錠剤を粉にするアイテムが話題に
最近SNSで、錠剤のお薬を砕いて粉にするというグッズを見かけました。
錠剤が飲みにくいという方でも、飲みやすくするというものですが、お薬によっては錠剤のものを砕いて飲むと危険な場合もあるため、薬剤師としては辞めて欲しいことの一つです。
今回はこのことから、お薬の種類や飲み方について、今一度お伝えしていきたいと思います。
錠剤を砕くと効果に影響が出るおそれが
錠剤が飲めないという方は、例えば高齢者や嚥下機能が低下している方、あるいは薬の副作用などで錠剤を飲むのが難しい場合かと思います。
例えば介護施設では、飲み込めずに舌の裏にずっと置いておいてしまうということもあり、施設の方が砕くケースうもありますが、実は基本的には錠剤を砕くのは、薬の効果に大きな影響を与える可能性があり、危険なのです。
例えば、フィルムコーティング錠は薬の苦味を抑えるために作られており、粉砕すると強い苦味が出てしまい、レバミピドというお薬などは、砕くとより一層飲みにくいお薬になります。
また、徐放性製剤という、成分をゆっくり放出することで1日を通して安定した効果を得られる薬もありますが、粉砕すると成分が一気に放出され、効きすぎてしまい危険な事態になることもあります。例えば血圧の薬などの場合では、急激に効きすぎることで失神するリスクも起きます。
逆に、腸溶錠のような、成分が胃酸に弱いために腸で溶けるように特殊なコーティングが施されている薬は、粉砕すると本来の効果を発揮できず、効き目が大幅に低下することもあります。
こうしたことはお薬それぞれが持つ特徴ですので、実はお医者さんであっても、知られていないこともあります。
ですので、飲みづらい時は必ず薬剤師に相談してください。
ゼリーやオブラートの活用も
薬剤師に相談していただけると、同じ効果で別のお薬に変えるということも可能できますので、お薬に関する相談があれば、是非言ってください。
もし、どうしても自力で対処したいという場合は、砕くのではなく、オブラートや商品名で言うとお薬飲めたねのようなゼリーを使ってみてください。
もっと簡単な方法だと、コップに入った水の中に錠剤を入れ、素早くそのまま一気に飲み込むのもひとつの方法になります。
処方された錠剤が飲みづらい時は、応急処置的にこうした飲み方を試すか、それでも難しい時はすぐに処方された調剤薬局などに連絡したいただければと思います。