いろんな痛みの対処法#296

Voicy更新しましたっ!

今回は痛みについての話。

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体が感じる「痛み」

前回、舌がんのお話の中で、口内炎は強く痛んで、がんは徐々に痛んでくる、という事を軽く触れました。

炎症の痛みに限らず、体はあらゆる原因で「痛み」を発します

ここから痛みについて、何回かに分けて詳しくお伝えしていきます。

 

痛みは、生き物に対する「警告」

医療用語で、バイタルサインというものがあります。

体温、脈拍、呼吸状態、血圧の4つが体の示すサインと言われていますが、痛みはこれに次ぐ5つ目のバイタルサインと言えます。

なので痛みはかなり重要な意味を持ちます。そして、痛みは部位や神経で起こりますが、認識するのは脳ですので、脳が痛いと感じないと分からないのも特徴です。

痛みがあればまずはやはり、それを取り除くことを一番に考えてください。

原因は体の異常や炎症を伝えるものと、神経に傷がついていたり、圧迫されて痛むものの2種類があります。

 

侵害受容性疼痛と神経傷害性疼痛

具体的に言うと、異常や炎症を伝えるものは「侵害受容性疼痛」と言います。例えば虫歯の痛みとか、手や足を切ったときのような怪我による出血のことです。

もう一つ、神経の痛みとなる神経傷害性疼痛は、坐骨神経痛などが代表的で、虫歯や怪我と違って外から見ても分からないのが大きな特徴です。電気が走ったようなビリっとした痛みや、しびれなどもこれに当てはまります。

そして、心因性疼痛というストレスなど心の問題で起こる痛みもあります。

例えば、学校に行きたくなくておなかが痛くなるなど、異常はないけどストレスによって痛みが出る、ということもあります。また脳に原因がある筋繊維痛症などもこれらとは別の痛みですが、神経の痛みについてはまた今度触れて行きます。

最も代表的な炎症、歯の痛みなどの場合、どうしたら良いかという事ですが、場所がはっきりしている場合は、一般的な痛み止めがおすすめです。

 

原因がわかっている「体性痛」なら痛み止めが有効

普通の虫歯のような、炎症が起きていて場所もわかるとか、さらに原因まで分かっている場合は「体性痛」という痛みで、こういった場合はバファリンやロキソニンと言った市販の痛み止めが効果的です。

これらは炎症を抑えることが出来るので痛みは軽減できますが、原因はしっかりと治療しないと治りません。

なので痛みを取るのと同時に、原因をきちんと把握して、治していくことが必要です。

 

お腹の痛みのような「内臓痛」

怪我や虫歯、また神経痛とも違うおなかの痛みは「内臓痛」というものです。これは例えば肝臓や腎臓で炎症が起きているとか、出血が起きているなどの場合です。

また胃腸の痛みや、その中が詰まってしまった場合の痛みもあります。

まず胃腸ではなく肝臓など内臓の場合はがんの可能性があります。

肝臓などは、例えそのもので何かが起こっていたとしても、痛みを感じることは無く、それを守る膜が異常を感知して、痛みとして知られます。

胃腸の場合も似ていて、腸を切ったとしても痛みは感じないです。

ですが胃腸は、例えば胃腸炎の痛みは胃や腸が動きすぎて、筋肉が必要以上に延ばされてしまうことで起きています。腸閉塞は中が詰まってしまっているのに後から食べ物がどんどん入ってきて、また引き伸ばされてしまい痛みとなって現れます。

がんの痛みは、ロキソニンなどのような普通の痛み止めが効くので、少しは楽になりますただ胃腸炎のような筋肉による痛みは痛み止めは効かず、ブスコパンと言う薬がおすすめです。

ただし、もしお腹が痛いというときに、ロキソニンなどを飲んで楽になった場合はがんを疑ってみてください。

 

次回も痛みについてお伝えしますので、是非ご覧いただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属