質問よりっ!良い睡眠はどう取れば良い?#304

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「よく睡眠をとる」ということ

今回はいただいたコメントに「睡眠に関するお話を」とあったので、睡眠についてお伝えしたいと思います。

だいぶ前ですが、昼寝については触れたことがありますが、睡眠というものについて詳しく触れたことは無かったので、今回は睡眠そのものについてお伝えしていきます。

体には休息が必要

睡眠をとる事のメリットはきりがないほどありますが、睡眠の一番大きな役割は「脳全体を休める」ことにあります。

睡眠不足によって判断力が落ちるとか、体力が落ちる、頭が回らないというのは、全て脳が働きすぎているために起きていることです。

また、よく睡眠中は成長ホルモンが出ていると言われますが、これは単に骨を延ばすとか体を大きくするだけではなく、大人でも分泌されるもので、老化予防にも非常に役立つホルモンです。

特に新陳代謝を促進させる作用も持っているため、きれいなお肌を維持するために睡眠が充分必要というのは、この成長ホルモンが出るためでもあります。

成長ホルモンは免疫力にも大きくかかわるので、風邪を治すためにも睡眠が必要なのです。

また、朝起きてからトイレに行きたくなると思いますが、それは老廃物の処理が行われて、それが外に出るためです。

次の日の活動のための準備も、睡眠中に行われる

さらに睡眠中には体に必要な酵素も作っています寝てる間に、活動するときに必要な酵素を作り、貯めておくという働きです。

酵素については275回で詳しくお話していますが、簡単に言うと体に必要な酵素は体内で作られていて、その多くが睡眠中に生成されています。

脳が休息しながら、成長ホルモンや酵素を作り出して、次の日の活動を迎えていきます。これを充分にやるためにも、睡眠は必要なのです。

この睡眠は、どれぐらい取ったら良いのかというと、短すぎても長すぎてもダメで、さらにその個人差も非常に大きいです。

睡眠時間は、一般的には6時間半から7時間ほどがベスト

ベストな睡眠時間は、個人差が大きいという前置きはありますが、6時間半から7時間が良い、と考えられます。

これは、先ほどの成長ホルモンが眠りについてから2、3時間の間に7割が分泌され、それが体に良きわたるのがその6時間後、とされているためです。

ですので最低6時間は睡眠時間があった方が良い、という事は確かなデータです。

そしてもう一つ、睡眠時間と心臓病などによる死亡の関係のデータでは、6時間半以上7時間半未満が、いくつかある中だと死亡者が少ない、ということがわかっています。

つまりこの時間より、多くても少なくても、この時間のデータよりは多く亡くなられている、ということです。

ただあくまでも目安なうえ、睡眠とは質も非常に重要になってきます

睡眠の質を高めるためには「生活リズム」が何よりも大切

睡眠の質は、生活リズムに直結します。

まず朝は朝日、日の光を浴びてください。これが体内時計をリセットします。

これは本当に良いことで、場合によってはカーテンを開けて寝る、というのも凄く良い方法です。

例えば遮光カーテンは使わないで、明るくなってきたら閉めていてもある程度は分かるカーテンを使うなどもおすすめです。

女性だと難しい場合もあると思いますが、電気を消してから少しだけカーテンを開けて寝る、なども良いです。

そしてそのすぐ次、時間をできるだけ開けないで朝ご飯をきちんととってください。

これをしてみると、かなりしっかりと体内時計がリセットされます。

睡眠薬・サプリメントもおすすめ

眠るためのサプリメントや、ドラッグストアで買える睡眠薬もいくつか存在します。例えばグリシンというアミノ酸が主成分になった、グリナというサプリメントがあります。

睡眠アミノ酸とはっきり書かれていて、サプリメントの一つですが、少し高いので、食品添加物として売られているグリシンで代用できます。アマゾンでも普通に売られていて、プロテインのように牛乳や生姜湯に溶かして寝る前に飲む、というのも手です。

ただ、グリシンは途中で目が覚めるとか、眠りが浅い気がするという方に便利で、なかなか寝付けないという方にはあまり効果はありません。

なかなか寝付けないという方には、ドリエルという市販の睡眠薬があります。これはアレルギーの薬がもとで、アレルギーのお薬の副作用に眠気が出ますが、これを使って寝るというものなので、眠気が来なくて眠れないという方には良いきっかけになるお薬です。

ただ、ストレスなどでどうしても寝れないという事はあり得ます。次回この不眠ということについて詳しく触れて行きますので、眠れないことでお悩みでしたら、今回と合わせてご覧頂ければと思います

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属