夏場は「とびひ」にも注意を
2026年も7月に入り、そろそろ夏本番といった時期になりました。
プール熱やヘルパンギーナ、溶連菌といった、夏になると流行る病がいくつもあり、voicyでも時折取り上げていますが、夏場に広がりやすく注意したい、とびひという皮膚の病があります。
正式には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と呼ばれる皮膚の細菌感染症で、虫刺されやあせも、擦り傷などと言った部分でかき壊してしまうことで細菌が入り込み、ジュクジュクとした傷や黄色いかさぶた、水ぶくれがどんどん周囲へ広がっていく病です。
そしてそれがまるで、火事の飛び火のように皮膚のあちこちへ症状が増えていくことから、とびひと呼ばれています。
このとびひは、夏場の多量の汗や虫刺されにより、皮膚に小さな傷ができやすく、そこへ細菌が感染することで発症しやすくなるという特徴があります。
今回はこのとびひについてまとめて行きたいと思います。
とびひの拡大に注意
とびひのきっかけとなるのはかゆみの症状ですので、とびひも初期症状としてはただの虫刺されに見えることも多いです。
しかし、少し赤いだけかなと思っていたものが、気づけば腕や足、顔などに広がっていたというのがとびひです。
種類としては水ぶくれが破れてジュクジュクした液が広がるタイプ、黄色いかさぶたが目立つタイプなどがありますが、どちらも大人よりもお子さんのほうに多いのが特徴です。
このとびひのもう一つの大きな特徴が、周囲にうつる可能性があるという点です。
空気感染はしませんが、患部から出る液には細菌が多く含まれているため、触った手やタオルなどを介して、他の場所や家族へ広がることがありますので、感染対策が必要な皮膚の病になります。
とびひの疑いがあるとき
とびひかもしれないと思ったときは、まずは患部をやさしく洗ってください。
ゴシゴシと洗うと皮膚を傷つけ、逆に悪化させることがありますので、泡でそっと洗ってください。
タオルで拭く時も決してこすらずに、軽く押さえる程度にします。
お子さんはかゆみで無意識に掻いてしまうことが多いため、可能であれば爪をこまめに切って短くしておくことも一つの手です。
すでにジュクジュクとした部分がある場合はガーゼなどで軽く覆って、他の皮膚や周囲へ広がらないようにします。
市販薬では抗菌成分入りの軟膏が使われることがあり、代表的なものではドルマイコーチ軟膏がベストです。
ただし、すでに広範囲へ広がっている場合や、黄色いかさぶたが増えている場合、顔や目の周囲に症状がある場合は、皮膚科を受診した方が安心です。
また万が一発熱など、全身で症状が起きているような場合もすぐにお医者さんにかかっていただければと思います。
処方されるお薬は症状に応じて、抗菌薬の塗り薬や飲み薬があると思いますが、これは決して途中でやめずに、お医者さんの判断に従ってください。
皮膚の病ですので、見た目が少し良くなると治ったと思い、使うのをやめたくなりますが、細菌が完全にいなくなる前に中断してしまうとすぐに再発したり、お薬が効きにくい細菌が生き残ってしまうことがあります。
ですので、処方されたお薬は必ず、医師の指示通りに最後まで使い切ってください。
周りの感染対策も欠かさずに
そしてとびひは、広げないという意識も治療の一部になります。
本人の体の中で広げないことはもちろんですが、家族へ広げないことや、周りの人へ広げないことも大切です。
例えば薬を塗った後やガーゼ交換の後には、しっかり手洗いを行って、タオルや寝具の共有も避けてください。
そして保育園や学校への登園、登校については施設ごとにルールが異なりますが、基本的にはきちんと治療していること、患部を覆えていること、本人が元気であることが前提条件になります。
もしジュクジュクした範囲が広かったり、熱があるとかぐったりしている場合には決して無理をさせず、安静にしてください。
また、プールも基本的に控える必要があり、肌の接触やタオルの共有などで広がる可能性がありますので、少しの間は我慢していただければと思います。
最後に、とびひは子どもに多い病気で、かき壊して起こる病ですが、かいたから悪いと言えるものではありません。
かゆみを我慢するのは大人でも難しく、子どもならなおさらですので、かいたことを責めないで、爪をこまめにチェックして短くするとか、症状がある部分をガーゼで保護するなど、広がりにくい環境を作ってあげて、素早く回復させていくのが大切です。
