加齢とともに脂っこいものが食べづらくなる理由
先日、家で唐揚げをたくさん食べる機会があり、次の日の夜が凄く辛くなって、お薬を飲んで楽になったということがありました。
加齢とともに、脂っこいものを受け付けなくなる、ということがありますが、その具体的な仕組みについて、まとめて行きたいと思います。
消化機能が衰える
加齢とともに脂っこいものが食べづらくなるのは、簡単に言えば消化機能が衰えるためです。
特に脂肪分は、胃の次にある十二指腸に送られて、そこから脂肪吸収を促進するホルモンが出て吸収されて行きます。
しかし加齢とともに、脂肪の吸収に時間がかかるようになり、十二指腸の中に脂肪分が長時間とどまることになります。
すると、その間は脂肪吸収を促進するホルモンが分泌され続けますが、このホルモンは胃の運動を抑えるという副作用があります。
これにより、胃による消化にさらに時間がかかり、胃の中に留まることになります。
これが、加齢による胃もたれの一因なのです。
さらに、胃の中に食べ物があるということは、消化のために胃酸を分泌し続けますので、胸やけのリスクも上がるうえに、食道の筋肉も加齢によって衰えていると、胃酸が逆流して逆流性食道炎につながります。
若いころは、胃から十二指腸への消化が素早いため、胃もたれや胸やけのリスクは低いのです。
一時的な解消には胃酸を抑えるお薬を
この胃もたれを解消するには、応急処置的にはなりますが、胃酸を抑えるお薬を使うと、ある程度楽になります。
胃酸を抑えつつ、胃の働きを活性化させる胃薬や、漢方系の胃腸薬があると便利です。
もし慢性的に起こるような場合は、機能性ディスペプシアという別の病の可能性があります。
その原因は加齢よりも、ストレスや生活習慣の乱れによるところが大きいですが、見分けるのは非常に難しいため、もし治りが悪く、おかしいと感じたらお医者さんに診てもらってください。
そして、胸やけが重い感じがする場合は、胃潰瘍や十二指腸と言った深刻な病の可能性もあります。
この場合は脂っこいものはあまり関係なく、単に胸やけが治らないとか、痛みがサインですので、その場合は消化器科の病院に行くのがベストです。
食べた直後は横にならない・消化を助けるものを一緒に食べる
胃もたれや胸やけがするのを防ぐのは、加齢のこともあるため難しい部分もありますが、ポイントとしては、食べたすぐ後に横にならないようにするのも、予防の一つになります。
食後2、3時間は横にならず、起こしたままでいると、胃酸が逆流せずに、胸やけを防げます。
次に、消化を助けるものを一緒に食べるのもとてもおすすめです。
例えば唐揚げにレモンやハンバーグに大根おろしなどが付け合わせであると思いますが、これは薬味であると同時に栄養面でも非常に健康的で、消化に良いという特徴があります。
また自分で調理をする場合は、サラダ油ではなく亜麻仁油やオリーブオイルに変えるのももちろん予防になります。
脂っこいものは出来るだけ控えるのが最善ですが、このようにいくつかの予防策を使って、上手に無理なく食べるというのも、考えてみてください。