下痢止めの使い方
先日コメントにて、とにかく辛いから下痢止めを買ってきてと頼まれた、と言ったコメントを頂きました。
食べるとすぐに下してしまい、下痢止めを使いたいと言われたようですが、悪いものは治るまで排出したほうが良いのでは、とも思われたようです。
下痢と言うと、ノロウイルスや食中毒に関連して取り上げることが多いですが、それ以外にも様々原因があります。
今回はこのコメントから、下痢と下痢止めのお薬について、少しまとめて行きたいと思います。
下痢が起こる仕組み
人間の体で起こる「下痢」は大きく分けて2種類あり、急性と慢性に分けられます。
急性とは前述のような食中毒やノロウイルスなどによって起こる下痢で、長くても3日程度で治るタイプの下痢です。
急性の下痢は、鼻で起こる鼻水や喉で起こる痰のように、有害な物質を外に排出しようとする働きの一つです。
他には内臓の冷えや暴飲暴食によってお腹を壊す、というのも正式に言うと急性の下痢が起きている、という状態です。
もう一つの慢性の下痢は、数週間以上下痢が続いている場合です。
有名な過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、大腸がんが起きていることで下痢をしている場合は、慢性の下痢となります。
またストレスによって起こる下痢や食べ物のアレルギー反応のように、特定の食品だけ胃腸が受け付けずに下痢をするというのも、慢性の下痢に該当します。
排出する働きを止めないこと
以上を踏まえて、今回の本題となる下痢止めというお薬についてですが、簡単にまとめると、実は飲まないほうが良いことのほうが多い、と言えます。
特に、急性の下痢の場合は、前述のように何らかの異物を排除したいがために起きている症状ですので、下痢止めは使わずに、水分補給をしながら出し切ることが大切です。
出来るだけ固形物は食べずに、スポーツドリンクかOS-1のような経口補水液を使ってミネラル分を補給しながら、全て出し切るようにしてください。
次に、下痢止めを飲んでも良いが飲まないほうが良いというときが、飲み過ぎ食べすぎの、暴飲暴食による下痢です。
これはウイルスや細菌によって起こっている下痢ではなく、不必要で胃腸に重い負担となっているために起きているものですので、止めても問題ありませんが、止めると負担は変わらず、気持ち悪さや不快感につながります。
ですが、仕事などでタイミング的にトイレに一時的にこもることができないような場合に、緊急的に使うのはベストかと思います。
そして、慢性的な下痢の場合も、実はあまり下痢止めは飲まないほうが良いです。
前述のように、慢性の下痢が起きているということは、何らかの病気が隠れていることが多いため、その治療をしなければ悪化していく一方になります。
ただし、お医者さんから過敏性腸症候群などと診断された場合、下痢止めを処方されることがあります。
この下痢止めは市販のもののように、お腹が痛いときに一時的に飲むというものではなく、治療のために定期的に継続して飲むお薬としての下痢止めですので、指示に沿ってきちんと飲むようにしてください。
下痢が起こったときは、まずは水分を取って脱水しないように気を付けて、なるべく食べないようにして安静にして、下痢を出し切るようにするのが最も安全です。