発達障害とは
最近社会問題化しているというか、表面化してきている問題の一つに、発達障害やADHDがあります。
SNSのプロフィール部分に記載している方も増えてきており、これらの言葉を目にする機会も多いかと思います。
今回は、うつ病のような精神的な病とは大きく違う、発達障害という障がいの一つについて、まとめていきたいと思います。
脳の機能の発達に障がいが
発達障害とは、文字通り脳の発達に関して起きる障がいのことで、脳が複雑な構造をしているように、発達障害にも非常に様々なパターンがあり、複雑な問題になっています。
まず代表的なのが、言葉の発達の遅れやコミュニケーション能力が著しく低いといったものです。
特にお子さんだと症状が顕著に表れ、特に小学校入学ぐらいの年齢になるとお子さん同士でのコミュニケーションが活発になり社会性が上がるため、学校生活で問題が生じるケースもあります。
そのほかで具体的に言うと、例えば一つの物事へのこだわり、興味関心が特に強かったり、集中力が著しく低い、頭の回転は速いのに読み書きや特定の計算だけが大きく苦手などがあります。
逆に言えば、計算や読み書きが非常に得意で周囲より秀でているのに、コミュニケーション能力は著しく低いというケースもあり、一概に知能障害や学習障害=発達障害ということではありません。
発達障害は親御さんや保育士、教師といった周りの大人の方による教育や、育つ環境によって起こるものではなく、本人が生まれ持った脳の特質によって起きていることです。
これらは広義では発達障害になりますが、症状ごとに正式名が決められており、有名なのだと自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、チック症、そしてタイトルにもあるADHDなどが挙げられます。
もしやと思ったときは「発達障害支援センター」に
特にお子さんが発達障害の傾向にある場合は、前述のようにコミュニケーション能力の影響から学校生活に問題が生じることがあるため、できるだけ早いサポートをしていくことが重要になります。
早い段階でサポート、支援することができれば、学校生活の難しさから不登校になったり引きこもりになったり、といったことを大きく防げます。
具体的には、各市町村に設置された、発達障害支援センターに相談しに行ってください。
発達障害支援センターでは、日常生活の中で気を付ける部分などの簡単なアドバイスから、適切な医療、福祉と連携して支援するといったことまで可能です。
例えば学校生活に不安がある場合では、一般のお子さんに合わせた通常の学校教育、学習ではなく、その障がいの特徴に合ったスピードと方法で学習していけるように指示してくれたり、後述しますが症状を和らげるための医療を受ける手助けなども可能です。
発達障害は一つの個性ですので、そこを上手く活用できる環境に繋げることで、社会でも活躍できるように成長できます。
注意深く観察して判断を
もし、お子さんが実際に発達障害かもしれない、という判断の仕方ですが、やはり行動を注意深く観察することに尽きます。
例えば同級生など他者とのかかわりが少なく、一人でいることが多いとか、他人とのやり取りでも上手く言いたいことが伝わっていないような、会話がおかしくなっていないかといった部分を注意深く観察してみてください。
また先生の指示が伝わりにくいとか、授業中でも落ち着きがないとか、思いやりのない言動や行動が多いのも特徴の一つです。
ただ、こうしたことだけでは見分けるのは非常に難しく、性格による部分も当然あるため、一概に発達障害とは言い切れません。
そのほかだと、前述のように一つの物事へ異常にこだわりを見せるとか、一つのことに他のものが目に入らないほど集中して没頭するとか、逆に物事に全く集中できないのも特徴です。
強いて挙げると、極端に表れるが一つのポイントで、例えば極端な偏食があったり、何かを極端に怖がる、大きな音を嫌がるといった症状は発達障害の大きな特徴になります。
学習面でも同様で、頭の回転は早く、難しい漢字が分かったり計算も素早いのに、ある特定の作業だけ極端に苦手とか、解決が遅いということもあります。
お薬で発達障害に付随して起きる症状を緩和する
発達障害とは、生まれつきの脳の障がいですので、治療して回復することは出来ません。
ただ、その障がいに付随して起きる症状を、お薬で緩和していくということは出来ます。
例えばふとしたきっかけで感情が昂ぶり過ぎてしまうというような場合では、鎮静剤をあらかじめ飲んでおいて症状が出るのを防ぐとか、落ち着きが無い場合は集中力を高める薬を使うこともあります。
症状が重い場合、日常生活に支障が出る症状がある場合では、お薬で症状を和らげることも可能です。
障がいという個性
最後に、今回取り上げた発達障害に限ったことではありませんが、「障がい」というものはその人を表す一つの個性です。
職業柄もあり、発達障害限らず障がいのある方と触れる機会も多く、また自分の知り合いでも、障がいのある方を積極雇用している会社を経営している方も居ます。
普通の人ではすぐ疲れてしまう集中力のいる作業でも、一つの物事に没頭して、集中して取り組む作業に秀でていれば難なくこなせるなど、活躍できる場はどこかに存在します。
発達障害をむやみに治したり矯正しようとせずに、一つの個性ととらえて、それを上手く伸ばして活躍できるように考えていくのがベストかと思います。