脂分とセットとなる、と言う特徴があります。

取り過ぎてしまうと、あっという間にカロリー過多になるため、ある程度計算をして、とって行きましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属