これからの季節、レジャーで温泉やサウナ、スーパー銭湯などを利用する機会が増えると思いますが、その中で知っておきたい感染症の一つがレジオネラ症です。
最近でも、岡山県の温浴施設でレジオネラ属菌が検出された事例が報じられたほか、全国各地で発生が確認されています。
今回はこのレジオネラについて、詳しくまとめてみたいと思います。
レジオネラ属菌とは
レジオネラ症とは、レジオネラ属菌によって引き起こされる感染症のことです。
症状としては肺炎を起こすタイプの病で、主な感染経路は汚染された細かい水しぶきや蒸気を吸い込むことによって起こるため、温泉やサウナ、ジャグジー、プール、噴水、ミスト設備などで感染リスクがあります。
菌そのものは、自然界の水にも存在するものですが、清掃や消毒、水の入れ替えが不十分な人工的な水回りだと、菌が増殖してしまい、発症する危険があります。
レジオネラ症の症状
レジオネラ症は、風邪やインフルエンザに似たものが初期症状となります。
高熱、寒気、筋肉痛、頭痛、強い倦怠感などが出た後、咳や息苦しさ、胸の痛みといった肺炎症状へ進行し、。さらに悪化すると吐き気、下痢、意識障害などが現れることもあります。
レジオネラ症で最大の問題になるのは、普通の風邪だと思って受診した場合、レジオネラ症だと疑わなければ適切な抗菌薬治療につながりにくいという点です。
レジオネラ属菌には、一般的な肺炎治療で使われる薬が効きにくいケースがあり、診断が遅れることで重症化することがあるのです。
レジオネラ菌は感染から発症まで、通常2日から10日ほどかかるため、温泉やサウナを利用した後に発熱や咳、息苦しさが出た場合は、最近温浴施設を利用したと医療機関で伝えることが極めて大切です。
傾向としては、50歳以上、喫煙者、糖尿病のある方、慢性肺疾患を持つ方は重症化しやすいため注意してください。
高齢者の場合だと典型的な高熱が出ないこともあり、なんとなく元気がないとか食欲が落ちた、ぼんやりするといった変化だけで始まるケースもあります。
温泉やサウナの利用から1週間ほどは、軽い体調変化でも意識しておくのが安全です。
レジオネラ症の感染経路と予防策
レジオネラ症は前述のように、人から人へ感染する病気ではありません。
つまり、コロナウイルスやインフルエンザウイルスのように、人から人へうつるというものではなくわけではなく、あくまで汚染されたエアロゾルを吸い込むということで感染します。
ですので、問題になるのは施設側の衛生管理であり、防ぐためには汚染されていない施設を使う、ということに尽きます。
言い換えれば、レジオネラ菌に家庭の浴室などで感染することは非常にまれで、古い循環式の、24時間風呂に入れるようにしている場合などでは菌が増殖する可能性がありますが、おそらくほぼ無いかと思います。
公共の温浴施設は法律に基づいて厳格な衛生管理が行われているため大半のところでは安全ですが、それでも年間を通じて発生事例がゼロにはなっておらず、時折感染が報告されています。
利用者側としては、設備の清潔感や管理状況を確認して、衛生管理がしっかりしている施設を選ぶことが最大の予防につながります。
ほかには海外などの古い宿泊施設の一室などで、しばらく使われていないシャワーや水回りから感染することもあります。その場合には、使用前にしばらく水を流してから利用するのが安全です。
繰り返しになりますが、症状が出たと思われるときは、直近で温泉やプール、外のシャワーやお風呂設備を使ったかどうかを確認してください。
レジオネラ症は、早期に適切な抗菌薬治療を受ければまず問題ありませんが、発見が遅れると重度の肺炎につながる可能性がありますので、心当たりがある時はすぐに病院にその旨を相談していただければと思います。
