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今回は夏にも注意が必要な「低体温症」のお話。
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夏でも低体温症になる可能性が
「低体温症」というものがあります。
よく冬山や雪山の小屋の中で「寝たら死ぬぞ」というようなもので、文字通り体温が低くなって体の働きが落ちていって動かなくなるとか、そのまま意識を失って命を落とす、というような症状です。
これは夏でも起こり得る症状で、救急車で運ばれる方もそれほど珍しくありません。
今回はこの、夏場の低体温症というものについてのお話です。
深部体温が下がることで低体温症に
体温には、だいぶ前に少しお話しましたが「深部体温」というものがあります。
口の中や直腸から測るものですが、この深部体温が下がることで、低体温症となります。
初期症状は少し体が動きづらいとか、震えがひどく止まらなくなってくると言ったもので、進行すると手足の感覚がマヒして来て完全に動けなくなって意識を失う、という風になります。
人間の心臓は30度を下回ると不整脈などを起こし、場合によってはそれによって止まる、ということもあります。
そもそも体の臓器は、体温が低くなると様々な悪影響が出て、ひどいダメージを受けてるものですので、体温の維持は人間にとって非常に重要な要素を担います。
また、低体温症は体の動きも制限されるので、例えば山や川でそうなってしまうと一気に水流で遠くに流されてしまったり、転んだりといったことにもなるため、その危険もあります。
体が必要以上に冷やされて、体温が大きく下がる
夏場の低体温症で非常に良くあるのが、汗をかいたときの夜、寝るときだと思います。
寝始めは汗が冷えて、風が吹いて気持ちよく寝られそうな気がしますが、必要以上に汗が冷やされてしまって寒気を感じる、と言ったことがあると思います。
「汗冷え」とも言われるもので、これが進行すると低体温症となります。
例えば、川遊びで長時間入っていると、体温が大幅に奪われてしまって風邪を引くとか、低体温症のような症状が出ることもあります。
外が暑いと、冷たい川で長く遊ぶことも増えると思いますが、長時間入ると体はどんどん冷えていくという事です。
また、梅雨など雨降りの時、傘を持ってなくて服や髪が濡れた状態で少し雨宿りとしてスーパーなどに入ると、かなり強めに冷房がかかっているのでものすごく冷たく、寒く感じると思います。
これも当然、体温が下がっていきますので、そのまま長時間いると低体温症となる可能性は充分あります。
そして、この低体温症の怖いところは自覚症状が無い、という事にあります。
自覚が無いまま深部体温が下がっていき、突然動きが悪くなって震えがひどくなることがありますので、充分な注意が必要です。
低体温症にならないために
低体温症にならないためには、何よりも「濡れることで体温が奪われますので、とにかくそれを防ぐことをしてください。
例えば山や川で遊ぶときは、必ず着替えを持って行ってください。それも確実に足りる量がおすすめです。
普通に水で濡れることもありますが、汗で濡れた場合もさっとシャツを変えるなどをすると、非常に良い予防になります。もちろんタオルやハンカチで髪や体をこまめに拭くのも良いです。
これは単に外に出るのも同様で、先述のように雨で濡れる場合、ゲリラ豪雨や夕立で突然ずぶ濡れになってしまう可能性も無くはないため、出来るだけ着替えとか髪や体を拭けるタオルを持つことを意識してください。また、1枚上に羽織れる、軽いものを持っておくのも手です。
後は下着や肌着など、肌に直接触れるものの素材も、汗を良く吸って乾きやすいものを選ぶのがベストです。
持ち物が少し増えるので大変ですが、外遊びなどレジャーの時は、是非持っていってください。
低体温症かも思ったら
もし低体温症になった場合、低体温症かもと思ったら、まずはとにかく雨風をしのげる場所に行って、体温を上げてください。
ロッジや小屋はもちろんですが、車の中も充分有効です。
そして汗や水分を拭きとって、着替えて休んでください。
あと温かい飲み物を飲んで暖まるのも大切です。この時の飲み物はカフェインやアルコールは避けてください。暖まるので良さそうに見えますが、血流が変化してしまって逆に回復しづらくなることに繋がります。
なのでそういった影響がないものを飲むのがおすすめです。
最後に、低体温症がかなり進行したときに、入浴するとか、暖房で急激に温めるのは逆に危険なので、避けてください。
暖めようと暖房をつけたり、お風呂に入れても、最初に温度が上がるのは体の表面です。つまり体の中には冷たい血液がまだまだたくさんあり、その状態で急激に温めると、前述したように深部体温が30度になると心臓が止まってしまう可能性がありますので、冷えた血液が急激に心臓に集まり、心臓だけ一気に冷えることがあります。
ですので、軽く寒気がする程度でしたら大丈夫ですが、長時間寒いところにいて体温が著しく低い場合は、お風呂で急激に温めないで、着替えるなどでゆっくりと体温を上げてください。
もし深刻な低体温症の場合は、脇の下や鼠径部をカイロや湯たんぽで温めてください。
こうすることでゆっくりと血液の温度が上がるので、おすすめです。
もちろん、もし意識が薄いとか、震えがひどい場合は救急車を呼びましょう。