Voicy更新しましたっ!
今回は、再燃している「covid-19空気感染説」の最新情報について
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「空気感染」と「エアロゾル感染」
covid-19は以前から、飛沫感染なのか空気感染なのか、ということがしばしば議論されてきました。
voicyでも新たな発表がある度、すぐに取り上げてお伝えしてきましたが、強力な変異株も流行している今現在、再度「空気感染説」が話題になっておりますので、ここで今一度、この空気感染という言葉について、まとめていきたいと思います。
空気感染ほどの広がり方はしていない
今回のきっかけは、WHO、そしてアメリカの疾病予防管理センターのCDC、どちらも「covid-19は空気感染の可能性がある」と発表した件からです。
これまでの情報を整理すると、covid-19はもともと、感染者が触れたものからの接触感染や、感染者から出る飛沫によって感染する飛沫感染が経路、とされていました。
そして、covid-19は極めて強力な感染力を持ち、非常に小さな飛沫でも感染力がある、エアロゾル感染の疑いも強い、とされていました。
エアロゾルとは水蒸気レベルの小さな水分で、空気中にも水分があるため、これを吸い込んで粘膜に付着することで感染する、という仕組みです。
また、エアロゾルにも種類があり、非常に細かいサイズのものだと、息を吸い込んだ際に肺まで直接入り、感染してしまう、ということもあり得ます。
これは空気中を漂っていますが、非常に細かい飛沫、水分ですので、これによる感染は空気感染ではありません。
ただし、この水分が完全に蒸発しても、ウイルスとして活動を続けて感染力を持ち、実際に人に感染させているとしたら、それは空気感染の定義に当てはまります。
covid-19は、この可能性が濃厚である、と言われ出したのです。
しかし、去年から現在まで続くこれまでの資料を見比べても、「接触感染や飛沫感染だけで拡大しているわけではないが、完全に空気感染していると言えるほど広まってもいない」という言い方ができます。
ですのでこれを踏まえて、「SARSやMARS、インフルエンザ、さらにいわゆる風邪ウイルスの一部までも、空気感染する恐れがある」という見方も一部でされ始めていまます。
「感染経路」について
さて、接触感染、飛沫感染、エアロゾル感染、空気感染、と、いわゆる「感染経路」についてですが、ここで今一度おさらいしていきます。
以前、392回で「感染症の基礎知識」ということで詳しく触れておりますが、もう一度簡単にまとめると、まず接触感染は手指など体の一部で直接、菌やウイルスを触り、そこから体内に入ってしまうということです。
具体的に言うと、自分が感染していたとして、手指で直接くしゃみの鼻水や、咳のつばの飛沫を受け、その手を消毒せずにドアノブなどの共用部分を触れてしまうとします。
その共用部分を、感染していない人が触れてしまい、その手を消毒せずに鼻や目を触ったり、食事することで体内に入ってしまい、感染となります。
こうした感染を防ぐために、こまめな手洗いや手指の消毒といったことをします。
covid-19やインフルエンザのような、飛沫からの感染を防ぐのにも役立ちますが、例えばとびひや破傷風、また梅毒のような性感染症はこの接触感染で大きく防ぐことができます。
次が飛沫感染で、接触感染と似ていますが、感染者の飛沫を体内に取り込んでしまって感染する、というものです。
くしゃみや咳はもちろんですが、普通の会話でもわずかながら飛沫が飛ぶため、それが体に付着したり、吸い込むことで感染すると、飛沫感染となります。
これを防ぐために、マスクをつけたり、人との距離をとる、といったことをします。
エアロゾル感染は前述したとおり、大きさは小さいものの、飛沫感染ですので、マスクをして、距離をとることで防いでいきます。
最後の空気感染ですが、こちらも少し前述しましたが、エアロゾルの水分が完全に蒸発しても、感染力のあるウイルスが残っている粒子があります。
これは当然ながら目に見えないレベルで、重さも非常に軽く、縦横無尽に漂うため、密閉された空間であればどれだけ距離をとっていても感染する恐れがあります。
非常に強力で恐ろしく思えますが、外であれば人間が活動できない高さにも舞い上がることも当然あります。
呼吸しても吸い込めない範囲にまで行きますので、外であれば感染することはまずありません。
あくまでも、換気がほとんどされていない、密閉された空間に感染者と居た場合で、感染力が極めて高いということです。
covid-19予防は「エアロゾル感染」「空気感染」を避ける対策を
以上を踏まえてcovid-19をどうやって防いでいくかですが、エアロゾル感染のもととなるウイルスが含まれた飛沫、そしてそれが乾いた粒子を、吸い込まないようにする対策、それを減らす対策が必要です。
ただ、これは感染者がマスクをしていれば大きく減らすことができ、また屋外であれば前述のように遠くまで飛ぶため問題はありません。
食事する機会も多く、また感染時の療養も屋内ですので、屋内の飛沫や粒子を外に流す必要があります。
それは、これまでも何回もお伝えしている「換気」です。
具体的に言うと、普通サイズのエアロゾルはおよそ5秒以内に地面に落ちますが、およそ5μmほどの小さいものだと30分ほどは空中に浮かび続け、さらに小さい1μm程度のだと12時間漂うことが分かっています。
換気については何度もお伝えしているように、台所の換気扇を回すだけでも効果は充分あります。
可能であれば、空気が流れるように、部屋の対角線上にドアを開けるようにするとより良いです。
マスクの種類とつけ方で、予防効果が変わることも証明
最後に、以前から何度か取り上げてきた、スーパーコンピューターによるマスクの効果の計算ですが、エアロゾルはウレタンマスクではほぼ防げないということが証明されました。
エアロゾルを最も防げるのは、サージカルマスクか不織布マスクで、顔にしっかりと密着させた場合のみ、エアロゾルが頬とマスクの間で止まって、鼻や口の粘膜に入らない、ということが分かりました。
ですのでやはり室内の換気と、マスクのつけ方、種類はしっかりと気を付けてください。
そしてもちろん、飛沫からの感染も当然ありますので、引き続き、食事前やトイレ後の手洗い消毒は欠かさずに続けて行きましょう。