緊急事態宣言を受けて生活はどうなるの?#406

Voicy更新しましたっ!

今回は首都圏を中心に発表されたばかりの「緊急事態宣言」のお話

健康情報を声で聞ける!

医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

 

緊急事態宣言と外出制限

今回は、昨日発表されたばかりの「緊急事態宣言」についてです。

実際、私たちの生活に何か影響があるのか、どう変わるかということについて、医療従事者の立場から少しお話していきたいと思います。

まず一番大きいのがやはり「外出制限」だと思います。

 

「自粛」よりも強い意味合いになる

これまで、日本も含めて世界的に言われ、先日も少し触れたのが「自粛」ということです。

不要不急の外出を控え、大人数が密集するイベントを行わず、3密を避けるということですが、緊急事態宣言が出された地域はこの自粛から、もう少し踏み入った「外出制限」になります。海外だと罰則があるところもありますが、日本ではやはり、それほど強制力はありません。

ただ、ニュースで騒がれているように、特定の業種を名指しされて、休業を強く要請されることはあります。

緊急事態宣言による外出制限は、先月の北海道の例から見ても、ある程度有効な策にはなります。

ただし言う間でもなく、一人一人が意識をしていれば効果はありますが、気にしない人が多ければ、意味が薄くなっていきます。

やはり、一人一人が当事者意識を持って、前回触れたような3密を避けることが大切です。

 

家庭内・家族間の感染を防ぐために

いきなり、外に出るのを控えて家にいるのも確かに難しいですが、それよりも前に、同居する家族、家庭内では感染しないのか、家にいるのが確実に安全なのかということですが、これも厚労省から8つのポイントとして、発表しています。

まず一つが、部屋を出来るだけ分け、距離を空けて、前述の3密にならないようにすることです。

ある意味、家族同士で隔離するような形になりますが、前回触れたようにかすかな飛沫でも感染する恐れがあり、無症状でも感染してる可能性があるため、やはり、可能な限り家の中でも距離を開けるのがベストです。

次が、感染が疑われる人、風邪気味で看病が必要な人のお世話はできるだけ一人で行うようにして、家族全員で集まって行動しない、というものです。

難しいとは思いますが、家族内で全員感染するのだけは、どうにか回避したいですので、万が一看病をする場合はマスクやエプロンをつけて、一人で行うのが最善です。

また、こちらも前回お伝えしましたが、お互いにマスクをしていれば飛沫は飛ばないため、濃厚接触には当たりません。

なので、家族全員、家の中でもマスクをつけていると非常に安全です。

もし調子が悪い人がいれば、その時点ですぐにでも全員マスクをつけるようにしてください。

そして次が、換気をすることです。

3密の一つ、密閉しないということで、かなり広く認知されていることと思いますが、日中はできるだけ窓を開けて換気をしてください。

もう一つ家の中で大切なのが、ドアのノブや取っ手のような手が頻繁に触れる部分や、食器類、衣類も含めて、出来るだけこまめに洗って消毒してください。

また、捨てるゴミもしっかりと密閉して捨てるようにして、清潔を保つようにすると、より良い予防になります。

 

病院への用事があればまず連絡を

不要不急の外出を控えて、と言われていますが、以前お伝えしたように「屋外であればある程度大丈夫」とお話しました。

これは密閉、密集、密接の3密のうち、”密閉”ではない、ということにしか該当しません。

残り二つを満たす可能性は充分あり、同時に重なると感染のリスクは大幅に上がります。ですので、こちらも以前触れたように、両者が手を伸ばして届かない程度の距離ででいるか、もしくは両者ともマスクをするのがベストになります。

外出と言えば、病院や薬局へ頻繁に行く必要があって、とても制限が出来ないという方もいるかと思います。

今まさに通院の最中だとか、どうしてもお薬が必要になるなど様々あると思います。

今回のcovid-19に伴い、施設によっては、電話で連絡をしてみると処方箋を薬局に直接FAXで送ってもらって、薬局に行く、または郵送だけですぐにお薬を渡してもらえる、というシステムがあります。

決まったお薬が必要で、定期的にもらいに行っているという時はとても便利です。

ただ、どの病院がこのシステムで対応してくれるのか、詳しくは把握していないので申し訳ないですが、病院に確認して下さい。

症状にもよりますが、軽い場合であれば出来るだけ自宅で安静にして、睡眠と栄養をとって休んで下さい。

その上で、4日以上熱が出るとか、息苦しさがあれば、病院かもしくは地域の保健所に連絡してみて、指示を仰いでみてください。

もっと言うと、明らかにcovid-19ではない、重い風邪ではないけど辛い症状が出たという場合で、病院にかかろうかと思っている時でも、出来ればまずは病院に連絡してみてください。

 

受け入れてもらえるかどうかという問題

現在、特に東京都では、医療機関がパンクしてくる状況の瀬戸際にあります。

今はまだ大丈夫ですが、今後さらに深刻化すると、この症状でお医者さんに診てもらえるかを事前に確認しないと、受け入れてもらえず無駄足になる、という可能性があります。

もし調子が悪くてお医者さんに診てもらいたいときは、いつも行っている病院に行っても大丈夫か事前に確認して、それから行くようにしてください。

ちなみに薬局も医療機関ですので、現状ではほぼ問題なく開いているところが大半です。

薬局でも、病院で診察を待つのと同じように、お薬を待つ必要があり、3密の危険性はありますが基本的には、消毒や換気等は充分されています。

 

薬局は大丈夫?

自分も含め、様々対策がされていますが、例えば処方箋だけ先に出しておいて、外で待っていて、後でお薬を取りに行き、待合室に長時間滞在するのを避けるということも有効です。

また、車で来られる方が多い地域では、車の中で待ってもらって、駐車場でお渡しするというところも実際にあります。

また、入場制限を設けているところもあり、受付時に「外でお待ちください」と指示する薬局もあります。

あと、最初に述べた、定期的に必要なお薬が欲しいという場合ですが、最初から薬局に相談してみるのも手です。

場合によっては、処方箋が必要ないお薬で代用できる可能性があり、一時的にそれでしのげる可能性もあります。

また、その地域の医療体制もある程度、しっかり把握していますので、別の病院を紹介してくれるとか、様々なアドバイスをしてくれることも考えられます。

薬局ごとでも違うので一概には言えませんが、是非気軽に相談してみて下さい。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属