Voicy更新しましたっ!
今回はコメントから、風邪の中でも「副鼻腔炎」に効く漢方のお話
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「鼻に来る風邪」に効く漢方
前回の漢方薬に関連して「副鼻腔炎の症状を和らげる漢方薬を」というコメントをいただきました。
副鼻腔炎に効く漢方ももちろんありますが、前回述べたように症状、種類ごとに最適な漢方薬が細かく分かれます。
今回は鼻炎・副鼻腔炎に効く漢方について、詳しく触れていきます。
副鼻腔炎の3つの種類
副鼻腔炎については、277回で詳しくお話しておりますので、そちらを参考にしてみてください。
ざっくり説明すると、普通の風邪で起こるのは急性副鼻腔炎で、膿が混ざったような鼻水になり、これが続くと慢性副鼻腔炎となり、いわゆる蓄膿症という病になります。
急性のは、風邪のウイルスや菌が粘膜に入って起こるため、風邪特有の鼻の痛みがありますが、3か月ほど続いて慢性化すると、たまった膿がさらに穴をふさぐため、膿が出せなくなり痛みも感じなくなり、結果的に鼻茸ポリープという、ポリープが鼻腔の中に出来てしまいます。
そして最後が、好酸球性副鼻腔炎で、花粉などいわゆるアレルギー反応によるものですが、膿が混ざる前述のとは違い、色は白いですが餅のような強い粘り気があるのが特徴です。
そして、今回コメントを頂いた方のケースは「副鼻腔炎持ちで風邪の引きかけや体調が良くない時に症状が出ます」とのことですので、一般的な風邪で起こりやすい、急性副鼻腔炎からお話していきます。
鼻水の種類、症状で分ける
今回は鼻風邪という場合ですので、まずは大まかに出る鼻水の種類、症状で分けて行くのが、一番分かりやすいです。
まず、初期症状となる、サラサラの鼻水が出るとか、くしゃみ鼻詰まりが徐々に出てひどくなってきたとか、花粉症かも思える、というようなときは、前回も出てきた「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が有効です。
花粉症では一つの予防にもなるので、とっても便利です。
例えば鼻水がうっすら出てきて、これからもっと出そうと思われるときに早めに飲むと、きれいに引くので試してみて下さい。
そこからもう少し進んで、サラサラではなく粘り気があるとか、完全な透明ではなく若干白い感じがするとか、鼻づまりだけ治らない、と言ったときは「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」を使ってみてください。
目安としては、お風呂に入ると鼻詰まりが治るかどうかです。
名前に葛根湯とあるように、前回も登場した葛根湯の漢方ですが、これは「川芎(せんきゅう)と「辛夷(しんい)」という生薬を加えたもので、鼻の症状に特化した漢方薬となります。
この小青竜湯と葛根湯加川芎辛夷、どちらもサラサラな鼻水や、若干粘り気が出てきた、という時に最適ですが、それよりもかなり強い粘り気があるとか、膿が混ざってる汚れたような鼻水になっている、と言ったときの漢方薬ももちろんあります。
膿が出る・痛みが感じられる鼻風邪の時
膿がある鼻水が出るとか、鼻の痛み、重い鼻水がたまっているような感覚がするような重度な時には「「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」と言う漢方があります。
荊芥連翹湯は膿に効果がある漢方で、耳に膿がたまって起こる炎症の中耳炎にも効く薬で、実際に耳鼻科のお医者さんでも使うことがあります。
明らかに膿のある、重い鼻水がたまっているように感じて、頭がズキズキするようなとき、鼻水が重くて出にくい時に便利です。
それよりもさらに、強い痛みが出るとか、どうやっても匂いが分からないほど詰まっているような時は辛夷清肺湯が効きます。
一番ひどい時に効く漢方、と思っておいてください。
ちなみにこの辛夷清肺湯は、「チクナイン」という市販の蓄膿症のお薬のベースになっている漢方薬でもあります。
漢方薬はどうしても、生薬独特のにおいがあるため、飲みづらいという問題がついてきますが、チクナインは錠剤になっているので普通の漢方よりも非常に飲みやすいという特徴があります。
鼻風邪でも、漢方薬は効果的ですので、その場合も是非ドラッグストアや薬局で、調べてみてください。