カリウムの数値が高いときは
2025年が終わり、2026年最初の配信となりました。
年末に頂いたコメントにて、定期的に行っている血液検査でカリウムの数値だけ高くて悩んでいる、といったものを頂きました。
カリウムは高すぎると命に関わるもので、安定した数値に収めることが大切になりますが、その働きはあまり知られていないと思います。
今回はこのコメントから、カリウムについてお話していきたいと思います。
カリウムの働き・数字が高く出る理由
カリウムとは、簡単に言うと体の中で電気のスイッチのような役割を担う、ミネラルの一つです。
代表的な働きが心臓のリズムを安定させるという役割で、カリウムの数字が高すぎても低すぎても心臓に影響が出るという特徴があります。
血液検査でいうと、一般的に3.5〜5.0程度が正常範囲で、5.5を超えると高カリウム血症となり、6.0を超えると深刻な状態で要治療という状態になります。
ただ、血液検査でカリウムの数字が高く出たとしても、必ずしも体の中で本当にカリウムが多いとは限りません。
その原因は主に3つあり、最も多いのがある意味で罠とも言える、偽性高カリウム血症と呼ばれる、採血時の条件によって数値が高く見えてしまうというものです。
血液やカリウム量自体は正常で健康なものの、血管が細いとか、長時間腕を強く縛られてしまう、必要以上に強くグーパーを繰り返すといったような、採血が難しく血液の取り方に問題があると、筋肉や赤血球からカリウムが血液中に漏れ出ることがあり、一時的に高く測定されることがあります。
これはあくまでも一時的なものですので、再検査をすると正常に戻ることが多いため、過度に心配する必要はありません。
その次に多いのが、腎臓の問題によるものです。
腎臓は体内の余分なカリウムを尿として排泄する役割を担っていますが、慢性腎臓病などがあるとその機能が弱まり、体内にカリウムが溜まりやすくなることで数値が高くなっている恐れがあります。
3つ目が、一部の降圧薬や腎臓に作用するお薬によって、カリウムが上がっている可能性です。
他の検査結果の数字と見比べてみる
以上を踏まえて今回のコメントの方を見てみると、詳しい状況は不明ですが、他に持病や症状もなく、また他の検査数値もあまり悪くないということを考えると、例えば検査日当日や前日から摂取した水分量が少ないとか、前述のように筋肉を過度に動かしてしまって、カリウムが少し出過ぎてしまった状態で採血をした、という可能性があるですので、あまり気にしなくて良いとは思います。
カリウムの数値は脱水や体調不良、発熱時などでも、一時的にカリウムが高く出ることがあるため、単純な結果の数値だけで判断せずに、腎機能の検査値や、実際の症状の有無もあわせて確認することが大切です。
例えば心臓の症状で、動悸や違和感、息苦しさを覚えていて、カリウムの数値が高い場合は、本当に高くなっている可能性があり、逆にそうした症状もなく、また他の数値もそれほどおかしくない状態で、カリウムだけが高い数値の場合は、たまたま出てしまった、と思っても良いかと思います。
再検査の結果、それほど数字が高く出ないということもありますので、受けるのも一つの手です。
カリウム制限をする目安
最後に、カリウム制限についてですが、本来、カリウムは体にとって必要なミネラルの一つであり、健康であれば日常生活で過度に制限する必要はありません。
ただし、腎臓の機能が弱っている方で、数値で言うと5を超えていて再検査しても変わらず、働きも目に見えて弱ってきている場合などでは、カリウム量を考えた食事内容に見直す必要が出てきます。
そこでポイントになるのが、健康そうなものほどカリウム量が多いということです。
例えば青汁や野菜ジュース、減塩しょうゆや減塩みそといったものは、文字通り塩分が少ないのが特徴ですが、それは塩化ナトリウムが少ないことを意味しており、その代わりに塩化カリウムというカリウムが多く含まれているのです。
こうした健康そうに見える食品でも、カリウム量を考えた時には充分に注意する必要があります。
また、野菜や芋類は、一度茹でてお湯をすてる、茹でこぼしを行うことでカリウムを減らして摂取することができます。
もう一つ意外なポイントが、便秘もカリウム上昇の一因となるため、排便習慣を整えることもカリウム量の調整につながります。
最後は、脱水せずにこまめに水分をとるとか、採血中のグーパーの動きを少し減らしてみることも解消になるかと思います。
もし可能であれば、カリウムの数値が高く出た時の状況や過ごし方、食事などを思い返して、記録しておくと、今後に役立つかもしれませんので、試してみていただければと思います。
