Voicy更新しましたっ!
今回は、汗をかきやすいこの季節に厄介な「汗疹(かんしん・あせも)」のお話。
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できると辛い「汗疹」
汗をかいた部分に、ぽつぽつとした湿疹ができる「汗疹」というものがあります。とってもかゆくてつらく、特に夜中は非常に寝苦しくなると思います。
今回はこの汗疹・あせものお話です。
汗が詰まって炎症を起こしている
汗疹とは、簡単に言うと、皮膚の中に汗が詰まってしまう、ことによって起きます。
汗は汗管(かんかん)という管を通り、表面へと出ます。
汗管で、汚れや汗によって出来た塩が残り、詰まってしまうと、皮膚の中に出ていくはずの汗がとどまってしまい、炎症になるのです。
これが結果的にかゆみや、赤くなってヒリヒリするといった症状となって現れます。
具体的にはいくつかの種類が分かれており、大きく分けると白いあせもは「水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)」と言い、ぽつぽつとした白い小さな水ぶくれがいくつかできるもので、かゆみなどの自覚症状が無いこともあります。
そして、赤みとかゆみがあるのが、紅色汗疹(こうしょくかんしん)と言います。
深在性汗疹(しんざいせいかんしん)というものもありますが、これは現在の日本で起きることはほぼありません。
あせもができやすい場所
あせもができやすい場所は、汗をかきやすい場所はもちろんですが、なかなか汗が引かない場所も注意が必要です。
例えば首や頭は汗をかきやすいですが、膝の裏や脇、お尻と言った部分は、汗をかいた後蒸発しずらく、蒸れやすい場所になるので、あせもができやすいです。
あせもができやすくなる要因は、単に汗っかきな人は当然なりやすいですが、例えば一気に汗をかいた後、通気性の悪い衣服で過ごすとか、なかなか汗が流れ落ちない高温多湿の環境に長い間いるというのも、大きな要因となります。
逆にあせもになりにくい人は、汗をかきづらい人、汗の量が少ない人です。
新陳代謝が良く、汗をたくさんかくのは良いことですが、あせもを起こしやすいことには、注意してください。
あせもが出来てしまったら
あせもは、原因さえ取り除けば、1週間もあれば自然と引いていきます。
汗をきちんと拭く、洗ってきれいにして、その部分に汗をかかないように過ごすとすぐ治ります。
また、例えば汗で濡れたままの服を着ていると、通気性も悪いのであせもになる可能性があります。
一度できると治るまでとてもつらいと思いますが、そのときに使うお薬は普通の軟膏で大丈夫です。
かゆみに効く市販のステロイド軟膏は、炎症を抑えてくれるのでかゆみもすぐ収まります。具体的にはフルコートFのような、一般的なもので問題ありません。
あせもが出来ても絶対かかないこと
一番注意して欲しいのが、あせもが出来たとしても絶対掻かないでください。
かいてしまうとどうしても傷になり、細菌が入り込んでしまって「とびひ」という病が起きます。正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言い、傷から細菌が入ることで、化膿する状態になります。
その化膿した部分をかいた手で、別の体の部位をかいたり触ったりすると、その部分の傷に細菌が入り、新たにとびひを作ります。
さらにこれは、何らかの原因で膿や菌が他人につくと、その人も発症するという、移る可能性があるものですので、あせも以上にとても厄介な病気です。
万が一、化膿したような状態になっている場合は、すぐに病院に行ってください。
このとびひについては、また今度詳しくお話していきます。
あせも予防は汗をかいても清潔に保つこと・汗をかかない事
あせもの予防は、治療と同じく清潔にすること、汗をかかない事に尽きます。
汗をかいても早めにさっとふき取るとか、こまめに着替える、シャワーを浴びると言ったことはもちろん良い予防になります。
とは言っても、こうしたことを徹底するのは、特にこれからの季節は難しいと思います。
便利なのが、よく売ってる水で濡れたハンカチで拭くと、体の表面の温度が下がって、汗の量を抑えられます。
また制汗剤、デオドラントグッズも、もちろん汗が出るのを抑えられるのでおすすめです。
デオドラント製品は、スプレーとかスティック、クリームタイプなどいくつかありますが、使い分けとしては、スプレータイプは汗をかいた後にさっと消すように使うもので、予防という意味では非効率です。
スティックやクリームタイプだと、効果が長続きするので、良い予防になります。不安な部分にあらかじめ塗っておくことで、汗を抑えたまま活動できます。
制汗剤などのアイテムを使う以外だと、やはり通気性のいい服を着るのも便利です。
逆に、肌に直接触れるようなアクセサリーを身につけていると、それによって起きる可能性があるので、それらを外すというのも、あせも予防になります。
そして、赤ちゃんや小さいお子さんの場合ですが、ベビーパウダーで予防する、と言う手もあります。
汗をかく前にベビーパウダーをつけると、後から出てきた汗を吸って、肌を乾かしてくれるのですが、汗をすでに多くかいているときに使うと、その汗を固めることになり、汗管を詰まらせる大きな原因になりますので、避けてください。