梅雨時期こそ対処しておきたい「カビ」
九州、関西、関東と、今年も「梅雨」の季節を迎えました。
この時期は湿度が上がり、家の中のあらゆるところに「カビ」が生える時期でもあります。
カビは、平たく言えば菌類のうちの「真菌」の一つで、前回の水虫やカンジダの菌と実は同じタイプになります。
カビは体に様々な悪影響を及ぼす一方で、食品にも登場してくる存在です。
今回は今一度気をつけておきたい、カビについてまとめて行きます。
カビの役割
「カビ」の種類は大きく3つあり、糸状菌、きのこ、酵母です。
どれもジャンルが違うように思われそうですが、この3つは全て「カビ」と言われるものです。
簡単にまとめると、まず糸状菌(しじょうきん)は、ミカンなどに生えるカビで、きのこは文字通り、しいたけやしめじと言ったきのこ類全般、酵母はビールなどのお酒、味噌や醤油やチーズと言った発酵食品に使われる成分のことです。
カビは自然界に存在する菌で、様々なものをバラバラに分解するという働きを持ちます。
木や草、葉と言ったものを、様々な栄養素レベルにまで分解するのがカビの役割で、あらゆるものをいわゆる「土に還る」状態にするために働きます。
分解され、土の中に栄養素が入り、水や日光と共に再度様々な植物などに巡り、循環していきます。
カビはこの循環にとって、欠かせない存在の一つなのです。
カビが引き起こす病気
自然にとってはかなり重要なカビですが、人体にとっては割と厄介な存在でもあります。
前回の水虫などももちろんですが、例えば吸い込むことでアレルギー反応が起きて鼻炎の引き金となるとか、夏型過敏性肺炎という、咳や痰、発熱と言った症状が出ることもあります。
夏型過敏性肺炎はカビの胞子を吸い込んでからわずか数時間後に症状が出る病で、時期的にも夏風邪と酷似しているため、肺炎ということに気づきにくいという特徴があります。
家にいる時間が長い時に症状が出て、旅行中など外にいる時間が長ければ症状が出ない、というときは夏風邪ではなく夏型過敏性肺炎の可能性があります。
さらに近年「気管支肺アスペルギルス症」という病が流行しています。
主にエアコンの中でアスペルギルスというカビの一種が繁殖して、エアコンをつけることでこのカビが空間に漂い、胞子を吸い込むことで発症します。
しかもこの胞子が肺に定着してしまい、免疫力が下がると咳や発熱と言った症状が慢性的に起こるようになってしまいます。
こまめなカビ予防を
カビ予防についてですが、まずカビそのものについて知っておくことが大切です。
カビは「水分」が何よりも重要で、逆に言えば熱や乾燥に弱い存在になり、生きれるのはみかんの皮などのような、ものの表面です。
そしてカビが該当する真菌はいわば発達した菌で、一般的な乳酸菌や大腸菌では不要な「酸素」を必要とする菌です。
そして、菌であるものの、発達した菌で強力なため、一般的な消毒用のアルコールで殺菌するためには30分ほどアルコールに付け込まなければ、殺菌できません。
これらの特徴を踏まえたうえで、個別に対策していくことが重要です。
今回のタイトルにもある、梅雨時期のカビ対策ですが、最も重要なのが「窓と壁の結露を拭きとる」ことです。
窓は水滴がつきやすい上に、カビの栄養分となる様々な汚れも簡単につく部分ですので、非常にカビが生えやすい場所となります。
その上、初夏を迎えてそれなりに温度も上がって来るとなおさら生きやすい環境になり、カビがどんどん増殖していきます。
そこで、結露が溜まりやすい窓や壁をこまめに拭いて、きれいにすることがカビ対策になります。
エアコンは送風運転をして乾燥させる
エアコンの内部はカビが生えやすい場所として有名ですが、エアコンの乾燥は「送風運転」をすることで出来ます。
月1回、3時間か4時間ほど、冷房を止めて送風運転にすることで、エアコン内部の水分を乾かすことができます。
ちなみにエアコンにクリーン機能がついているものもありますが、クリーン機能がオンになった時は冷房が止まり故障を疑われるため、出荷状態から特に設定を変えていなければオフのままのことが多いです。
ですので、今一度設定を確認してみて、機能が搭載されているかどうか、そして機能がオンになっているかどうかをチェックしてください。
カビと言えばもう一つ、お風呂場の黒カビも掃除が必要ですが、この時は一旦お風呂場を完全に乾燥させてから行ってください。
濡れたまま、水分がある状態で掃除をしても、なかなか死なず、完全には取り除けないため、一旦完全に水分を無くして、乾燥させてから掃除するようにしてください。
乾かしてから、防カビ剤をカビに浸します。
キッチンペーパーなどに防カビ剤をつけ、それをカビ部分につけて、さらにその上にラップを張って空気を押し出して密着させます。
これで3時間から4時間ほど放置すると、黒カビがきれいにとれますので、試してみてください。