右脇腹の激痛は胆石?胆嚢トラブルと初期サイン#963

胆石とは

最近、自分が子どもの頃に読んだ漫画を見直してみました。

その中で、持病の癪(しゃく)が、という表現がありました。

癪という言い方は、自分が生まれる前ぐらいの時代劇などで使っていたような表現で、よくよく思い出してみると胆石や胆石の発作のことを指す言葉でした。

胆石というと、耳にすることはあっても、きちんと説明される機会は意外と少ないと思います。

今回はこの懐かしい言葉をきっかけに、胆石がどのようなものなのか、まとめてみたいと思います。

胆嚢の働きと胆石ができる仕組み

胆石とは、胆嚢(たんのう)という臓器の中にできるもののことです。

胆嚢は肝臓で作られた胆汁を一時的にためておく小さな袋のような臓器で、脂っこい食事をとったときに収縮して胆汁を出し、脂肪の消化を助ける役割があります。

この胆汁の成分が固まり、石のようになったものが胆石です。

最も多いのはコレステロール胆石で、胆汁中のコレステロールが多すぎて溶けきれなくなり、結晶化して大きくなったものです。

そしてもう一つ、色素胆石と呼ばれるものもあり、これは溶血性貧血や肝硬変などが背景にある場合にみられます。

胆石ができやすい人は、前回のコレステロールが多めの人はもとよりですが、女性は女性ホルモンの影響でできやすく、また急激なダイエットによって胆石が溜まってしまう、ということもあります。

また、冬場のほうが運動量が落ちたり、食事に油ものが増えるなどで胆石ができやすく、胆石の発作が起こりやすいのは冬が終わった後の夏場と言われています。

もちろん、石も発作も、食事や生活リズムや生活習慣によるところが大きいですが、目安として注意してみてください。

胆石が引き起こす症状と注意すべき発作

胆石は、できたとしてもほとんどの場合は症状がありません。

ただし、胆石が胆汁の出口をふさいでしまうと、徐々に大きくなったり数が増えてしまい、胆汁が流れなくなります。

そこで、強い痛みを伴う胆石発作が起こります。

右上腹部に突然激しい痛みが出て、背中や右肩に広がり、吐き気を伴うこともあります。

冒頭に書いた、昔の時代に「癪」と呼ばれていた状態は、短時間で収まるようなケースが多いですが、基本的には発作は長時間続くことが多く、非常につらい時間になります。

さらに悪化することで、胆嚢炎や胆管炎となり、発熱も出て、緊急対応や手術が必要になっていきます。

強い痛みが出たときは、我慢せず早めに医療機関を受診することが重要で、あまりにも激しい場合は救急車を呼んで大丈夫です。

胆石の治療と日常生活での予防

症状を起こした胆石の治療は、基本的に摘出する手術しかありません。

胆石を溶かす薬を使うとか、手術せずに砕くという治療もありますが、それらは再発しやすいため、現在はあまり一般的ではありません。

ですので既に症状が出た場合には、手術で取り除くのがベストです。

胆石の予防としてポイントになるのは、前項でも書いた急激なダイエットを避けることで、急激な体重減少は胆汁が濃くなってしまい、胆石をできやすくします。

ペースとしては1カ月で1キロ落とすぐらいの、ゆっくりなペースだと安全です。

そしてもう一つ、朝食を抜くことでも胆汁が濃くなりやすいので、注意してください。

次に食事については、やはり脂ものが危険ですが良質な脂は必要ですので、お魚やオリーブオイルのようなもので脂質を摂っていくのが安全です。

そして水分をしっかりとることも重要で、夏場のこまめな水分補給が、胆石予防にもつながります。

また当然、脂質異常症や糖尿病などの基礎疾患がある場合は、それらをきちんとコントロールすることも大切です。

ちなみに個人的に、コレステロールが高い上に、胆嚢が委縮してるという体質ですが、実は断食が原因ではないかと言われたことがあります。

もし何らかの持病がある場合は、しっかりと注意してコントロールしていただければと思います。

また、もしすでに痛みを感じる場合なども、突然大きな発作が来ることがありますので、定期的にエコー検査を受けてください。

胆嚢をとるという選択

最後に、胆石の問題が起きると、胆嚢を摘出するという選択肢も出てきます。

胆嚢は取り除いても大きな問題は無く、消化管の中に油を分解する酵素、つまり胆汁が分泌され続ける、という状態になります。

以前よりも若干、お腹がゆるくなりやすくなる程度の副作用で、日常生活には全く支障が無いため、場合によっては胆嚢を取り除くという選択も考えてみると良いかもしれません。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属