夏場はドライマウスにも注意
気温や湿度が上がり始めるこの時期、よく口が乾くとか、夜中に水を飲みたくなると感じる人が増えてきます。
最近来た患者さんでも、そうおっしゃっていた方が来たことがありますが、これはいわゆる「ドライマウス(口腔乾燥症)」と呼ばれる状態です。
ドライマウスとは、単に口が乾くだけの問題ではありません。
今回は今一度気を付けておきたい、ドライマウスについて取り上げて行きます。
ドライマウスとは
ドライマウスとは、口が乾く以外にも、口の中が不自然にネバネバしたり、パンやクラッカー、バームクーヘンといった口の中の水分を奪われやすい食べ物が食べづらくなったりする、というのも該当します。
また、口臭が気になったり、飴やガムが手放せなくなったりするケースもあります。
ドライマウスは、正式名では口腔乾燥症と言い、単純に口の中の唾液が足りないという状態を指します。
唾液は単なる水分ではなく、食べ物を飲み込みやすくするとか、口の中を洗い流す、虫歯や歯周病を防ぐなど多くの重要な役割を担っています。
人間が持つ洗浄液のような存在ですので、唾液が減ることで虫歯や歯周病、さらには口腔カンジダ症のような感染症につながることもあるため、実はかなり重要な病になるのです。
お薬や持病に由来するドライマウスも
ドライマウスの原因は、加齢や更年期によるものと思われがちですが、実際にはさまざまな原因が隠れていることがあります。
例えば服用中のお薬が原因の、薬剤性のドライマウスや糖尿病による水分不足、鼻が詰まって口呼吸になることで、口が必要以上に乾いてしまうのもドライマウスになります。
意外と多いのが薬剤性のドライマウスで、口の乾燥に関係する薬は数百種類あるとされ、特に花粉症や鼻炎で使われる抗ヒスタミン薬や風邪薬、睡眠薬、抗不安薬や抗うつ薬、さらには高血圧治療薬、利尿薬、胃腸薬まで、身近な薬でもリスクがあるとされています。
これは薬の作用の延長線上で起こる副作用の一つとしてドライマウスがあるため、飲み始めてから気づく場合や、長く使ううちに慣れてしまい、原因に気づかないというケースもあります。
ただし、口が乾くからといって自己判断で薬を中止するのは危険ですので、気になる場合は薬剤師や主治医へ相談していただければと思います。
もう一つドライマウスが起きやすいのが、更年期によるものです。
女性ホルモンの変化によって、口の乾きや舌のヒリヒリ感、味覚の変化が起こるということがありますのでこれも年のせいと決めつけず、更年期対策をして解消していくのが良いかと思います。
シェーグレン症候群によるドライマウス
ほかには、ドライマウスの背景には病気が隠れている場合があり、前述した糖尿病でも、血糖値が高い状態では体内の水分バランスが崩れることで、強い口渇が出ることがあります。
また、自己免疫疾患の一つであるシェーグレン症候群というものもあります。
シェーグレン症候群とは、アレルギー反応のようなもので、ドライアイとドライマウスが同時に起こることがあり、例えば食事が飲み込みづらい、急に虫歯が増えたといった症状が突然起こることがあります。
この時は内科のお医者さんに相談に行くのが確実ですので、検討してみてください。
まずは持病と服用中のお薬の確認を
ドライマウスかもしれない、と思ったときは、まず今のお薬や病気が関係していないかを確認してみてください。
前述のように、糖尿病などの病がある場合は、その治療と改善をしていくと、ドライマウスも解消していく可能性が高いです。
そのうえで、日常生活心がけることとしては、やはり水分補給と、口を潤すこと、唾液を出す工夫が基本になります。
水分補給は一度に大量に飲むのではなく、朝起きた時、食事中、外出前、入浴前後、就寝前と、少量ずつこまめに飲むのが効果的です。
飲むものは出来るだけ水か麦茶で、コーヒーや緑茶のようなカフェインが入っているものだと利尿作用がありますので不向きです。
もう一つ、唾液を出す工夫としては、シュガーレスガムやシュガーレス飴が便利です。
糖分入りのものを食べると、虫歯や糖尿病のリスクになるため、出来れば糖分の無いものがあると便利です。
もしすでに、口の乾燥があるというときは、虫歯や歯周病のリスクが高いですので、歯磨きと同時にデンタルフロスや洗口液を活用して、口腔ケアも丁寧に行うのがとてもおすすめです。
ドライマウスは「年齢だから仕方ない」と放置されがちですが、背景に薬や病気が隠れていることも少なくありません。気になる症状が続く場合には、歯科や内科、薬局で一度相談してみることが大切です。
