Voicy更新しましたっ!
今回は季節の花。
紫陽花の話。
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紫陽花は毒にも薬にも
6月に見ごろを迎える「紫陽花(あじさい)」の花ですが、実は紫陽花の花で食中毒になる、ということがよくあります。しかし一方で、使い方によっては漢方薬にもなります。
今回は、紫陽花の持つ効果にまつわるお話です。
紫陽花で食中毒を起こす
まず紫陽花の持つ毒、についてですが、実は紫陽花による食中毒というのが、毎年報告されています。
ただ紫陽花を食べるというイメージはあまりないと思います。
まれに、お刺身などの料理に、彩りとして葉っぱを添える、敷くということがあります。これを食べることで、食中毒の症状が現れるということです。
ただし、症状はそれほど強くなく、命を落とすことはほぼありません。
具体的には気持ち悪さ、めまいなどで、重度な場合でも立って居られないぐらいすごく気持ち悪くなる、という程度ですが、れっきとした食中毒ですので、食べないようにしましょう。
この原因は、はっきりとしたものはわかっていませんが、アミグダリンという青梅に含まれるような毒素に似たような成分によって起きていると考えられます。
ですが、これはごくわずかしか紫陽花には含まれていないため、これだけが原因とは考えにくいというのが現状で、確かなことはまだ不明です。
紫陽花の「根」は漢方薬に
葉、花ではなく、根の部分は、昔から漢方薬として用いられています。
中国では常山アジサイ、という種類のものがあり、この根を乾燥させて使います。
しかし、実は葉っぱをそのまま食べてしまうのに似た効果があり、飲むことで強い吐き気が襲う、という特徴があります。なので同時に、吐き気を抑える漢方薬と一緒に使う、というのが主な使い方で、例えばマラリアなどの高熱に見舞われる病を治療した、とされています。
ただ、漢方ではこの吐き気を逆手にとって、不必要な質の悪い水分がたまっているから、一旦吐かせてしまって、体の水の流れをリセットする、という概念がありました。これを吐痰行水(とたんこうすい)と言います。
実は今でも、マラリアの薬には紫陽花の根に含まれる成分を用いています。
紫陽花の花は現在も研究のさなか
紫陽花の根の漢方を応用して、マラリアへの薬が開発されたという経緯があります。成分が改良され、問題となる吐き気も大きく抑えられ、今でも用いられています。
また、最近では「自己免疫疾患」に効果的、という研究が続けられています。
自己免疫疾患とは簡単に言うと「自分の免疫が、自分の細胞を攻撃してしまう」疾患のことです。例えば細胞や臓器を攻撃してしまって、傷つけることで何らかの炎症になるとか、関節リュウマチなど重度な病になるというようなことです。
非常に広いくくりで、不明なこともたくさんある病ですので、まだまだ研究段階ですが、もしこれに作用するのであれば凄く画期的なお薬になります。
紫陽花はそういった可能性も持つお花、ということです。