高熱じゃなくても危険?敗血症で見る4つのサイン#1021

9月13日は世界敗血症デー

本日は2026年9月13日で、土曜日の配信となります。

9月13日は世界敗血症デーとされており、日本のみならず世界的に啓発されている病の一つです。

普通に生活していると聞き慣れない病気と思いますが、実は敗血症は命に関わることのある、非常に重い病になります。

今回はこの敗血症という病について、詳しくまとめていきます。

敗血症とは

敗血症とは、肺炎や尿路感染症、膀胱炎、皮膚の感染症などをきっかけとして、体がその感染症に対して過剰に反応してしまい、自分自身の臓器が傷つく状態のことです。

敗血症は血が敗けると書きますので、血液の中に何かが入って大変なことになる、という風に思われる方もいるかと思いますが、そういう意味ではありません。

重症化していくと、肺や腎臓、心臓といった重要な臓器までも正常に機能しなくなるため、命に関わります。

敗血症はとにかく早く気づいて、早く医療につなげることが非常に重要です。

さらに、特別に重い感染症だけが原因になるわけではなく、身近な肺炎や尿路感染症といったものから起こることもある上、誰にでも起こる可能性がある病です。

特に乳幼児、高齢者、妊娠中や出産後の方、持病がある方、薬などの影響で免疫機能が低下している方はリスクが高いですので、注意が必要です。

風邪・感染症などの際に気を付ける4つのポイント

敗血症のサインとして覚えておいてほしい、4つのポイントがあります。

意識、呼吸、顔色、尿の4つです。

1つ目の意識は分かりやすいですが、いつも普通に話している人が急にぼーっとしているとか、質問に対する答えがおかしい、会話がかみ合わない、呼びかけても反応が鈍い、寝ている時に起こそうとしてもなかなか目を覚まさない、といったような変化です。もし何らかの感染症や病の最中にそうした症状が起きた場合は注意してください。

2つ目の呼吸も、急に呼吸が速くなったとか明らかに息苦しそう、息が苦しくて普通に話すのもつらそう、という場合は、風邪をこじらせただけと思ったりせずに、早めの処置が大切になります。

3つ目の顔色は、顔が青白いとか唇が紫色っぽいといったチアノーゼや、皮膚にまだら模様があるように見える、冷や汗をかいているなど、普段とは明らかに違う見た目の変化もサインになります。

そして4つ目の尿は、いつもと比べて量が明らかに少ない、出にくくなっているという変化は、体の状態が悪化している表れです。

このほかにも、強いだるさ、激しい寒気、痛み、脈の異常な速さなどももちろん異変ですが、まずは意識、呼吸、顔色、尿の4つの変化を覚えていただければと思います。

決して熱だけで判断しない

不自然に高熱が出ると敗血症、という認識もあるかと思いますが、決して熱が出るだけと決めつけないでください。

特に高齢者だと、重い感染症であっても高熱が目立たなかったり、逆に体温が低くなったりすることがありますので、平熱より高いとか、38℃を超えているかどうかなどで判断するのではなく、昨日までと比べて明らかに体調がおかしい、という変化を見逃さないようにしてください。

また当然ですが、4つの症状がすべてそろわなければ大丈夫、ということでもありません。

少しでも何かおかしいと感じたら、早めに医療機関へ相談できるようにしていただくと安全です。

おかしいと思ったら病院へ連絡を

最後に、敗血症になったかもしれないという場合についてですが、もし疑われるような状態になった際は、自宅で家族だけで何とかすることはできず、お医者さんによる処置が必要になります。

感染症らしい症状が続いているのに良くならない、昨日より明らかに悪化している、前述の4つの変化が出てきたという場合には、まずは医療機関へ電話で連絡してください。

もし普段から受診している病院がある場合は、是非そちらへ相談してください。

たまに患者さんで、薬を5日分もらったから5日間薬を飲んで様子をみる、という方が居ますが、服用中でも症状が明らかに悪化した場合はすぐさま医療機関へ相談していただければと思います。

また反対に、解熱剤を飲んで熱が下がって治ったと思われることもありますが、熱が下がっても感染症そのものが治ったとは限りませんので、その点も注意が必要です。

一方で、呼びかけても反応がおかしい、意識がはっきりしない、急に息苦しくなって呼吸がつらそう、顔色が明らかに悪い、唇が紫色になっているといった状態は緊急を要する事態ですので、すぐに119番へ連絡してください。

もし救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合は、前回紹介した#7119のような、相談窓口に連絡する方法もあります。

そして電話の際には、いつから具合が悪くなったのか、という時間経過について伝えてください。

昨日までは普通に話していたのに、今朝から起きられなくなってぼーっとしている、朝までは普通だったけど夕方から急に会話がかみ合わなくなった、などのように、普段の状態からどのように変化したのかを救急隊に伝えてください。

敗血症をはじめとした、重い感染症では症状がいつ始まり、どのように悪化してきたのかという情報が非常に重要になりますので、症状の変化はできるだけ細かく伝えていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属